私の家ができるまで

新築建築までに起きた出来事 

23.家造りの再開

                                                                  

 2021年4月4日

事務所にて打合せ。久しぶりに家造りをしている感じがする。

以下の話し合い。

  • 配置図確認
  • カーポートの申請はするか?
  • 浄化槽の位置の確認
  • カーポートの雨どいの方向の修正方法

 

私    「今日、午後から水回りのショールームに予約してます。」

担当者さん「そうでしたか。昨日私も行ってきたんですが、新しい浄化装置付きの水栓をおすすめしますよ。是非観て来てください。」

私    「担当者さんも・・・・一緒に行きませんか?

担当者さん「・・・・そうですね。いいですよ。」

(うそ!?やった!!)

夫    「大丈夫なんですか?」

担当者さん「はい。少し遅れるかもしれませんが。」

担当者さんとショールームで待ち合わせとなった。 

向かう車の中で、はたと気が付いた。

(担当者さんを急に呼んだのは私だから、担当者さんが良かったと思える見学にしないと。来てもらった意味が出ないと白けてしまうぞ。)

 

ショールームに着く。担当者さんから少し遅れそうですとLINEが来たので、夫はその辺りをぶらっとしてくると言って消えた。

 

担当者さん「〇〇さん(私の名前)。」

 

担当者さんが現れた。本当に来た。

私    「お疲れさまです。今、夫がその辺りを見てます。すぐ来ると思うのでちょっと待ってください。」

担当者さん「何してるんですか?」

後ろから担当者さんが覗き込む。椅子に座る私の右顔の間近に担当者さんの顔がくる。

(ん・・・・?近い。どうしよう。)

私    「今日のおさらいをしてます。」

冷静を装った。少しして担当者さんは離れた。

 

夫が戻って来たので担当アドバイザーの方に声をかけ、4人で検討箇所を見回る。

 

(今日来た目的は、これまで夫抜きで進めた変更箇所を夫に見てもらう事だったが、これを担当者さんも交えて、より良い見学に持っていかなければならない!)

全員が楽しく滞りなく進めていけるようにプロデュース。頑張ってみようと決心した。

 

アドバイザー「こちらのIHクッキングヒーターは…。」

私    「あなたが見ないとダメだよ。さ、近くで見て。」

夫を商品の近くへ誘導する。アドバイザーさんが冗談も交えて夫に操作した所を見せてくれた。

私    「さすが、アドバイザーさんだ。面白いね。」

夫にそう話しかける。アドバイザーさんも笑顔で対応してくれた。

 

アドバイザー「水道の蛇口の変更ですが…。」

私    「あれ、担当者さんこの水栓ですよね。これって確か浄化機能付きの・・・・。」

 担当者さん「そうですね。この水栓なんですが…。」

 アドバイザーさんが気を利かしてくれてさっと担当者さんの後ろ手に回る。結構な間、水栓について話した。夫が少し興味を持ったのが嬉しい誤算だった。

 

アドバイザー「あと、お風呂の変更ですね。こちらです。」

夫がアドバイザーさんの後をついていく。私も、と行きかけたが後ろ側で他の浴室の床を見ている担当者さんに気が付いた。

私    「その浴室の床、いいですよね。本当は私もそれにしたかった。」

担当者さん「そうですね。ちなみに…。」

軽く2人で話しながら、床から立ち上がる。

トンっと私の背中に何かが触れた。

 

担当者さんの手だ。

 

私のすぐ後ろを他の見学者が通ろうとしていた。これを避けるためにさりげなく添えられた手。

エスコートされてるみたい。)

「すみません。」と通行者へ声をかけ、隣にいる担当者さんにペコリと頭を下げた。

(・・・・顔をまともに見られない。)

夫とアドバイザーさんの元へ戻って話に加わる。

(添えられたとこ、まだあったかい・・・・。)

勇気を出してふと担当者さんを見ると、いつもと違ってボーっと突っ立るように見えた。真正面を向いて動向を伺うような視線でこちらを見ている。

(どうしたんだろう。何か聞きたい事でもあるような表情・・・・。こんな気の抜けた担当者さん初めて見たかも。) 

 

今日はイベントで抽選会があった日だった。

担当者さん「旦那さんと仲良く一回ずつやったらいいんじゃないですか?」

私    「いやいや仲良く…。私はいいです。」

私    「あなた二回やっていいよ。」

夫だけクジの方へ送り出した。ふと担当者さんが私に近づいて、耳元で何かを言う。

(聞き取れないけど…。けど…近い!!

慌ててぴょんっと他に話題を見つけながら離れてしまった私。何を言ったかは分からずじまいのまま。

 

ショールームを出る際、アドバイザーさんと一緒に見送る担当者さんへ声をかけた。

私    「担当者さんにお渡ししたいものがあります。大したものではないんですが…。」

担当者さん「ええ?何ですか?」

顔をほころばせ嬉しそうに答えてくれた。

行きがてら買ったコーヒーのドリンクを手渡しした。

私    「大したものではありませんが、担当者さんのために選びました。今日はありがとうございました。」

笑顔で受け取ってくれた。

 

今日は本当に楽しい見学の来場となったなと家で思いに更けてると。担当者さんからLINEが届く。

担当者さん『先ほどはご褒美ありがとうございました。』

私    『いえいえ、こちらがお礼をしなければばりません。楽しい来場となりました。それと……後で聞きたいことがあるんですが、近いうちお電話大丈夫ですか?』

担当者さん『電話いつでも大丈夫ですよ。』

私    『担当者さんありがとう。やっぱり優しいですよ。』

担当者さん『そんな事ないですよ。私も聞きたいことがありました。電話ください。』

 

ちょっといつもと違うテンションの担当者さん。

 

その日は電話をしなかった。

 

 

2021年4月5日

朝一LINEが届く。

担当者さん『おはようございます。今日の夕方とかでも大丈夫ですよ。』

こんな風に積極的に接してくる担当者さんは今までない。

夕方、電話が担当者さんからかかってきた。

担当者さん「あの、夕方電話するって言ってましたが、なかなか来ないので…今大丈夫でしたか?」

私    「はい。すみませんでした。ところで担当者さんの話って何ですか?」

担当者さん「・・・・。私から…ですか。」

担当者さんは家造りに関する話をした。その後、私も家について聞きたかった事を話す。

その後、雑談へと流れ込んだ。

担当者さん「通常であれば上棟式の際などに集まって飲んだりしますが、今回はないですしね・・・。・・・・。飲みに行きたいですね。」

私    「是非!!」

思わず分かり易い反応をしてしまった。

私    「実は前に主人に担当者さんと2人で飲みに行きたいって言ってみたんです。主人何と言ったと思います?」

担当者さん「え?」

私    「…そしたら、『いいよ』だそうです。」

担当者さんは高らかに笑ってくれた。

担当者さん「(笑いながら)いいんですか!?」

私    「・・・・。担当者さん?」

担当者さん「はい。」

私    「担当者さんはお客さんと友達のような関係になった事はあったりしますか?親しくなるっていうか…どうですか?」

担当者さん「・・・・そうですね。私はこれまでないですね。」

私    「なれませんか?私はなりたいと思ってたりします。自然な形で住宅の話をしたり、一歩踏み込んだ……深く関係していく気持ちがありますか?」

担当者さん「・・・・そうですね。自分はバカなんでそこら辺が上手くできるか…。考えてみます。」

担当者さんははっきりと答えてはくれなかった。

 

夜、LINEで再アタックする。

私    『私としては担当者さんとの出会いがとても大事なもので、以前言いかけた私達の経路を伝えたいです。伝えられず関係が終わるのはとてももったいないような感じがするので、お話だけさせてください。』

担当者さん『経路につきまして、非常に興味があります。関係が終わるのですか…(悲)』

 

2021年4月6日

私    『関係が終わる=契約しないではないですよ。』

担当者さん『関係が終わる事はないですよね?😭』 

担当者さん『確認申請提出書類で先行しまして、浄化槽設置届出書に押印していただきたいのです。急で申し訳ございませんが、10日(土)御都合いかがでしょう?』

LINEと一緒に水回りの見積りも送られてきた。

(=_=)

これは話をそらしているのだろうか。

永遠とこのやり取りが続くように思える。

ハッキリしたくて電話で問いただすと…「わかってます。」とポツリと返ってきた。

(何だ、私が言いたい事わかってんじゃないかー!)

と、叫ばずにはいられないほどの気持ちになる。

 

LINEで再度、確認をする。少々、強引な気もするけど…。

私    『押印の件は主人に確認しまして後ほどご連絡します。関係は担当者さん次第です。私だって関係を切りたくはないですが……一方的にできないですよ。でないと私も動けないんですよ(泣)』

 

世の中というのは本当に面倒なものだと思う。

私は人として人と繋がりや交流をもてたら最高だと思うけど、それを世間が良いと思わない状況もあるから。

だけど、それで素晴らしい出会いから関係を持てないのはもったいない。

私は夫との二人暮らしの人生だから、出来れば色んな人間と繋がって、仲良しの人間関係が沢山欲しい。

そんな風に最近考えるようになったから実行してみた。

 

担当者さん『関係につきましては、これからも私は深めていきたいと思います。よろしくお願いします。』

 

ようやく担当者さんの了承を受ける。

 

私    『家造りのブログを立ち上げようと思います。いいですか?』

すぐに返信が返ってきた。

担当者さん『是非、お願いします。』 

私    『きっと喜んで受け入れてくれると思いました。良かった。😊』

 

少し前から考えていた、家造りの記録をブログという形で作ってみよう。

担当者さんから親しくなる意志が聞けたら伝えようと思ってた。

こんなに未知の世界へ飛び込んで行こうとする自分は信じられない。

 

人と関わることさえ出来なかった自分は、担当者さん、あなたのおかげで変わったんですと、いつか伝えたい。

あなたが2月15日の夕方、アパートの玄関にやって来たあの瞬間が、私を変えてくれた日です。と。 

 

 

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