私の家ができるまで

新築建築までに起きた出来事 

48.完成見学会②

                                                                  

2022年2月12日

今日は午後から夫の両親が家を見に来る。

夫と私、担当者さんの3人で待ち構えた。

 

夫の父  「おう、邪魔するぞー。」

夫の母  「こんにちわー。」

夫    「うん。」

 

担当者さんと私が待つリビングに、夫に招かれたように夫の両親が入ってきた。

夫の父と顔を合わせたので、ペコリとお辞儀だけした。

 

夫は両親を連れて、おちらこちらの部屋を見せて回る。

寝室の中へ3人の姿が消えていった時、担当者さんは小声で私の耳元で聞いた。

 

担当者さん「ご主人さんのご両親とお会いしたのはいつですか?」

 

私    「・・・・去年の9月でしたかね。随分合ってません。」

 

私の言葉に何もいわない担当者さんだが、表情が「なるほど、そうですか。」と見えた。

何故、そんな質問をしたのかはわからない。

 

一通り見終えた夫とその両親はリビングに戻ってきた。

 

夫の父  「雪かきが大変だな。」

私    「大丈夫です。もう除雪機買っちゃてたし、夫が。」

夫がふふと笑う中、夫の父は返答は特になく、あっちへ行った。

夫の母  「じゃあ、あなたも朝早く起きて、雪かきしなきゃいけないね。」

夫    「朝、早くは大変だなー。」

私    「大丈夫。この間見に来てくれた私の同級生が良い除雪方法教えてくれたし。町の除雪入る前に雪を寄せて出して…って。」

私が夫の目を見つつ、夫の母とも会話しいると、途中で夫の母は夫の父のいる所へ行った。自然と後追いするように夫も連れ立つ。

 

夫の父  「何坪ある?兄さんのとこよりあるのか?」

夫    「ないんじゃない……かな?」

夫の母  「兄さんのところは……。」

ここで言う兄さんとは、夫の兄夫婦の話だ。9年前ほどに家を建てた。

 

夫の父  「全部電気か?災害がおきた際問題があるなー。発電機が必要だ。」

夫    「その時は毛布でもかぶって過ごせばいいかな。」

夫の父  「毛布?寒くて大変だろ。ボルト数のある発電機じゃなきゃ、対応できないぞ。停電が何日も続いたらどうすんだ?」

担当者さん「そこは…まあ…、電力会社さんに頑張ってもらわないと…ですね。」

夫の父  「だとしても、問題はよ…。」

夫    「・・・・。」

言葉が出ない夫に目を向けて、しかしながら夫の父に対して言う。

私    「大丈夫、私の父さん発電機持ってるから、貸してくれる。」

夫の父  「そんな発電機じゃ、全然ダメだ。話にならない。」

私    「えっと…携帯充電とか情報知る為とかで、最低限の電力さえあれば何とか…。」

夫の父  「いやいや、全然それじゃあダメだろう。」

夫    「だからそん時は毛布でもかぶって。」

私    「うん。まあ、最悪、車さえあれば。」

夫の父  「停電したら、2人で実家の来て家の中60℃も70℃もして暮らされても困るからな。」

 

(・・・・。)

 

夫の父  「問題はよ。地盤改良したから、もしかすると1年後に家が歪んだり、傾いたりある可能性がある点だな。」

担当者さん「そこは、10数メートルまで地盤改良の為コンクリートを流し込む手法で行ってます。」

夫の父  「いやいや、俺の知り合いでもいたんだけども、その後1、2年後に地盤改良したせいで地脈が崩れて傾いた家がある。その場合はある機関に話をして…。」

担当者さん「・・・・。」

 

夫の父  「問題はよ、耐震もだ。」

担当者さん「耐震対策として、構造体は…こうしてます。」

 

夫の父  「家見に来たんだか、雪を見にきたんだかわからねーな。じゃあ、帰る!」

 

夫は自分の父と母を見送ろうと一緒に玄関に出た。来てくれた皆に渡している小さなお菓子の袋を渡すようにと夫に手渡した。

私    「父さん、母さんに渡して。」

夫    「ちょ、父さん、これ。」

夫の父  「なんだ?」

夫    「気持ちだー。」

そこへ紙袋を持った夫の母。

夫の母  「私もこれ、気持ち。それとこれは、お前が飲む酒。」

 

その様子を私は担当者さんと共に少し離れたポーチの下で眺めていた。

 

夫の両親の車が去って、担当者さんと私そして夫は新居へ戻る。

 

担当者さん「頑張ってください!」

 

私を見て担当者さんは突然大きめの声で発した。

はっと思った。

 

(ありがとうございます。担当者さんが夫の両親が来てすぐ聞いた質問の意味がわかりました。)

 

だから、私の知り合いにも合わせてくれる担当者さんが、夫の両親のいる場で強めの姿勢でさっきまで話していたんだ。

 

(私をかばってくれた。見方でいようとしてくれた。)

 

最近、私の同級生が言っていた事を思い出す。

 

同級生  『親、兄弟の繋がりが一番じゃねーんだ。俺はよ、周りの人間を家族だと思って接してる。親兄弟よりも強い関係はある。』

 

担当者さんがそこまで強く思ってるかはわからないけど。

担当者さんの思いやる心が見える。

 

ひっくるめて。

 

担当者さんが、これまでの私を認めてくれたから、今の私がある。

あなたとの出会いが、私に自分として生きる勇気をくれたんです。

そうして味方でいてくれようとしている人間が、一人でも多くいる者が幸せ者なんだと思ってる。

私が見つけた自分の目指す理想の生き方は、多くの人に愛を与えて生きていくこと。

 

いつか、たとえ私が既婚者であっても、女や男など関係なく、大切な人を想う時は相手をしっかり抱きしめてあげたい。

 

世の中、それを怒る人がいるのが悲しい。

 

 

2022年2月13日

今日は見学会最終日。

一般のお客さんが予約をいれてくれていた。

 

私    「ごめんなさい。予約入ってない間も新居でお留守番ですね。担当者さんの時間を拘束してしまって。」

担当者さん「いえいえ、まるでお洒落なカフェにいる感覚でパソコン作業してます。この家の雰囲気にいて、酔っちゃってる自分がいますから。」

 

あははと2人は笑った。

 

その後、ひと休憩しに外にいった担当者さんの黒いコートの中にプレゼントをこっそりしのばせた。

 

(帰る時、突然出てきてビックリさせよう。)

 

(明日は大切な男性にプレセントを送る日。)

 

〖St.Valentine♥〗

 

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