私の家ができるまで

新築建築までに起きた出来事 

0.プロローグ

                                                                  

<目次>

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    この土地を手に入れるため、 

        今、農地転用の許可を待っている。

  もうかれこれ8ヵ月は待ち続づけている。

       家を建てるため    

      この土地を見つけたのは工務店さん。

     工務店さんとの家づくりを決めたのは

       去年の7月。

 

        おそらく生涯、

   この出会いと経路は忘れない。

 

 ブログ(story)一覧

  1. 工務店との出会いとはじまり
  2. 住宅説明のための事務所訪問
  3. 売買不可
  4. 売ってる土地はごくわずか
  5. 農地法と固定資産税
  6. 住宅ローンの事前審査
  7. ローンの条件にも農地の壁
  8. 少しづつ出てくる疑惑
  9. 平屋
  10. 間取り
  11. 農振除外申請書、提出
  12. 間取り2
  13. 水回りのショールームへ
  14. 間取りの完成形へ
  15. 窓と採光率
  16. 予算と追加オプション
  17. 私の思う家
  18. ガラケーからスマホへ
  19. あなたの事情と私の事情
  20.  担当者さんと私
  21. 自分を大切にすること
  22. 想いを伝える
  23. 家造りの再開
  24. 私の担当者さんは…
  25. 社長不在
  26. もう一つの工務店
  27. 登記申請書をつくる
  28. ひたむきさ×情熱
  29. 打合せの中止
  30. 本気
  31. 私を変えてくれた人
  32. 喜んでもらいたいから
  33. 私にしか出来ない事を探して
  34. 私にとって担当者さんは…
  35. 心配しないで、大丈夫
  36. あなたらしく
  37. 誰がために書き綴る
  38. 色んな情があるならば
  39. 他の人は知らない幸せな時間
  40. 君の恋人達
  41. 進まぬ工事
  42. 追及
  43. こんな家造りもある
  44. 内装屋さん
  45. 終わらない議論
  46. 車のエンジンがかかるまで
  47. 完成見学会①
  48. 完成見学会②

家の為に(episode)一覧 

 出会う前のこと…

48.完成見学会②

                                                                  

2022年2月12日

今日は午後から夫の両親が家を見に来る。

夫と私、担当者さんの3人で待ち構えた。

 

夫の父  「おう、邪魔するぞー。」

夫の母  「こんにちわー。」

夫    「うん。」

 

担当者さんと私が待つリビングに、夫に招かれたように夫の両親が入ってきた。

夫の父と顔を合わせたので、ペコリとお辞儀だけした。

 

夫は両親を連れて、おちらこちらの部屋を見せて回る。

寝室の中へ3人の姿が消えていった時、担当者さんは小声で私の耳元で聞いた。

 

担当者さん「ご主人さんのご両親とお会いしたのはいつですか?」

 

私    「・・・・去年の9月でしたかね。随分合ってません。」

 

私の言葉に何もいわない担当者さんだが、表情が「なるほど、そうですか。」と見えた。

何故、そんな質問をしたのかはわからない。

 

一通り見終えた夫とその両親はリビングに戻ってきた。

 

夫の父  「雪かきが大変だな。」

私    「大丈夫です。もう除雪機買っちゃてたし、夫が。」

夫がふふと笑う中、夫の父は返答は特になく、あっちへ行った。

夫の母  「じゃあ、あなたも朝早く起きて、雪かきしなきゃいけないね。」

夫    「朝、早くは大変だなー。」

私    「大丈夫。この間見に来てくれた私の同級生が良い除雪方法教えてくれたし。町の除雪入る前に雪を寄せて出して…って。」

私が夫の目を見つつ、夫の母とも会話しいると、途中で夫の母は夫の父のいる所へ行った。自然と後追いするように夫も連れ立つ。

 

夫の父  「何坪ある?兄さんのとこよりあるのか?」

夫    「ないんじゃない……かな?」

夫の母  「兄さんのところは……。」

ここで言う兄さんとは、夫の兄夫婦の話だ。9年前ほどに家を建てた。

 

夫の父  「全部電気か?災害がおきた際問題があるなー。発電機が必要だ。」

夫    「その時は毛布でもかぶって過ごせばいいかな。」

夫の父  「毛布?寒くて大変だろ。ボルト数のある発電機じゃなきゃ、対応できないぞ。停電が何日も続いたらどうすんだ?」

担当者さん「そこは…まあ…、電力会社さんに頑張ってもらわないと…ですね。」

夫の父  「だとしても、問題はよ…。」

夫    「・・・・。」

言葉が出ない夫に目を向けて、しかしながら夫の父に対して言う。

私    「大丈夫、私の父さん発電機持ってるから、貸してくれる。」

夫の父  「そんな発電機じゃ、全然ダメだ。話にならない。」

私    「えっと…携帯充電とか情報知る為とかで、最低限の電力さえあれば何とか…。」

夫の父  「いやいや、全然それじゃあダメだろう。」

夫    「だからそん時は毛布でもかぶって。」

私    「うん。まあ、最悪、車さえあれば。」

夫の父  「停電したら、2人で実家の来て家の中60℃も70℃もして暮らされても困るからな。」

 

(・・・・。)

 

夫の父  「問題はよ。地盤改良したから、もしかすると1年後に家が歪んだり、傾いたりある可能性がある点だな。」

担当者さん「そこは、10数メートルまで地盤改良の為コンクリートを流し込む手法で行ってます。」

夫の父  「いやいや、俺の知り合いでもいたんだけども、その後1、2年後に地盤改良したせいで地脈が崩れて傾いた家がある。その場合はある機関に話をして…。」

担当者さん「・・・・。」

 

夫の父  「問題はよ、耐震もだ。」

担当者さん「耐震対策として、構造体は…こうしてます。」

 

夫の父  「家見に来たんだか、雪を見にきたんだかわからねーな。じゃあ、帰る!」

 

夫は自分の父と母を見送ろうと一緒に玄関に出た。来てくれた皆に渡している小さなお菓子の袋を渡すようにと夫に手渡した。

私    「父さん、母さんに渡して。」

夫    「ちょ、父さん、これ。」

夫の父  「なんだ?」

夫    「気持ちだー。」

そこへ紙袋を持った夫の母。

夫の母  「私もこれ、気持ち。それとこれは、お前が飲む酒。」

 

その様子を私は担当者さんと共に少し離れたポーチの下で眺めていた。

 

夫の両親の車が去って、担当者さんと私そして夫は新居へ戻る。

 

担当者さん「頑張ってください!」

 

私を見て担当者さんは突然大きめの声で発した。

はっと思った。

 

(ありがとうございます。担当者さんが夫の両親が来てすぐ聞いた質問の意味がわかりました。)

 

だから、私の知り合いにも合わせてくれる担当者さんが、夫の両親のいる場で強めの姿勢でさっきまで話していたんだ。

 

(私をかばってくれた。見方でいようとしてくれた。)

 

最近、私の同級生が言っていた事を思い出す。

 

同級生  『親、兄弟の繋がりが一番じゃねーんだ。俺はよ、周りの人間を家族だと思って接してる。親兄弟よりも強い関係はある。』

 

担当者さんがそこまで強く思ってるかはわからないけど。

担当者さんの思いやる心が見える。

 

ひっくるめて。

 

担当者さんが、これまでの私を認めてくれたから、今の私がある。

あなたとの出会いが、私に自分として生きる勇気をくれたんです。

そうして味方でいてくれようとしている人間が、一人でも多くいる者が幸せ者なんだと思ってる。

私が見つけた自分の目指す理想の生き方は、多くの人に愛を与えて生きていくこと。

 

いつか、たとえ私が既婚者であっても、女や男など関係なく、大切な人を想う時は相手をしっかり抱きしめてあげたい。

 

世の中、それを怒る人がいるのが悲しい。

 

 

2022年2月13日

今日は見学会最終日。

一般のお客さんが予約をいれてくれていた。

 

私    「ごめんなさい。予約入ってない間も新居でお留守番ですね。担当者さんの時間を拘束してしまって。」

担当者さん「いえいえ、まるでお洒落なカフェにいる感覚でパソコン作業してます。この家の雰囲気にいて、酔っちゃってる自分がいますから。」

 

あははと2人は笑った。

 

その後、ひと休憩しに外にいった担当者さんの黒いコートの中にプレゼントをこっそりしのばせた。

 

(帰る時、突然出てきてビックリさせよう。)

 

(明日は大切な男性にプレセントを送る日。)

 

〖St.Valentine♥〗

 

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47.完成見学会①

                                                                  

2022年2月4日

今日、私の家を見に某大手企業さんの方がお見えになる。

家関係の企業の営業マンさん達。

これは誰にも知られたくなかったので、担当者さんにLINEしといた。

私    『本日、17時より新居を貸し切りとしますので、担当者さん、どうかご配慮を🙇』

担当者さん『了解しました。時間あれば取扱説明書関係書類回収しておきます。』

(よし!これで準備万端。安心だ。)

 

約束の30分前に新居に到着すると見慣れた車がある。

(担当者さん、何でいるの!?)

 

中に入ると、担当者さんが出てきた。

私    「担当者さんな何でいるの?今日は貸し切りって…。」

担当者さん「書類回収しに来ました。わかってますって。今帰りますから。」

笑顔で返されるが、こっちは焦っていた。

担当者さん「貸し切りなんて言うから何かと思いました。誰が来るんですか?」

私    「それは……言えません。」

担当者さん「何それ!?」

ちょっとムスッと返す担当者さん。

(私だって担当者さんに隠し事なんてしたくないのに…。こればかりは仕方がない。わかって、担当者さん。)

 

なんとか担当者さんも帰ってくれ、秘密の私のお客様は新居を見て、そして笑顔で帰って行った。

 

(やれやれ。担当者さん、私のする事に関心を持ってくるのは嬉しいけど。)

 

 

2022年2月5日

我が家の完成見学会開始。

 

(待ちに待った!)

 

私にとって、この日は本当に楽しみにしていた日。

後から会社の人が、私のディスクに貼った完成見学会のビラを見て言われたんだけども……。

 

「完成見学会って、普通1、2日ぐらいじゃないの?5日間もやるの何で?」

 

(やはり多かったのか…。)

 

実はこのスケジュールは私が工務店に希望して叶えてもらった事だった。

多くの人に観てもらいたかったから。

 

今日から土日祝の5日間、担当者さんを我が新築に拘束する事となる。

(ちょっとそれは申し訳ないけど、担当者さんなら承諾済なはず。)

 

午前 10:30

担当者さん「すみません。明日予約予定のお客様が来てしまって…。」

電話がかかってきた途端、担当者さんが言った。

話を聞くと予約時に確認メールを返した際、誤った曜日を入力してしまったという事だった。

 

(開始そうそう、担当者さんらしいな。)

 

思わず笑顔になる。お客さんも怒った様子などもなく、新築を見学していったという事だったし、まあ良かった。

 

午前 11:00

私の姉夫婦が見学しにきてくれた。

姉    「このキッチンの照明のとこ、いいね。格好いい。あ、パントリー!これは必要。いいね。トイレには上の方に棚あった方が絶対いいよ!トイレットペーパーとか置くのに。」

姉の夫  「暖かい家ですね。へー、今って掃き出し窓床についてないんですね。家だと結露しちゃってて大変になってるんだけども。いやぁ、いいですね、新しい家。」

 

元大工さんである姉の夫は詳しく担当者さんに構造体の話を聞き込んでいた。

構造体の話を高らかな声で意気揚々と説明する担当者さんを眺める。

 

(担当者さんは本当に、家の性能、構造について自信と興味がある人だな。)

 

姉夫婦、猛吹雪と雪壁の中、ありがとう。

 

 

2022年2月6日

今日は一組、一般のお客さんが予約しているという。

私は予定があったので、新居には担当者さんだけが在中となった。

電話でやり取りする。

私    「すみません私が5日間もやりたいなど言ったので、担当者さんの時間を奪ってしまって。今日は行けませんがよろしくお願いします。」

担当者さん「大丈夫ですよ。360度カメラで撮影したりパソコン作業したりしてますんで。」

 

(担当者さんはほとんどのお願いは聞いてくれる。嬉しいな。)

 

 

2022年2月11日

午前 10:00

私がお世話になってる馴染みのエステの方がご家族で来てくれた。

エステの方「わー、いいですね。こっちはお風呂?あ、いいなー。」

旦那さん 「うん、いいね。」

エステの方と旦那さんのほんわかムードにこっちもほんわかする。

エステの方「これ、ちょっとなんだけど……、はい!」

私    「ああ!私の好きなラベンダーのオイル!ありがとうございます。」

担当者さんとエステの方は何かを話し始めていた。

私はごそごそとひとり裏で袋を開ける。

担当者さん「早速開けてますよ。」

ひとりラベンダーの香りを嗅ぐ私を見つけた担当者さんがおもむろに言うと、その場で皆ふふふと笑いあった。

 

(担当者さんの親しみを感じるいつもの接し方、素朴でいいな。)

 

午前11:00

私の会社の仲良し達が見に来てくれた。

会社の先輩「ちょっと、ここの寝室にミラーボールでも付けたらどう?そして壁はピンクに。ウォーターベットもいいかもな。」

会社の後輩「いいですね。照明とかもピンク…。」

バカなノリで楽しませようとする先輩とそれに合わせる後輩。

会社の先輩「あ、ベットは丸でもいいんじゃない?」

担当者さん「回ったりして、ですね?」

会社の先輩「そうそう。」

私    「担当者さんまで合わせなくていいんですよ!」

皆でとんでもない事を言いながらも面白く、笑い合って盛り上がる。

 

(私の知り合いの人にもこうやって話を合わせてくれる担当者さん。世間を渡る大人なスキルも持ってるよなぁ。)

 

午後 14:00

地元の中の良い友だちがお母さんと見に来てくれた。

友だち  「いいじゃーん。私この照明のとこ、好きだよ。うん、このお風呂の部分、正解。掃除しやすい。」

私    「あざーす!(ありがとうこございます)」

友だち  「母さんは、このトイレのクロス良いってよ。」

私    「どもっ。母さんに褒められた!」

友だちと私できゃっきゃと話している脇で、友だちの母さんは担当者さんと話していた。自分の家について聞いているらしい友だちの母。

友だちの母「うちを建ててくれた工務店さがね…それで…言われてね。」

担当者さん「ああ、なるほどですね。それはですね…。」

 

(他の家の問題点もしっかり聞いてくれてる。担当者さんは人を受け入れる人だよなぁ。)

 

午後 15:00

工務店を営む同級生が奥さんと2人で来てくれた。

この家造りで何度も相談にのってくれたヤツだ。

同級生  「おう、いだがー?」

私    「いだー。上がれー。」

(ふふふ。この会話、昔みたい。小さい頃からずっと一緒だった同級生。私の幼馴染の男。)

同級生  「おう、これ。」

ぼんっ置かれた観葉植物の鉢。

私    「パキラ!ありがとう。」

同級生  「水あげすぎたりすんじゃねーぞ。枯れっからな。」

私    「うん。」

ぶっきらぼうで、私への物言いは若干乱暴なんだけど、コイツはどっか私に優しい。昔から何故か側にいた。

遅れて外にいた担当者さんが中に入ってきた。

担当者さん「私、工務店の…。」

名刺を差し出し、同級生に挨拶をする担当者さん。

同級生  「ああ、そいうのいらねーから。」

近づいた担当者さんを一蹴する同級生。

(;´・ω・)   (`^´) (◎_◎;)

見ててハラハラする。

(険悪なかんじだ・・・・。頼むから仲良くやってくれよ。)

 

同級生と担当者さんは家について話はじめた。専門的すぎてついていけないので、同級生の奥さんと私は家を2人で家を見回る。

奥さん  「この壁紙、とってもいいねぇ。見た事ないな。これ、とっても好きだなぁ。」

私    「あざーす!(ありがとうございます)」

奥さん  「こういう葉っぱの壁紙はアクセントで使うのは見た事あるど、この英字のは見た来ない。ここ、凄くすきだな。」

私    「工務店の事務員してたりだから家も何件も見てきてから…。へー、そうなんですね。」

奥さんと担当者さんと同級生のいる所に戻ると何やら、真剣に家について話し合っていた。

(なんか、打ち解けて共感したりしてる…?)

同級生  「お前の家はほんと、こだわりが詰まった工務店泣かせの家だな。大事にしなきゃダメだぞ。」

自然と顔がほころんでしまう。これ以上の褒め言葉なんてあるんだろうか。造ってきた人を労った言葉があるだろうか。

しかも私がいかにこだわったり考えたりして作ってきたのもわかってくれてる。

同級生  「この担当者の人に、100万ぐらい包んだほうがいい。」

あんなにつっけんどんだった同級生が担当者さんを高く評価してくれている。

冗談まじりにも相手を気遣う発言に、担当者さんも私も笑った。

 

その後、帰っていった同級生と奥さん。

見送った担当者さんと私は新築へ戻る。

担当者さん「同級生の方、強面ですがとってもいい人ですね。」

私    「うん、でしょ。いいヤツ。」

担当者さん「はじめすんごいヤ〇ザみたいな怖い人がやって来たんで、怖くて家の中に入れなかったですが。」

私    「それで、なかなか来なかったんですか!?」

担当者さん「はい。怖っ!っと思って。」

 

あははと2人で笑いあう。

 

もうこんな風に家造りで担当者さんといられる時間はほとんどない。

 

永遠に続けられたら楽しいのに。

 

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46.車のエンジンがかかるまで

                                                                  

2022年1月25日

現場にやってきた。

今日は仕事の時間給をとってきている。用事が終わり次第戻りますと職場には伝えていた。

(1、2時間で戻れるだろう。洗面台のパネルの位置だけ見れたらだいだいいいはずだから。)

 

朝の身支度に時間がかかったりで予定の到着時間より遅れてしまった。

向かう途中で担当者さんから電話がきた。

 

担当者さん「今日来ますよね?私待っていましたが別件が入って現場離れますが、いいですよね?」

私    「そうですね…出来ればいてください。なんだかんだ担当者さんを頼りにしてるので。」

無理だろうなとはわかっていたが、いてほしくて口から次いで出てしまった。

担当者さん「そうですね……。わかりました、いますね。」

 

(ウソ!?別件あるのに残ってくれるなんて…。やった!!

 

 

現場に着くと担当者さんはいてくれていた。

(^^)わーい

棟梁と仕事の話をしている様子の担当者さんに近づいた。

担当者さん「〇〇さん(私の名前)、ここの所なんですが…。」

私    「はい。ああそれは…。」

 

建築中の工具や資材が散らばる室内を担当者さんと歩いた。

今日は作業する人も多い。

電気の配線を確認する人、外で塗り作業を行う人、キッチン下に潜り込んでる人、ドリルを打つ人・・・・。

 

(凄い多いな、今日は。持ってきた差し入れの飲み物足りないかも。)

 

今日は洗面台の出来具合を見に来た。

洗面台の前に立つ。選んだ12角形の鏡が思った位置に付き、左右のライトのバランスもいい。何より、棟梁が仕上げてくれたパネルが美しくはめ込まれている。

 

(棟梁、凄い。美しい出来上がり。)

(打合せ通り、全体のバランスも良い仕上げだ。クロスもマッチしてる。)

 

(゜-゜)…ん?

 

とんでもない物を見つけた。思わずこう叫ばずにはいられない。

 

私    「担当者さーん!!」

 

・・・・・。

返事はない。

 

作業の方 「担当者さんなら、あっちにいるよ。」

外を見ると担当者さんは車で電話中のようであった。

 

数分後こちらに向かって歩いてくる担当者さんに叫んだ。

私    「担当者さん、これ、見て!!」

担当者さん「ん?」

洗面台にあるコンセントとスイッチの為に開けられた穴を指さした。

私    「位置が違う!!指示した位置になってない!!」

担当者さん「・・・・。」

私    「指示した図面は!?」

担当者さん「・・・・。確認します。」

私    「私が持ってきた方が早い。今からアパート戻って取ってきます。」

 

 

40分後、現場に図面を持って到着した。担当者さんの車いなかった。

電気屋さんに見せた。

現場に残っていた棟梁と大工さんにも見てもらった。

私    「これです。この位置です。しっかり書いて、担当者さんには間違いなく伝えた。」

電気屋さんと棟梁、大工さんの3人はなるほどといった節で話し始めた。

棟梁   「パネルこのままで、両壁クロス剥がし直して、コンパネは…。」

大工さん 「そうすればこっち、こうなりますよ。」

電気屋さん「配線、伸ばします。」

直す手筈が進んでいく。

(直せそうなんだ。良かった。)

私    「・・・・。棟梁…すみません、両壁直したら、この綺麗な仕上がりのようにはいかなくなってしまいますか?」

棟梁   「大丈夫です。この通りで仕上がります。」

この言葉に胸をなでおろした。

私    「お願いします。」

 

 

夕方、どうなったのか心配になり仕事を終えてからまた向かった。

棟梁と大工さん、そして内装屋の社長もいた。

(お!!社長だ!!)

イケメン社長の思わぬ登場に私はテンションアップ。

洗面台に向かうと棟梁が歩み寄ってきた。

棟梁   「直しましたよ。この位置ですね?」

こっちの心配を察知して、棟梁が声をかけてくれる。まるで施主の心が分かってるようだった。

私    「はい。この位置です。ありがとうございました。」

 

仕事を終えつつある棟梁、大工さん、社長と笑いながら写真を撮りあいつつ、話をしたりして現場を後にした。

 

 

2022年1月26日

夕方、現場に向かう。

担当者さんも現場にいるという。

 

(現場で担当者さんにこのドタバタの原因をもう一度追及しようか、どうしようか…。)

 

強く言わなくても、何かしら言おうと思っていた。

担当者さんの姿を現場で見かけるとすぐ連れ立って、洗面台へ。

そこには昨日アパートから持ってきた図面も置かれていた。

私    「担当者さん、これ見て。」

担当者さん「はい。」

図面を覗き込む担当者さんと私。

私    「私、ちゃんと書いてる。これを見ながら説明したのも覚えてる。」

担当者さん「記憶にはないんですが・・・・この赤ペンの字は確かに私が書いたものです。」

私    「やっぱり。抜けてた。」

担当者さん「申し訳ありません。」

 

ふと、現場で仕事をしいてる棟梁と大工さんのことが気になった。

(今回、大工さんや電気屋さん、内装屋さん…この人達が苦労して修正してくれた洗面台。)

(何も言わずに、今現場で私と担当者さんが笑って話しているけど、直してくれた現場の人達はどんな思いで黙々と作業をしているのだろう…?)

 

💡!

 

閃いた。

棟梁の元へ駆け寄ってお願いした。

私    「担当者さんとこの洗面台の前で写真撮ってもらえませんか?」

私の撮影に担当者さんは驚いた様子で返す。

担当者さん「私と?ですか!?」

棟梁   「昨日、みんな撮られてる。堪忍しれ。」

棟梁が笑って、降伏宣言を促し私に渡されたスマホを手にして向かってきた。

私    「記念にこの洗面台の前で撮りましょう。担当者さんが間違えた洗面台のところで。担当者さんはこれを持って。」

担当者さん「はい?」

渡された赤ペンの入った洗面台の図面を手にする担当者さん。

私    「間違えたこの証拠の図面とともに撮ります。」

この言葉にわっと現場の棟梁と大工さんが笑った。

棟梁   「そりゃ、いい。図面掲げて記念撮影か。」

担当者さん「わかりましたよ。撮りますよ。」

 

不貞腐れ気味に返す担当者さんだけど、写真に写るその顔は満面のいつものくしゃっとした笑みで、本当に素敵な笑顔だなって思った。

担当者さんがこうして施主に叱られたのなら、現場で苦労したみんなの気持ちが軽くなるんじゃないかなって思った。

 

 

 

事件はこの後、起こる。

 

夜6時。現場の明かりを消し、担当者さんと私は2人帰ろうとした。

 

棟梁たちはすでに現場から立ち去っていた。

 

一度は車に乗りかけたが、また担当者さんと会話が弾んでしまった。

 

私は自分の車の運転席に乗り、エンジンを一段階まで回していた。

 

担当者さんは覗き込むように運転席の窓に顔を出していた。

 

一時間ほど経っただろうか。。。。

 

 

私    「すっかり遅くになってしまいましたね。では、帰ろう、担当者さん。」

担当者さん「ですね。」

 

私    「あれ!?」

担当者さん「?」

私    「エンジンかからない。」

担当者さん「マジっすか!?」

 

中途半端にエンジンを回していたため、バッテリー上がりを起こしてしまった。

 

担当者さんは運転席に乗ってくれて、エンジンがかからないか何度かチャレンジしてくれた。

 

担当者さん「かかりそうな気もするんですけどね…。〇〇さん(私の名前)、私家まで言ってケーブル持ってくるんで。もし、待ってる間エンジンがかかったら、連絡ください。じゃ、取ってきます。」

 

 

結局エンジンはかからなかった。

 

数十分、担当者さんの車が再びやってきた。申し訳なくて、言葉を探す。

 

私    「すみません、さっきかかりそうって所まできたんですけど、やっぱりダメで……。」

 

そう言うと、担当者さんはにこっと笑った。

 

そのまま黙ってケーブルを自分の車と私の車に繋げる。

 

黙々とエンジンがかかるまでを行う担当者さん。

 

担当者さん「いいですよ。エンジンかけてください。」

 

私    「!!はい。」

 

ブルルッ!といつもの音がした。

 

担当者さん「このままエンジンを切らずに走ってください。アパートまででなら大丈夫でしょう。もし、途中で寄り道あるんでしたら、エンジンはかけっぱなしで。切っちゃダメですよ。」

 

私    「はい。すみません。おかげで助かりました。」

 

運転席に乗り込もうとした担当者さんは私にもう一度振り返った。

 

担当者さん「いいですか?私行きますよ?」

 

その言葉にうん、大丈夫と頷く。

 

 

本当に優しい、担当者さん。

 

ありがとう。

 

 

次の日

担当者さんからLINEがきた。

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参りました、担当者さん。

 

 

 

 

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45.終わらない議論

                                                                  

2022年1月1日(元旦)

年が明けた。

工務店さんと出会って家造りを進めてきて二回目の正月。

 

(長い・・・・。)(-_-)

(まだ家、出来てない・・・・。)(T_T)

どれだけ時間がかかってるんだと周りに言われる。

新築の工事中に現場近くのスタンドが建設をはじめたが、そちらが先に建ってしまったりもした。

 

(でも、いいか。家造り楽しいし。)

 

 

2022年1月11日

担当者さんからLINEがきた。

担当者さん『リビングニッチのリモコン6個とファンのスイッチリモコンがありましたので、配置検討をお願いします』

 

仕事終わりにすぐさま電話した。

【トゥルル…トゥルル……】

【プチッ。】

(あ、出た。)

【プチンッ。……ツーツー…】

(え!?)

電話繋がったと思ったら切れた。すぐに折り返しくるだろうと思っていたけど来なかった。

(なんだ!?こっちも出掛けたいのに。担当者さんに合わせて自分の予定に動けないのも尺だ。)

なので、出掛けた。

 

40分後   

 

担当者さんから着信が来た。運転中のため出られなかった。

 

10分後   

 

こっちから掛け直す。

【ツーツーツー……】

(何これ。電話出ないように設定してる。もう、いいや用事を済ませてこよう。)

 

1時間後   

用事を済ませて車に戻り携帯をチェックすると担当者さんから着信が入った後があった。すぐさま掛け直す。

【トゥルル…トゥルル……】

今度は繋がるように設定してあった。

(出ないけど、また折り返しくるだろう。まだ夕方の6時だし。)  

 

だけど、夜7時になっても担当さんから連絡は来なかった・・・・。

(一一")…イラッ

LINEの内容から結構重要なポイントだと思って電話で聞こうと思ったのに、連絡をまともに取れないこと、またしても私の怒りスイッチが入った。

 

 

次の日の朝

担当者さんから連絡が来ないまま朝になる。

(工期迫っている時、施主の指示が必要なら電話ぐらい昨日のうちにかけてくるものだろう。)

だんだんと苛立ちが募る。

(出勤前のこの忙しい朝に連絡が来ても困る。いつでも私が担当者さんに合わせられると思わないで!もう知らん。)

スマホの電源を切った。

こんな事をしたのは初めてだった。

 

 

仕事のお昼休みに、会社の人にこの状態を伝えた。

私    「色々あって、電話出たくないんだよね。」

会社の人 「じゃあ、機内モードにすればいいですよ。スマホはいじりながら相手からの連絡は拒否できる。」

私    「なるー。NICE!」

返してくれない担当者さんとの連絡は断ちたいが、スマホは使いたい。しかも今はあちこちに連絡しなくてはいけない状況でもある。

 

機内モードをONにした。

(私だって色々忙しい。担当者さんばかりが私の予定じゃない。)

会社の人とお昼休みに雑談しながら過ごした。

 

 

夕方、アパートに帰ってきた。

まだ、機内モードにしている。

(解除してみようかな。)

他に連絡をする必要があったりで、一旦機内モードを解除してみた。

いきなり、LINEから着信から履歴が雪崩れ込んできた。

(うおっ!あ、担当者さんから連絡きてる。)

担当者さんからLINEから着信から物凄く入っていた。

 

担当者さん『昨日は電話に出れず、申し訳ございませんでした。』

担当者さん『今日の夕方連絡します。』

 

(なんかここまできたら、何処で解除したらいいかわからなくなってきた・・・・。)

この先のシナリオが思いつかない、衝動的に始めた事に良い終止符が打てない。

(で、最終的に私は担当者さんにどうしたいんだ?どうしてもらいたいんだ?)

 

自らはじめた事で答えがでず悩む。自分、バカすぎないか?と思う。

それでもスマホ機内モードのまま、夕方の担当者さん電話は出なかった。

 

 

次の日の朝

まだ携帯は機内モードにしている。

もちろん、担当者さんに連絡もしていない。

朝の身支度をしていた。

【ピンポーン】

(!!)

チャイムが鳴る。外で雪よせをしていた夫がインターホンの画面に映っていた。

夫    「担当者さん来たぞー。」

私    「え!?」

インターホン越しにかすかな担当者さんの声と夫の話し声が聞こえてくる。

(うそ!?ええ!!ええ!!)

パニックである。着替えている。そして出勤まで時間がない。何よりまさかの突然の担当者さんの登場である。

こんな時間に来たことなんてこれまで一度もなかった。

 

夫    「どーするー?」

私    「無理!今着替えてるから!ってか、時間ないから。帰ってもらって。今来られても本当に困る!!マジで、困る!帰ってもらって!!」

 

インターホンの奥から担当者さんと会話する声が聞こえる。

私は着替え途中のままバクバクと心臓の音を立てて様子見していた。

このまま着替えを続けることも、行くことも出来ない。

(・・・・。どんどん時間が過ぎる。どうしよう、出勤に間に合わない!)

 

10分ぐらいして夫が家の中へと戻ってきた。

私    「担当者さんは!?」

夫    「帰ったよ。ってか、なんで電話でなかったんだ。担当者さん、言ってたぞ。」

珍しく怒り気味の夫。

私    「・・・・。」

バツの悪い私。

夫    「繋がらないって言ってたぞ。電源切ってたのか?」

私    「・・・・忙しかったから。おちこち連絡きて大変で整理できなくて…機内モードにするといいよって会社の人に教えてもらって…。」

夫は何を言ってるんだという様子だった。

夫    「とにかく、お昼休みに担当者さんに連絡しろ。するように話した。」

 

 

お昼休み。

しぶしぶ、重い腰をあげて担当者さんにLINEした。

私    『今日夕方現場にて内容の打合せできますか?棟梁は来れるのでしょうか?』

担当者さん『現場打合せお願いしたいと思い、連絡しようとしてました。お願いします。』

 

 

夕方、現場に赴いた。

現場は大工さん達から棟梁から、電気屋さんから、多くの関係者が作業を行っていた。ガヤガヤとするなか入っていくと、担当者さんがそこにいた。

いまだ、バツが悪い。どんな言い訳をしたらよいかわからない。

 

私    「担当者さん!」

担当者さん「?」

私    「担当者さんに電話したのに、なんで返してくれなかったんですか!?私だって忙しくていつでも電話出られるわけじゃないんですよ!」

ここは勢いでストレートに突っ込んでみた。

大勢の職人さんの前で怒る自分は可笑しい人と映ってないか、気になってちらりと隣に立つ棟梁を見た。

(; ・`д・´)ちら。

(^_^;)にこ。

棟梁は笑っていた。

担当者さん「ああ、すみません。お電話できなくて。」

担当者さんは動じずに返す。

私    「あの時、まだ6時すぎぐらいだったじゃないですか。こんなに大事な件なら電話ください。待ってたんですよ。」

また棟梁の顔を確認した。

(; ・`д・´)ちら。Repeat②

(^_^;)にこ。Repeat②

担当者さん「はい、申し訳ありませんでした。それでですね、〇〇さん(私の名前)、このニッチの…。」

本当にサラリと本題に持っていかれた。

(ええー!!私がおこなった着信拒否の件流された。あんだけやった事、どうでもいい事だったの!?)

電話に出なかった理由をきかれるのも、聞かれないのもまた心のやり場がない。

しかし、棟梁たちが仕事の為に集まってるので、ニッチの内容に入っていった。

 

ニッチの内容を決め、棟梁と伝える。

棟梁は柱にしるしをつけてたりし始める。

 

担当者さんから借りてたスケールで担当者さんにツンっとしてみた。

担当者さん「・・・・。」

無言で返された。

私    「担当者さん、なんで電話くれなかったんですか?」

担当者さん「しましたよ!」

突然担当者さんの口が開いた。顔は笑顔である。

私    「来ませんでした。」

担当者さん「次の日の朝、電話しましたよ。電源切ってたんですか?」

私    「電源入ってませんでした。」

担当者さん「なんで!?」

拍子抜けしたような視線と笑顔のまま聞いてくる。

(。-`ω-)電話… (*´ω`*)しましたよ

私    「・・・・。私だって忙しいんです。電話その日のうちにくれなかったのでそんなに重要な事じゃないと思って、他の用事をしたり、他と電話したりしてました。」

担当者さん「何かあったかとおもいましたよ!」

やっぱり笑顔で話す。

私    「何もないですよ。あと、朝いきなり来られても対応できません。来るなら連絡ください。」

担当者さん「だからしましたって。機内モードになってたじゃないですか!?」

同じ会話なのに、それでもほがらかな笑顔と甲高い声で話す。

私    「あ、そうですね。」

担当者さん「何か身に起きたかと、でなければ携帯を失くしたか、心配しましたよ。だから朝行ったんです。行ったら、車があってご主人がいますよって…。」

私    「心配してくれて来たんですか?」

担当者さん「そうですよ!そしたら家に普通にいたんで。いたんだって思いました。」

キョトンとして担当者さんは答えた。

私    「・・・・。そうだったんですね。」

その表情に、嬉しさと有難さが沸き上がる。

 

(私がいるかどうかだけの為に来てくれた。)

 

 

現場は片付けが始まっていた。

気づかず、担当者さんと話す。

私    「でも、来なかった、電話…。」

担当者さん「ちゃんと連絡しましたって!」

(。-`ω-)でも… (*´ω`*)しましたって!

また、この会話がはじまってしまう担当者さんと私。

棟梁が私達のところへやって来た。

 

棟梁   「まず、行くぞ。後はお二人でごゆっくり話合いを…。」

 

(いや、ちょっと待って。)

(何故、棟梁がそんな気を使った台詞なのか気になる。)

 

 

ほどなくして担当者さんと私は外へ出た。

少し離れたところに止まっている車の側まで行く。

 

担当者さん「ほんと、電話は出ないしLINEも既読つかないんで、何かあったかと思いましたよ。」

私    「すみません…でも担当者さんも最初の電話の時に出てすぐ切れちゃったりしましたよ。え?と思いました。」 

担当者さん「それは…すみませんでした。打合せ中でして。」

私    「その後、電話くれれば…。」

担当者さん「夜9時頃までやってました。」

私    「え?あ、そうなんですね…でもなら朝一でLINEとか…。」

担当者さん「だから、電源切ってたでしょ。私はちゃんと電話しましたよ。」

(。-`ω-)だって… (*´ω`*)しましたよ

 

またはじまってしまった。

こんなやり取りを夜7時まで続けた。

真っ暗な雪の中、私と担当者さんは何をやっているんだか……。

 

 

 

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44.内装屋さん

                                                                  

2021年12月16日

今日の打合せはいつもの工務店ではない。

工務店より依頼されている内装業者と打合せ。

 

内装屋さんの社長と家のクロスについて相談に乗ってもらおうと事務所を訪れた。

 

私    「本日はよろしくお願いします。」

内装屋社長「ええ、どうかよろしくお願いします。」

丁寧な挨拶と共に名刺をいただく。

社長の隣には一人の女性がいた。事務員さんか奥様か。

 

工務店から借りてきたクロスのカタログを広げ、自分の選んだクロスについて社長に聞いていった。

私    「トイレはこれとこれで、あとアクセントクロスでこの面に…。」

内装屋社長「なるほど。うん、いいと思いますよ。」

私    「寝室は、やってみたいという気持ちから、一間の真ん中に帯状にこの英字のアクセントクロスをと考えてまして。そしてその奥のこの面に同じような色合いの無地のアクセントクロスがどうかなと。」

内装屋社長「ええ、なるほど。このアクセントクロスだと結構薄く色が出ますね。」

私    「ああ、そうなんですね。ぼやけてしまうって感じでしょうか?」

内装屋社長「そうですね。とすれば…うーん、こっちのカタログにないかな…。」

事務所に置いてある沢山のカタログを幾つか取り出して、合うクロスを探してくれた。

私    「社長ならどんな色、クロスがいいと思いますか?」

内装屋社長「これとか…ですかね?あとこれなんかもどうかな?」

見本の為、数枚取り寄せていたクロスにカタログの見本色をくっつけて、考えてくれる社長。

私    「濃いですね。でも社長が言うなら…。」

内装屋社長「薄めの色だと、こんなポップ雰囲気ですし、濃い色合いだと落ち着いた印象のようなものがでますね。」

社長は意見は出してもお客さんの意思を尊重しているようなやり取りだった。

内装屋社長「とりあえず、これとこれの見本を取りましょう。」

私    「はい。」

やはりそこは住む人が決める所だと私も思うところ。

私    「メールでも質問したんですけど、天井と壁のクロス、リビングだと変えたほうがいいでしょうか?それともそのままのほうが広く見えたりしますか?」

内装屋社長「そうですね、このクロスならリビングは別のもをしたほうがいいでしょう。」

私    「はい、わかりました。そうすればメーカーからおススメされたこのクロスにします。脱衣室の壁はこのクロスですなんですが、天井は…?」

内装屋社長「脱衣所は同じで大丈夫だと思いますよ。寝室も同じで大丈夫かと思います。」

私    「ありがとうございます!そうなんですね。」

悩んでいた天井のクロスがサクサクと決められていけて、有難い。

 

(さすが、内装屋の社長だ。アドバイスが早くて、迷いない。聞いているこっちの安心感、半端ない。)

 

どんどん決まるクロス。

私    「ここの洗面台なんですが、普通は鏡とセットですが私は既製品は付けずに、この鏡をつけようと思ってて。」

写真を見せた。覗き込む社長と傍らにいる女性。

私    「どんな感じに配置にするかというとですが……ちょっと、描きます。」

書類の裏面に洗面台の正面から見た立体図を描いた。

私    「こんな感じです。ここは照明ですね。ここにパネルがきます。」

内装屋社長「30㎝?」

私    「え!?」

内装屋社長「ん?40㎝かな…?」

!!(*''ω''*)

私    「そうです!!ここは40㎝の予定です。なんでわかったんですか?凄いです。」

社長は照れたような穏やかな笑みをみせた。

内装屋社長「ええ、たぶんそうでしょうと思いました。」

 

質問からの答え以上のスピードで、社長は家の内装について教えてくれる。

こちらの望みが手に取るようにわかってるかの如く。

 

(凄い社長に合った。今日の打合せは本当に必要だった。今日がなければ良いクロス選びはなかった思う!)

 

良い家造りにまた一歩近づいたかと思うと、心の充実感が高まる。

何より目の前で見た、仕事のプロが出す経験に基づいた意見。

そのプロの見識と交わす私の言わんとする家造りの形。

 

(凄い。嬉しい。)

 

ひとり心興奮気味の私に、描いた洗面の絵を見て社長の傍らにいた女性が言った。

女性   「とても上手いですね。この絵がわかりやすかった。パースか何かをやってるんですか?」

私    「・・・・いえ、何も。」

突然褒められたので、照れが出る。言葉はボソボソと出てまう。

でも、嬉しかった。

絵を描くことは好きだった。

好きだった事やこれまでやってきた事、どこで生かされるかわからないなと、最近思うことが多い。

 

「お前がやってきたこと、必ずどこかで生きてくる。」

 

これは昔、父が言った言葉。

あまり好きではない父だが、言葉は正しかったと思う。

 

女性の方にペコリと頭を下げる。

私    「ありがとうございます。」

 

 

お礼を言って内装業者の事務所を後にする。

帰り道の車をルンルンと運転する。

(楽しかった。何よりクロスに最高の選択をもってこれた。そしてさ。)

 

(社長、ちょー格好いいんですけど!!)

 

初めて会った瞬間、何に度肝を抜かれたというと、そこだった。

着ていたファッション、スタイル、顔立ち…超イケメン社長だった。

 

 

2021年12月21日

夕方。作成した照明の位置の図面を受け取りに担当者さんがアパートに訪れた。

担当者さん「クロスの方はどうですか?内装屋さんの社長と打合せしたんですよね?」

私    「はい。ほぼ決まってきてます。また見本を取ってきてくれたりして。」

担当者さん「そうですか。」

私    「社長さん、凄くいいアドバイスをくれて、本当に即答だし適格に案くれるしで、本当に行って良かったです。社長に聞いてもらえて助かりました。他のお客さんは内装屋さんに直接相談してますか?」

担当者さん「いえ、いないですね。」

私    「うわー、もったいないですね。行けばいいのに…。社長もお忙しいのでそこん所は社長さんの御都合もあるか…。でも、聞いたほうがいい。素人ではわからない事ある。」

担当者さん「そうですね。」

私    「担当者さんはいいお仲間というか、心強い方々がついてますね。」

担当者さん「ええ、支えられてなんとかやってますよ。内装屋さんの社長とは前社長からのお付き合いです。」

私    「そうなんですね。」

玄関先で会話が弾む。

担当者さんが言った。

担当者さん「あの社長、格好よくなかったですか?」

私    「だから!凄いイケメン社長でしたよ!会った瞬間、こんな絵にかいたようなドラマに出てくるようなイケメン社長っている?って思いましたよ。」

担当者さん「(笑)ですよね。あの社長、女性受けいいんですよ。」

私    「あの容姿ならそうですよね。しかも仕事も出来るし、凄いな。」

担当者さん「・・・・ね。」

私    「でも、私のタイプではないな。格好いいけどさ。」

担当者さん「何ですか!?それ!」

私の言葉に担当者さんは顔をくしゃっとさせて笑っている。

 

 

2、3日前。

内装屋さんの社長が今度来る時は是非ご主人も一緒にと言ってくれたので、夫婦2人で事務所にお邪魔した。

クロスの最終決断を社長の事務所でおこなった。

帰り道、私の運転する車の中で、夫がおもむろに言った。

 

夫    「社長、格好よくね?」

 

 

だから。

 

みんな同じことばかり言ってる。

 

 

 

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43.こんな家造りもある

                                                                  

2021年11月29日

新築現場にやって来た。

ゴタゴタしながら話し合ってきたカーテンレールの取り付けについて、ようやく今日答えがでそうである。

 

私    「本日はよろしくお願いします。」

はじめに販売店のカーテン採寸係の方に丁寧に挨拶し、そのまま中で待っているエアコン業者の方と担当者さんへ挨拶した。

 

採寸係  「これですね。」

取り付け予定の大きな窓に向かい、採寸係の方はメジャーを取り出す。

エアコン業者「取り付け予定のエアコンの大きさにカットした段ボールを持ってきました。予定ではこのようにつきます。」

採寸係  「はい。わかりました。凄いわかりやすいです。」

私    「この下にエアコンの羽がきます。」

採寸係  「羽はどんなふうに?」

エアコン業者「ここのあたりから…。」

担当者さん「羽の出(で)、116mmですね。」

採寸係  「羽はどのように?」

担当者さんはガサゴソと大きな段ボールを開けた。そこには実際取り付け予定のエアコンがあった。現物を見て、羽の動きと長さを採寸係の方へ説明する。

採寸係  「ああ、なるほど。」

採寸係の方は窓枠の周辺を測り、そして近くで見守る私に向いた。

採寸係  「ご希望のレールはどちらのタイプですか?」

私    「本当は手前だけ輪っかのものでしたが、難しそうなのでもう一つのほうを考えてます。」

採寸係  「大丈夫ですよ。十分取り付けられます。」

(え!?)

採寸係  「逆にもう一つの方が難しいかもしれませんね。そのご希望のレール大丈夫ですよ。」

(この方は・・・ヒーローですか!?)

窓枠を目の前にした途端、躊躇なく測りながらエアコンの内容を落とし込んでいき、出た回答は早いものだった。

これまで悩み諦めかけていたレールをこの方は大丈夫だと太鼓判を押した。

私    「良かった。ありがとうございます。うれしいです。」

採寸係  「ご希望のレール、輪っかが手前のみの、そちらの方がすっきりしていておすすめですよ。」

そしてそのまま、隣の取り付け予定の窓も測りだす採寸係の方。

採寸係  「こちらはどちらにカーテン止めを?できれば開閉側でないほうが汚れませんよ。」

私    「実はこっちはカーテンを止める際、このようにリボンなどでどうかと考えてます。どうでしょうか?」

採寸係  「なるほど…、いいと思いますよ。」

私    「はい。ありがとうございます!」

 

最後、三つ目の窓へ行き担当者さんから脚立を借りて立ち上がり、メジャーを伸ばす採寸係の方。

そのメジャー捌きは美しくて早く、ピンポイントで焦点を捉える。障害物が目の前にある建築途中の建物内の採寸をそれはそれは手早くこなしていく。

恋心があるわけではないが、きっと私の目は。

 

😍←こうなっている…。

 

(なんだこの方は。私の欲しい夢や希望を次々叶えていく。それも格好よく。)

 

採寸係の方が採寸している後ろで、担当者さんが私に耳打ちしてきた。

小声であった。

担当者さん「カーテンの脇のフックいります?」

今しがた採寸係の人がすすめてくれた両脇のフックについて自分の意見をぶつけてきた。

小声で返す。

私    「うーん、でもなぁ……。」

担当者さん「うちはクリップみたいなものをこうして……。」

迷う私に自分の家ならこうしてますと意見を押してくる担当者さん。

その顔はかなりいぶかしげな…。

(一一")こんな顔である。

 

その後も採寸係の人はカーテンはこういうのがいいですよとアドバイスをくれ、私が質問しても迷うことなくわかりやすく返事をしてくれた。

 

(来てくれてありがとうございます。このような方がいるとは思わなかった。)

今、感謝と感激しかない。

私    「ずっと希望だったレールが取り付けられるようになりました。本当に良かったです。ありがとうございました。」

去り行く採寸係の方へ自分の夢であった事を伝える。

採寸係  「それは良かったですね。ところで、キャンペーンの事は聞いてますか?今月中であれば可能ですよ。」

 

キャンペーンとは、今月中であれは通常の35%OFFでカーテンレールが購入できるというもの事。

 

(最後まで相手に有益を与えて去っていった…。)

 

 

エアコン業者、採寸係、共に帰る。

現場に2人だけになった時、担当者さんは言った。

 

担当者さん「エアコン業者の方に来て頂かなくても良かった気もしませんか?」

担当者さんと採寸係の方がいれば十分事は成せたという意見の様子。

 

(もう!担当者さんが呼んだんでしょ。)

と、突っ込みたい。

 

担当者さん「だけど、何かあった時の場合のことを考えれば呼んで正解ですか。」

独り言のように自問自答の担当者さん。

 

(この人は本当に・・・・。)

採寸係の方の話には自分の意見を出してきたり、この場においての必要不必要をうたったり。

 

 

(そんな担当者さんの反応、私は嫌いじゃない。)

 

何故なら、きっと誰よりも自分が役に立つ人間であろうとしている姿だから。

私の前で誰よりも出来る格好いい担当者さんを見せてほしい。

 

 

 

2021年12月6日

見積りを依頼していたが担当者さんはしばらくそのお願いを忘れていた。

それは1ヶ月ほど。

なので、一週間ほど前に再依頼した。

しかし回答がなかなか出ない。電話で聞いてみた。

私    「見積りどうなってますか?一旦どれほどかかってるか知らないと、今後検討できないんですが…。」

担当者さん「すみません。メールで依頼はしたんですが、まだ建具の業者の方から金額が出てなくてですね…。」

私    「だったら、今出てる分だけで大丈夫ですので、わかってる金額だけ入れて、先にください。」

担当者さん「えーと・・・・。」

私    「他はわかってるんですよね?」

担当者さん「すみません、まだデータまとめてません。」

私    「・・・・・。(怒)」

担当者さん「・・・・・。」

この瞬間、何だか思いっきり自由に生きてみようと思った。

私    「担当者さん、今、事務所ですか?」

担当者さん「はい・・・・。」

私    「今から叱りに行っていいですか?」

担当者さん「・・・どうぞ。」

元気ない声で、観念しましたと言わんばかりの返事が担当者さんから返ってきた。

 

車で急ぎ担当者さんの元へ行き、たまたま届いていたクロスの見本の巻物で反省モードで小さくなっている担当者さんの脇腹を攻撃した。

バシッ。

私    「反省して!最初に頼んだの1ヵ月前ですよ。」

担当者さん「はい、すみません。」

小さいまま謝る担当者さん。

 

さらに帰り際、担当者さんの記憶に染み込ませるため言う。

私    「歯を食いしばって!」

担当者さん「…はい。」

 

担当者さんの右の脇腹にパンチをした。

ブスッ。

私    「この痛みを思い出して、見積つくらなきゃいけないって思って!」

 

担当者さんは軽く自分の脇腹をさすりながら答える。

 

担当者さん「…あー、病院行かなきゃいけないかも。」

 

思わず2人で笑ってしまった。

 

 

次の日。

担当者さんからLINEが返ってきた。

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そもそも見積依頼さえ建具の会社へちゃんと連絡がいってなかった…。

 

初めて担当者さんへスタンプを返した。

これが一番私の今の心情をあらわしている。

 

土地を買って家を建て始めてからもう7ヶ月となる。

 

未だ出来上がってない。きっと世にも珍しい家造り。

 

 

 

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42.追及

                                                                  

2021年11月20日

同級生に窓枠の取付について相談した。同級生は工務店を営んでいる。

私    『1月中旬、完成予定なんだが、窓枠を入れるの12月13日頃なるらしい。遅くないかと思ったんだがどうですか?』

そこから数10分後に電話が鳴った。

同級生だ。

 

同級生  「おう、また面倒なことなってんじゃねーか。」

少し笑いながら話出してくれた。

私    「だから。あはは。」

この状況、笑うしかない。

同級生  「窓枠だと工程からいって先に行うほうだ。遅い。担当者の責任だ。納得できてない事は言えよ、ちゃんと。」

私    「うん、ありがと。」

 

この同級生はいつも背中を押してくれる。この家造りにおいては何度言葉をくれただろう。今日も電話をくれるとは思っていなかった。

嬉しかった。

 

小一時間ほど付き合ってくれ、電話を切る時に同級生は言った。

同級生  「俺はその担当者とは合わねぇ。」

ぶっきら加減に言うこの言葉もまた、コイツの深い思いを感じてしまう。

 

(本当にありがとう。)

 

 

 

2021年11月22日

20日の夕方にLINEをしてから今日のお昼になってもアクションはない。

うんともすんとも・・・・。

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(なにか一言返してくもれていいだろ・・・・。)

居ても立っても居られない私はお昼休み時間に電話することにした。

 

私    「お世話になってます。お疲れ様です。」

担当者さん「…お疲れ様です。

2日ぶりに聞く担当者さんの声は死んでいた。いや、死にそうなか細い声。

私    「ちょっと確認したいことというか、聞きたいことがありまして。」

担当者さん「はい。

テンションだだ下がりの薄暗い声から察するに、担当者さんは機嫌が悪いか、バツが悪いかのどちらかだ。

(そんなの気にしていられない。言う。)

私    「10月30日、31日の構造見学会がありましたよね。」  

担当者さん「はい。

私    「そこから今日まで3週間はたってますが、その時から今で私達の家の何の工事、作業をしましたか?」

まずは慎重に状況確認。

担当者さん「…お風呂場の設置と、材料の加工……などです。

私    「私は建築を知らないのでよくわからないかもしれませんんが、見た感じ構造見学会からあまり変わってなくて…本当はもっと進んでるところじゃないですか?」

担当者さん「…はい。

遠慮して施主からの意見に合わせてくれるかもしれないと思った。

私    「本当にそうですか?私に合わせてるのではなく?」

担当者さん「いえ、本当です。」

きっぱり言う担当者さん。機嫌でなく、バツが悪いということだろう。

私    「もう少し進んでいてもいいと思います。何故進んでないのですか?」

担当者さん「本当に申し訳ありません。

私    「主人、たまたま見に行ったら現場に誰もいなかったって言ってましたよ。他の何かをやっていて私達の家がストップ状態なんですか?」

担当者さん「言い訳になってしまうかもしれませんが、飛び込みで小さな仕事が幾つか入っていてそっち大工さん達が行っていたり、あと棟梁と冬業務の話し合いとかをしたりしなくてはいけなかったので。」

私    「はっきり言って、他の工事は施主には関係ないです。こちらの方が先だったでしょう。後からきた仕事うんぬんは理由になりません。」

担当者さん「はい。その通りです。申し訳ありません。

私    「冬の業務も決める事は必要かもしれませんが、だとしても進まなさすぎませんか?」

担当者さん「…はい。すみません。

私    「外壁も物は入っているって1ヵ月ぐらい前には言ってましたよね。」  

担当者さん「…はい。

私    「外壁を張るのは大工さん達ではなく、業者の方だと言ってたので、それは進められるところじゃないですか?」

担当者さん「…はい。そうですね。

これ以上担当者さんと話していても、謝ることしか返ってはこないだろうと思えた。

私    「遅れた工事はこれから取り戻していけばいいとして、カーテンレールの窓枠については急ぎ行いたいのでいつになるか連絡ください。」

担当者さん「はい。わかりました。

最期まで担当者さんの声はダダ下がりの声色であった。

 

 

その日の夜遅くにLINEがくる。

担当者さん『窓枠の件ですが、12/10(金)までには取付しますのでよろしくお願いいたします。』

 

(いや、ちょっと待って。何も考慮されてないじゃないの!?)

 

工事が遅れた事実は認めて謝ってくれたから、希望の窓枠設置は早くに進めてくれると思っていたが、結局最初の日にちと変わらない。

LINEで返す。

私    『10日より早くできませんか?これは正直な要望ですが。これまで遅れた事も私の中では納得いってません。』

担当者さん『ではいつがよろしいですか?』

私    『来週末の前までには済ませてほしいです。』

担当者さん『大工さんと相談させてください。』

その相談の回答すらいつになるのかと不安要素になっていた。

早急な物事の解決を畳みかける。

私    『いつに答えがでますか?時間は限られているので焦りがでます。』

担当者さん『明日連絡します。』

 

その後、窓枠は次の日にはつけてくれると連絡がきた。

 

 

2021年11月23日

朝早くに担当者さんに電話した。

大工さんと話させてほしいとお願いした。

 

(私の家への熱い思いを知ってもらえれば、大工さん達に施主の我がままだとは思われないで済むはずだ。)

私に宿った不安だった。現場の方々へ無理強いさせて工期を早めてるとは単純にとらわれたくなかった。

 

その後、すぐにLINEで返答がくる。

担当者さん『本日の打合せ、13:00~現場でお願いします。窓枠は仮付けですが付けておきます。』

 

 

その日の午後。

現場に行くと担当者さんと棟梁が2人、待っていた。

棟梁は工事の遅れをいの一番に伝えてきた。

 

棟梁   「言い訳になってしまいますが、10日頃までもう一つの現場の区切りをつけ、一気のこちらの現場を全員で仕上げていく予定でした。大工不足というものもあり、中々予定通りに進んでいけてない状況です。申し訳ありません。」

担当者さんは何も言わず、側で黙って聞いている。

私    「はい、そうですか…。」

棟梁   「これから残業してでも仕上げていきます。あとは大工を増やしたりして、何とか期限まで造っていきます。」

 

棟梁は懸命に説明を果たしてくれたのだと感じた。

その裏にあるのは、現場の責任や施主への誠実さより別のものが見えるようだった。

 

(担当者さんをかばっているんだろうな。)

 

担当者さんの親のような同志のような存在に見えた。

 

(参ったな。私が何を言っても棟梁には響かないでしょ。施主の家への熱い思いを語っても棟梁は担当者さん行動に合わせて動く。)

 

とりあえず私からも今回何故現場の棟梁と話したかったのか、その理由を伝えた。

棟梁はわかりましたと言ってくれ、その後少し家の話をした。

 

 

今日は、担当者さんに強力な味方がついていると思った日だった。

 

私以外に。

 

 

 

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