18.ガラケーからスマホへ
2021年2月
外壁のカタログとにらめっこしている日が続いた。
もちろん見ている所は追加費のかからない標準仕様のページだ。この中で何とか良い組み合わせを探し出したいので、目を皿にして何度もページを行ったり来たり。
担当者さんに連絡をしてサンプルを6点頼み、届くのを待つ。
2021年2月4日
外で雪よせをしていると、偶然にも現れた。
担当者さん「何してんっすか?」
私 「旦那の駐車場も雪よせてあげてます。」
担当者さん「優しいじゃないですか!」
私 「ですよね!」
笑いあって帰って行った。水回りの見積プランを届けに来てくれた担当者さんだった。
2021年2月6日
水回りのショールームへ行くため予約をする。3回目か4回目の訪問だった。これまでIHの安全性を聞きに行く事も、もっと良い設備に変えるためにも一人で見に行ったりもした。行く度に追加費がかかってくるので夫に何か言われるとわかっていても、衝動を抑えられなかった。
やはり水回りは使い勝手のよい気に入ったものにしたい。
朝、ショールームへ行く為自宅で身支度をしていると、担当者さんからメールがきた。
担当者さん『おはようございます。先ほどショッピングモールですれ違いましたね。ショールームまで、気をつけてくださいね。』
珍しく連絡事項以外のメールが担当者さんからきたが人違いを起こしていた。
私 『担当者さん、ありがとう。(*^^*)でも、それ私じゃないです。』
その後、これについては特に担当者さんからは返信はこなかった。メールが来たことは嬉しかったけど、一体何だったのか…。
ショールームに到着した。が、電話で聞いていたIHクッキングヒーターは電源が入ってないため体験して見学することが出来ないと言われショックを受ける。
どうしても体験したかったので近くのショールームに置いてる所はないかを聞いた。2つ隣の市の支店にあるとの事で、連絡してもらいその足でそのまま向かった。
ところがである。
私が見たかったブラックのIHはなく、体験するためにあるのはシルバーだと言われた。何が何でも目的を達成したい。見なければ決める事は出来ないと強く思っていた。
私 「あるって聞いて来ました。ブラックが見たいので、隣県でもよいので置いてる支店を教えてくだい。行きます。」
ショールームのアドバイザーはカウンターで何人かとやり取りしている風だった。待ってる間、私は不満感を隠し切れなかった。
アドバイザー「こちらにありますので、ご覧ください。」
一瞬、「え?さっきはないとか言ってたのに。」と思ったが、とにかくここでブラックが見られるというならそれで良かったので、一緒に設備のある所へ歩いて行った。
そして、見る予定ではなかったがシルバーも見させてもらった。
(全然違う。ブラックは見た目がスタイリッシュだが液晶の表示も見にくく、操作する時のボタンの見え方もシルバーと違って分かりづらい。シルバーは液晶も操作ボタンも映えているのに、ブラックは黒い表面に隠れてしまっている。)
単なる色違いではない事に大変驚いた。これは電源を入れてボタンと液晶を光らせてみないと分からない。見させてもらって本当に良かった。
本当は換気扇が黒ということもありIHもブラックを所望していたがシルバーに変更を考えた。表示が分かり易いと視覚的に安心し安全性もでる。
システムキッチンの取っ手が黒という理由で換気扇も黒と決めていたが、シルバーに変更してみようと思った。合わせてみると割と悪くなく、黒でない換気扇に今風の真新しい雰囲気が出ていて気に入った。
帰り道、担当者さんからメールが来ていた。
担当者さん『ショールームでの変更届きましたら、反映して見積り提出しますね。』
ショールームでの態度が悪かった自分を少し後悔していたし、アドバイザーの方の対応もあんまりだと思って、メールで今日の事を伝えようと思った。
私 『また支店の担当アドバイザーの方、間違えましたよ。。。他の支店まで行って、怒り収まらず、担当者さん、ごめんなさい。』
その後、運転中の私は担当者さんから着信があったことに後から気が付く。折り返し電話をすると担当者さんは、支店の不手際の出た行為についてショールームに電話して指摘してくれたという。
嬉しかった。
数日後。
もう一度ショールームへ行きたいと思うけど、不安ですと伝えると担当者さんから返信が来た。
担当者さん『私もショールームに同行しましょうか?』
驚きの返答に慌てふためいた。一緒に・・・行こうかと思ったが、それで解決しない事だしと気を引き締め直す。今回のような間違いを起こされない為にどうしたらよいかを担当者さんとやり取りし、担当アドバイザーの変更と収まった。
2021年2月13日
これまでのガラケー人生の終止符を打つ。午前中ぼーっとしていた自分だったが、突然家造りのやり取りを永久に残しておきたいと思い立ち、スマホを買った。
2021年2月14日
事務所にて打合せ。以下、話し合い。
- キッチンプランボードの天板変更
- 洗面化粧台の形状変更。
- 巾木の色変更の追加費
- サッシの追加費
- 外壁サンプルと外観のパース図の手配を依頼
外壁を決めるのは難しそうだと思っていたが、パソコンでシミュレーション出来ると聞いて驚いた。間取りを決める時も担当者さんがソフトを使った3Ⅾ画像を見た時もそれはもう驚いた。
今はこれが当たり前の世の中とは、素晴らしいと感動する。
ふと、昨日行ってきたショールームの話からの事。
私 「昨日、スマホにしたんです。」
担当者さん「(満面の笑顔で)LINE友達になってください。」
私 「はい!」
担当者さん「アイフォンですか?」
私 「はい。」
担当者さん「(手を叩きながら)素晴らしい!」
まだ設定など使い慣れてなかったので後からやり取りする事にしてもらった。
この日、担当者さんからもらったプレゼントがある。
【追加費用の一覧表】
担当者さん「今日はバレンタインですし、プレゼントです。」
と言って2/14の日付とともに消費税を除いた金額を書いてくれた。
粋な計らいと思いながら。
(やっばいよ。先にやられちゃったな。)
と思っていた私の車の中には、帰る際に渡そうと思っていたチョコレートがあった。
私は担当者さんが自慢できるような出来事を起こしてあげたかった。
きっと工務店人生の中でお客さんからチョコをもらったなどとなれば、一つの自慢エピソード になるはずだ。と、勝手に思っていた。
そして、私の感謝と想いが伝わってほしい。カードを添えた。
”担当者さん、いつもありがとうございます!”
次の日。
アパートのチャイムが鳴る。扉の向こうには笑顔の担当者さんが、ショールームの見積りを持って立っていた。
「こちらをお持ちしました。」
と差し出された見積りは今日届けられる約束もなく、自然体で佇むにこにこ顔の担当者さんを見た時に。
(あなたに会いに来ましたよ。)
と、そんな言葉が聞こえた。
それを感じた瞬間、真正面から全身のゴミを払い落とすような風が吹きつけて通り過ぎたのを忘れない。私という存在を認められた気がした。
私はこの日、とんでもない贈り物を受け取ったのだった。
すると、扉の奥のリビングにいた夫がコーヒー缶を持って現れた。
担当者さん「旦那さん、居たったんすか!?」
夫 「居たったっすよ。」
驚く担当者さんと冷静に返す夫がたまらなく面白かった。
2021年2月20日
これまでメールのやり取りだったが、施主と工務店はLINEというツールで繋がる。