私の家ができるまで

新築建築までに起きた出来事 

45.終わらない議論

                                                                  

2022年1月1日(元旦)

年が明けた。

工務店さんと出会って家造りを進めてきて二回目の正月。

 

(長い・・・・。)(-_-)

(まだ家、出来てない・・・・。)(T_T)

どれだけ時間がかかってるんだと周りに言われる。

新築の工事中に現場近くのスタンドが建設をはじめたが、そちらが先に建ってしまったりもした。

 

(でも、いいか。家造り楽しいし。)

 

 

2022年1月11日

担当者さんからLINEがきた。

担当者さん『リビングニッチのリモコン6個とファンのスイッチリモコンがありましたので、配置検討をお願いします』

 

仕事終わりにすぐさま電話した。

【トゥルル…トゥルル……】

【プチッ。】

(あ、出た。)

【プチンッ。……ツーツー…】

(え!?)

電話繋がったと思ったら切れた。すぐに折り返しくるだろうと思っていたけど来なかった。

(なんだ!?こっちも出掛けたいのに。担当者さんに合わせて自分の予定に動けないのも尺だ。)

なので、出掛けた。

 

40分後   

 

担当者さんから着信が来た。運転中のため出られなかった。

 

10分後   

 

こっちから掛け直す。

【ツーツーツー……】

(何これ。電話出ないように設定してる。もう、いいや用事を済ませてこよう。)

 

1時間後   

用事を済ませて車に戻り携帯をチェックすると担当者さんから着信が入った後があった。すぐさま掛け直す。

【トゥルル…トゥルル……】

今度は繋がるように設定してあった。

(出ないけど、また折り返しくるだろう。まだ夕方の6時だし。)  

 

だけど、夜7時になっても担当さんから連絡は来なかった・・・・。

(一一")…イラッ

LINEの内容から結構重要なポイントだと思って電話で聞こうと思ったのに、連絡をまともに取れないこと、またしても私の怒りスイッチが入った。

 

 

次の日の朝

担当者さんから連絡が来ないまま朝になる。

(工期迫っている時、施主の指示が必要なら電話ぐらい昨日のうちにかけてくるものだろう。)

だんだんと苛立ちが募る。

(出勤前のこの忙しい朝に連絡が来ても困る。いつでも私が担当者さんに合わせられると思わないで!もう知らん。)

スマホの電源を切った。

こんな事をしたのは初めてだった。

 

 

仕事のお昼休みに、会社の人にこの状態を伝えた。

私    「色々あって、電話出たくないんだよね。」

会社の人 「じゃあ、機内モードにすればいいですよ。スマホはいじりながら相手からの連絡は拒否できる。」

私    「なるー。NICE!」

返してくれない担当者さんとの連絡は断ちたいが、スマホは使いたい。しかも今はあちこちに連絡しなくてはいけない状況でもある。

 

機内モードをONにした。

(私だって色々忙しい。担当者さんばかりが私の予定じゃない。)

会社の人とお昼休みに雑談しながら過ごした。

 

 

夕方、アパートに帰ってきた。

まだ、機内モードにしている。

(解除してみようかな。)

他に連絡をする必要があったりで、一旦機内モードを解除してみた。

いきなり、LINEから着信から履歴が雪崩れ込んできた。

(うおっ!あ、担当者さんから連絡きてる。)

担当者さんからLINEから着信から物凄く入っていた。

 

担当者さん『昨日は電話に出れず、申し訳ございませんでした。』

担当者さん『今日の夕方連絡します。』

 

(なんかここまできたら、何処で解除したらいいかわからなくなってきた・・・・。)

この先のシナリオが思いつかない、衝動的に始めた事に良い終止符が打てない。

(で、最終的に私は担当者さんにどうしたいんだ?どうしてもらいたいんだ?)

 

自らはじめた事で答えがでず悩む。自分、バカすぎないか?と思う。

それでもスマホ機内モードのまま、夕方の担当者さん電話は出なかった。

 

 

次の日の朝

まだ携帯は機内モードにしている。

もちろん、担当者さんに連絡もしていない。

朝の身支度をしていた。

【ピンポーン】

(!!)

チャイムが鳴る。外で雪よせをしていた夫がインターホンの画面に映っていた。

夫    「担当者さん来たぞー。」

私    「え!?」

インターホン越しにかすかな担当者さんの声と夫の話し声が聞こえてくる。

(うそ!?ええ!!ええ!!)

パニックである。着替えている。そして出勤まで時間がない。何よりまさかの突然の担当者さんの登場である。

こんな時間に来たことなんてこれまで一度もなかった。

 

夫    「どーするー?」

私    「無理!今着替えてるから!ってか、時間ないから。帰ってもらって。今来られても本当に困る!!マジで、困る!帰ってもらって!!」

 

インターホンの奥から担当者さんと会話する声が聞こえる。

私は着替え途中のままバクバクと心臓の音を立てて様子見していた。

このまま着替えを続けることも、行くことも出来ない。

(・・・・。どんどん時間が過ぎる。どうしよう、出勤に間に合わない!)

 

10分ぐらいして夫が家の中へと戻ってきた。

私    「担当者さんは!?」

夫    「帰ったよ。ってか、なんで電話でなかったんだ。担当者さん、言ってたぞ。」

珍しく怒り気味の夫。

私    「・・・・。」

バツの悪い私。

夫    「繋がらないって言ってたぞ。電源切ってたのか?」

私    「・・・・忙しかったから。おちこち連絡きて大変で整理できなくて…機内モードにするといいよって会社の人に教えてもらって…。」

夫は何を言ってるんだという様子だった。

夫    「とにかく、お昼休みに担当者さんに連絡しろ。するように話した。」

 

 

お昼休み。

しぶしぶ、重い腰をあげて担当者さんにLINEした。

私    『今日夕方現場にて内容の打合せできますか?棟梁は来れるのでしょうか?』

担当者さん『現場打合せお願いしたいと思い、連絡しようとしてました。お願いします。』

 

 

夕方、現場に赴いた。

現場は大工さん達から棟梁から、電気屋さんから、多くの関係者が作業を行っていた。ガヤガヤとするなか入っていくと、担当者さんがそこにいた。

いまだ、バツが悪い。どんな言い訳をしたらよいかわからない。

 

私    「担当者さん!」

担当者さん「?」

私    「担当者さんに電話したのに、なんで返してくれなかったんですか!?私だって忙しくていつでも電話出られるわけじゃないんですよ!」

ここは勢いでストレートに突っ込んでみた。

大勢の職人さんの前で怒る自分は可笑しい人と映ってないか、気になってちらりと隣に立つ棟梁を見た。

(; ・`д・´)ちら。

(^_^;)にこ。

棟梁は笑っていた。

担当者さん「ああ、すみません。お電話できなくて。」

担当者さんは動じずに返す。

私    「あの時、まだ6時すぎぐらいだったじゃないですか。こんなに大事な件なら電話ください。待ってたんですよ。」

また棟梁の顔を確認した。

(; ・`д・´)ちら。Repeat②

(^_^;)にこ。Repeat②

担当者さん「はい、申し訳ありませんでした。それでですね、〇〇さん(私の名前)、このニッチの…。」

本当にサラリと本題に持っていかれた。

(ええー!!私がおこなった着信拒否の件流された。あんだけやった事、どうでもいい事だったの!?)

電話に出なかった理由をきかれるのも、聞かれないのもまた心のやり場がない。

しかし、棟梁たちが仕事の為に集まってるので、ニッチの内容に入っていった。

 

ニッチの内容を決め、棟梁と伝える。

棟梁は柱にしるしをつけてたりし始める。

 

担当者さんから借りてたスケールで担当者さんにツンっとしてみた。

担当者さん「・・・・。」

無言で返された。

私    「担当者さん、なんで電話くれなかったんですか?」

担当者さん「しましたよ!」

突然担当者さんの口が開いた。顔は笑顔である。

私    「来ませんでした。」

担当者さん「次の日の朝、電話しましたよ。電源切ってたんですか?」

私    「電源入ってませんでした。」

担当者さん「なんで!?」

拍子抜けしたような視線と笑顔のまま聞いてくる。

(。-`ω-)電話… (*´ω`*)しましたよ

私    「・・・・。私だって忙しいんです。電話その日のうちにくれなかったのでそんなに重要な事じゃないと思って、他の用事をしたり、他と電話したりしてました。」

担当者さん「何かあったかとおもいましたよ!」

やっぱり笑顔で話す。

私    「何もないですよ。あと、朝いきなり来られても対応できません。来るなら連絡ください。」

担当者さん「だからしましたって。機内モードになってたじゃないですか!?」

同じ会話なのに、それでもほがらかな笑顔と甲高い声で話す。

私    「あ、そうですね。」

担当者さん「何か身に起きたかと、でなければ携帯を失くしたか、心配しましたよ。だから朝行ったんです。行ったら、車があってご主人がいますよって…。」

私    「心配してくれて来たんですか?」

担当者さん「そうですよ!そしたら家に普通にいたんで。いたんだって思いました。」

キョトンとして担当者さんは答えた。

私    「・・・・。そうだったんですね。」

その表情に、嬉しさと有難さが沸き上がる。

 

(私がいるかどうかだけの為に来てくれた。)

 

 

現場は片付けが始まっていた。

気づかず、担当者さんと話す。

私    「でも、来なかった、電話…。」

担当者さん「ちゃんと連絡しましたって!」

(。-`ω-)でも… (*´ω`*)しましたって!

また、この会話がはじまってしまう担当者さんと私。

棟梁が私達のところへやって来た。

 

棟梁   「まず、行くぞ。後はお二人でごゆっくり話合いを…。」

 

(いや、ちょっと待って。)

(何故、棟梁がそんな気を使った台詞なのか気になる。)

 

 

ほどなくして担当者さんと私は外へ出た。

少し離れたところに止まっている車の側まで行く。

 

担当者さん「ほんと、電話は出ないしLINEも既読つかないんで、何かあったかと思いましたよ。」

私    「すみません…でも担当者さんも最初の電話の時に出てすぐ切れちゃったりしましたよ。え?と思いました。」 

担当者さん「それは…すみませんでした。打合せ中でして。」

私    「その後、電話くれれば…。」

担当者さん「夜9時頃までやってました。」

私    「え?あ、そうなんですね…でもなら朝一でLINEとか…。」

担当者さん「だから、電源切ってたでしょ。私はちゃんと電話しましたよ。」

(。-`ω-)だって… (*´ω`*)しましたよ

 

またはじまってしまった。

こんなやり取りを夜7時まで続けた。

真っ暗な雪の中、私と担当者さんは何をやっているんだか……。

 

 

 

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