27.登記申請書をつくる
2021年5月3日
私は残りのGW中に約束している出会う前の話をする日を待っていた。担当者さんからいつ来れるか連絡を待つ。
LINEが鳴った。
(担当者さんだ!)
昨日の契約について売主さんからの感謝のお返事があった事が丁寧に書かれていた。
そしてもう一つ、連投されたLINE。
担当者さん『GW中に伺おうと思いましたが調整しきれず伺う事が出来なさそうです。申し訳ございませんが 。』
(GWに話せるなら話したいと言ったのは自分だったし、急過ぎただけ。別に来る気持ちがあまりないとかじゃない。本当に調整がつかなかったんだ。)
短いLINEのメッセージを何度も読み返してそんな答えを見つけようとした。
期待していた分、寂しさが募る。
2021年5月10日
担当者さんと電話。
私 「最近、色んな方と出会っているというか、とても素晴らしい人達が私の周りにいるんです。」
担当者さん「そうなんですか。」
この時、脳裏にあったのは正直に言えば作戦だった。もっと担当者さんと近づきたい、繋がりたいと願っての作戦を仕掛ける。
私 「何故か色んな方が私の側に来るというか…男性の方が。女性もいますが。でもそれはとても純粋なものだと思ってるんです。」
担当者さん「〇〇さん(私の名前)は、間違ってもご主人さんを裏切るような真似はしないと思います。」
(違う方向にいってしまった。何とか修正を…がんばれ自分!)
担当者さんの答えが思わぬ方向に行ってしまったのに焦る。
(焦るがやってみよう…!)
私 「私は自分が思う素晴らしい人達ともっと親しくなったり、仲間が沢山ほしい。助け合ったりしなくてもいいんです。ただ、人と人が仲良くしていけたらと思ってるんです。出会いを深め合ったりして…出来ないのは出会ったのにもったいないというか、残念な気がします。」
担当者さん「・・・・・。ええ、…うん、ですね。」
私 「私を慕って、良い思いで来てくれる人を大事にしたい。」
担当者さん「・・・・。」
担当者さん「それは、私も入りますか?」
(キターーーーーー!!)
その言葉を待ってました。と、心が躍ってしょうがない。
私 「はい!!ですよ!担当者さんはとっても私にとって大事です。」
(・・・・。ちょい、待て、自分。)
私の好意が一方的なだけでは、不安じゃないかと気が付いた。
私 「・・・・担当者さんも、私と同じように…私のこともある程度の位置にいますか?」
担当者さん「いますよ。」
( *´艸`)
私 「ただ、主人にこの事を話したら面白くないって感じで。」
担当者さん「ええ。話さない方が良いと思います。」
私 「はい。学習しました。主人には、自分の周りの交友関係は話さない方がよいってわかりました。」
担当者さん「(少し笑ったような声色で)・・・・私の場合でもご主人、そうなりますか?」
(≧▽≦)
気にしてるって事は・・・・どういう事!?と、前向きな想像しか私の頭にはやってこない。
今日はこのままノリよく電話を切ろうと思った。
私 「ってな事で、ヨロシク~。」
担当者さん「ヨロシクお願いしま~す。」
担当者さんの声の調子が少しうわずってる感じな所にまた人柄の良さを感じた。
2021年5月16日
銀行のローン本申し込みをする。
30年ローンを組んだ。
毎月の返済が大変になるが、35年を組んで高齢になってから払う期間が長くなるよりは、30年として初めから幾らでも減らそうと考えた。
2021年5月20日
担当者さんが頼んでいた書類と模型を持って来てくれた。
アパートにやってくる事が多い。今週は3度目の対面。
いつも玄関先で帰ってしまうのだが、担当者さんに頼んで模型の撮影を少しの時間、手伝ってもらった。ブログのアイキャッチとなる写真。
2021年5月26日
夕方LINEが入っていた。丁度仕事が終わったタイミングだった。
担当者さん『本日、押印していただきたい書類がありまして、お渡しにアパートにお伺いしますので、ご帰宅されましたら、ご連絡ください。』
夕方、電話で担当者さんとやりとりする約束だったが、対面なら手っ取り早くもともとの要件を話し合えるなと考えた。
担当者さんが書類をもってアパートを訪れる。
私 「あの、時間ありますか?」
担当者さん「普通です。」
私の中の担当者さん方程式に当てはめて行動を考えてみる。
普通=あります
きっとこういう事だろう。それに今日は電話でお話しする予定だったし。
担当者さんはご自身の趣味の事を話してくれたりした。いつも以上にとても身近に感じる。PCの使い方のレクチャーを受けたり、小一時間ほど過ごした。
楽しかった。
2021年5月29日
午前中打合せ。以下、3人で話し合い。
- 窓サッシ、外壁、屋根材などの最終確認
- 水回りの設備の最終確認
- かし担保保険の確認
午後、アパートに戻ってきた。
私は登記申請書のひな形を見つめた。
所有権移転登記(家を建てる際などに関わってくる、土地や建物の所有者が誰であるかを申請する事。)
その登記申請書をアパートで作るところだった。
正直なんで私が作る事になったのかわからないが、流されるままそうなってしまった。
大概の方は司法書士さんなどにお金を払って作ってもらう事が多い。
13:30 作成を開始。パソコンの前にどっかり座る。
途中、担当者さんへLINE。
私 『私達は売買契約の締結を農委の前にしてますか?』
担当者さん『5月2日になっております。農転許可日は4月26日です。』
17:30 近くの大型書店にて登記申請書の調べもの。
19:00 一旦やめる。
次の日。
9:00 昨日の続きを再開。図書館へ行って登記について調べもの。
担当者さんからLINEが届く。
担当者さん『データ送信は何時頃予定ですか?』
慌てて、担当者さんへ電話で状況をつたえた。
私 「大変です。登記申請書ってこんなに奥が深いとは思いませんでした。出来たら、印刷してくれるって件ですが、夕方になっても大丈夫ですか?暗くならない内になんとか作ります。」
担当者さん「わかりました。お待ちしてます。」
16:00 申請書作成終える。
申請書を何とか形にだけは出来た。あとは担当者さんの事務所へ送信すれば、今日中に届けてくれる。
申請書を作り終わると、夫から言われた。
夫 「お前の集中力凄くて声かけられなかった。」
そこ、自分でも驚いている。
こんなに集中したのは久しぶりか初めてかもしれない。
心に火がついていた。
ずっと消えない火が心地よい緊張感のなかでぽっとついていたような感じだった。
ピンポーン
担当者さんが作った申請書印刷してくれてもって来てくれた。玄関の扉を開けた瞬間、私は担当者さんの普段着姿にぎょっとしてしまう。
(*''ω''*)カッコイイデス…
お休みの日だったのに持って来てくれてありがとう、担当者さん。
ところが、作った申請書に誤りがあり訂正して夜、再送信。
2021年5月31日
更に訂正箇所を見つけて、朝、再送信。
私 『手直して再送信しました。印刷のほどどうか宜しくお願いします。』
担当者さん『今朝送ったのであれば受信しておりません。』
(うそっ!?)
職場についてからこの事実を知る。
お昼休みは1時間ある。私のアパートは職場と近い。急いで戻り担当者さんに電話しながら再送信を試みた。
なのにネットの回線を差し込まない内にパソコンを起動してしまった。
(何たる、痛恨のミス…)
私 「すみません。」
担当者さん「焦りは禁物ですよ。」
合わせて、励ましてくれるが待ってもなかなかネット回線は繋がらなかった。
仕方がないので現状送ったもので印刷をお願いする。
担当者さんは1時までの私のお昼休みに合わせて車で参上してくれた。
担当者さん「お持ちしました。」
印刷された申請書をアパートの玄関先で受け取った。
お昼休みの間に間に合った。
(・・・・。)
ちょっと言ってみたらOKかなって感が働いたので実行してみた。
私 「えっと、歩いて行けと・・・・?」
担当者さんはほろ苦さを加えたような、だけど笑みを浮かばせた。
担当者さん「どうぞ。」
優しく落ち着いた声。運転席に座ろうとする担当者さん。
ちゃっかり助手席に乗っけてもらい、職場まで戻った。