27.登記申請書をつくる
2021年5月3日
私は残りのGW中に約束している出会う前の話をする日を待っていた。担当者さんからいつ来れるか連絡を待つ。
LINEが鳴った。
(担当者さんだ!)
昨日の契約について売主さんからの感謝のお返事があった事が丁寧に書かれていた。
そしてもう一つ、連投されたLINE。
担当者さん『GW中に伺おうと思いましたが調整しきれず伺う事が出来なさそうです。申し訳ございませんが 。』
(GWに話せるなら話したいと言ったのは自分だったし、急過ぎただけ。別に来る気持ちがあまりないとかじゃない。本当に調整がつかなかったんだ。)
短いLINEのメッセージを何度も読み返してそんな答えを見つけようとした。
期待していた分、寂しさが募る。
2021年5月10日
担当者さんと電話。
私 「最近、色んな方と出会っているというか、とても素晴らしい人達が私の周りにいるんです。」
担当者さん「そうなんですか。」
この時、脳裏にあったのは正直に言えば作戦だった。もっと担当者さんと近づきたい、繋がりたいと願っての作戦を仕掛ける。
私 「何故か色んな方が私の側に来るというか…男性の方が。女性もいますが。でもそれはとても純粋なものだと思ってるんです。」
担当者さん「〇〇さん(私の名前)は、間違ってもご主人さんを裏切るような真似はしないと思います。」
(違う方向にいってしまった。何とか修正を…がんばれ自分!)
担当者さんの答えが思わぬ方向に行ってしまったのに焦る。
(焦るがやってみよう…!)
私 「私は自分が思う素晴らしい人達ともっと親しくなったり、仲間が沢山ほしい。助け合ったりしなくてもいいんです。ただ、人と人が仲良くしていけたらと思ってるんです。出会いを深め合ったりして…出来ないのは出会ったのにもったいないというか、残念な気がします。」
担当者さん「・・・・・。ええ、…うん、ですね。」
私 「私を慕って、良い思いで来てくれる人を大事にしたい。」
担当者さん「・・・・。」
担当者さん「それは、私も入りますか?」
(キターーーーーー!!)
その言葉を待ってました。と、心が躍ってしょうがない。
私 「はい!!ですよ!担当者さんはとっても私にとって大事です。」
(・・・・。ちょい、待て、自分。)
私の好意が一方的なだけでは、不安じゃないかと気が付いた。
私 「・・・・担当者さんも、私と同じように…私のこともある程度の位置にいますか?」
担当者さん「いますよ。」
( *´艸`)
私 「ただ、主人にこの事を話したら面白くないって感じで。」
担当者さん「ええ。話さない方が良いと思います。」
私 「はい。学習しました。主人には、自分の周りの交友関係は話さない方がよいってわかりました。」
担当者さん「(少し笑ったような声色で)・・・・私の場合でもご主人、そうなりますか?」
(≧▽≦)
気にしてるって事は・・・・どういう事!?と、前向きな想像しか私の頭にはやってこない。
今日はこのままノリよく電話を切ろうと思った。
私 「ってな事で、ヨロシク~。」
担当者さん「ヨロシクお願いしま~す。」
担当者さんの声の調子が少しうわずってる感じな所にまた人柄の良さを感じた。
2021年5月16日
銀行のローン本申し込みをする。
30年ローンを組んだ。
毎月の返済が大変になるが、35年を組んで高齢になってから払う期間が長くなるよりは、30年として初めから幾らでも減らそうと考えた。
2021年5月20日
担当者さんが頼んでいた書類と模型を持って来てくれた。
アパートにやってくる事が多い。今週は3度目の対面。
いつも玄関先で帰ってしまうのだが、担当者さんに頼んで模型の撮影を少しの時間、手伝ってもらった。ブログのアイキャッチとなる写真。
2021年5月26日
夕方LINEが入っていた。丁度仕事が終わったタイミングだった。
担当者さん『本日、押印していただきたい書類がありまして、お渡しにアパートにお伺いしますので、ご帰宅されましたら、ご連絡ください。』
夕方、電話で担当者さんとやりとりする約束だったが、対面なら手っ取り早くもともとの要件を話し合えるなと考えた。
担当者さんが書類をもってアパートを訪れる。
私 「あの、時間ありますか?」
担当者さん「普通です。」
私の中の担当者さん方程式に当てはめて行動を考えてみる。
普通=あります
きっとこういう事だろう。それに今日は電話でお話しする予定だったし。
担当者さんはご自身の趣味の事を話してくれたりした。いつも以上にとても身近に感じる。PCの使い方のレクチャーを受けたり、小一時間ほど過ごした。
楽しかった。
2021年5月29日
午前中打合せ。以下、3人で話し合い。
- 窓サッシ、外壁、屋根材などの最終確認
- 水回りの設備の最終確認
- かし担保保険の確認
午後、アパートに戻ってきた。
私は登記申請書のひな形を見つめた。
所有権移転登記(家を建てる際などに関わってくる、土地や建物の所有者が誰であるかを申請する事。)
その登記申請書をアパートで作るところだった。
正直なんで私が作る事になったのかわからないが、流されるままそうなってしまった。
大概の方は司法書士さんなどにお金を払って作ってもらう事が多い。
13:30 作成を開始。パソコンの前にどっかり座る。
途中、担当者さんへLINE。
私 『私達は売買契約の締結を農委の前にしてますか?』
担当者さん『5月2日になっております。農転許可日は4月26日です。』
17:30 近くの大型書店にて登記申請書の調べもの。
19:00 一旦やめる。
次の日。
9:00 昨日の続きを再開。図書館へ行って登記について調べもの。
担当者さんからLINEが届く。
担当者さん『データ送信は何時頃予定ですか?』
慌てて、担当者さんへ電話で状況をつたえた。
私 「大変です。登記申請書ってこんなに奥が深いとは思いませんでした。出来たら、印刷してくれるって件ですが、夕方になっても大丈夫ですか?暗くならない内になんとか作ります。」
担当者さん「わかりました。お待ちしてます。」
16:00 申請書作成終える。
申請書を何とか形にだけは出来た。あとは担当者さんの事務所へ送信すれば、今日中に届けてくれる。
申請書を作り終わると、夫から言われた。
夫 「お前の集中力凄くて声かけられなかった。」
そこ、自分でも驚いている。
こんなに集中したのは久しぶりか初めてかもしれない。
心に火がついていた。
ずっと消えない火が心地よい緊張感のなかでぽっとついていたような感じだった。
ピンポーン
担当者さんが作った申請書印刷してくれてもって来てくれた。玄関の扉を開けた瞬間、私は担当者さんの普段着姿にぎょっとしてしまう。
(*''ω''*)カッコイイデス…
お休みの日だったのに持って来てくれてありがとう、担当者さん。
ところが、作った申請書に誤りがあり訂正して夜、再送信。
2021年5月31日
更に訂正箇所を見つけて、朝、再送信。
私 『手直して再送信しました。印刷のほどどうか宜しくお願いします。』
担当者さん『今朝送ったのであれば受信しておりません。』
(うそっ!?)
職場についてからこの事実を知る。
お昼休みは1時間ある。私のアパートは職場と近い。急いで戻り担当者さんに電話しながら再送信を試みた。
なのにネットの回線を差し込まない内にパソコンを起動してしまった。
(何たる、痛恨のミス…)
私 「すみません。」
担当者さん「焦りは禁物ですよ。」
合わせて、励ましてくれるが待ってもなかなかネット回線は繋がらなかった。
仕方がないので現状送ったもので印刷をお願いする。
担当者さんは1時までの私のお昼休みに合わせて車で参上してくれた。
担当者さん「お持ちしました。」
印刷された申請書をアパートの玄関先で受け取った。
お昼休みの間に間に合った。
(・・・・。)
ちょっと言ってみたらOKかなって感が働いたので実行してみた。
私 「えっと、歩いて行けと・・・・?」
担当者さんはほろ苦さを加えたような、だけど笑みを浮かばせた。
担当者さん「どうぞ。」
優しく落ち着いた声。運転席に座ろうとする担当者さん。
ちゃっかり助手席に乗っけてもらい、職場まで戻った。
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断られるまでの…
今、農地転用の許可を待っている。この土地を手に入れるため、
もうかれこれ8ヵ月は待ち続けている。
————家を建てるため————
この土地を見つけたのは工務店さん。
工務店さんとの家づくりを決めたのは去年の7月。
前の工務店さんとの破談の後だった。
前の工務店さんとの打合せは2020年の1月頃から。4、5回ほど事務所へ赴いただろうか。
住宅や設備の説明、坪単価、我が家のファイナンシャルプラン、手がけた地元の住宅の紹介……そんな説明を聞き、話合いをした。
でも、ある時を境に工務店さんからの言葉は「私達には難しいです。」の一点となってしまう。
———これは前の工務店さんに断られるまでの出来事。
電話で営業担当の方と話をした時のこと。
「私は家を建てることがとても大事なんです!夢なんです!」
そんな言葉をぶつけた事がある。
その時、担当の方は「その情熱を家づくりに。」と言っていた。
その数日後のこと。家造りの質問があり電話連絡をいれた際、他の住宅展示場で息苦しくなった事があったという話をした。
「アレルギー体質的な部分があり、大丈夫だとは思うんですがちょっと気になっていて。これまで他の家でなった事はないんですが、一度、他の展示場で息苦しくなった事があって....大丈夫ですよね?。」
と聞いてみた。
この発言が破談へと動いてしまう。
約束していた打合せに行った際、以前までいた社長さんの姿はなく、営業担当の方だけだった。
「絶対にこれが原因でアレルギーになるという事が分からない限り、家を造るのは難しいです。これです、というはっきりしたものがなければ、建てるのは難しいです。」
そう、言われた。
「ならば、調べて原因がわかれば建てれるということですよね?調べてみます。」
そう言って私は調べはじめた。
まずは息苦しくなったハウスメーカーの展示場にもう一度行ってみようと思った。コロナ禍の中、住宅展示場のオープンは困難で、出向いても断られたり、閉まっていたりでなかなか原因追及が進まなかった。実際行けたのは1ヶ月ほど経ってからだったと思う。
他のハウスメーカーの住宅展示もいくつか回った。来場中、マスクをそっとずらし、匂いがしないか、気管に苦しさはないか確認した。
次に住宅の情報を扱う会社に電話して聞いてみた。これまでのお客さんの事例など話してくれ、自らの知識も教えてくれた。そこで聞いた情報を工務店さんに見てもらうため文章にまとめた。
ネット検索もしてみた。同じワードが何度も出てきたりするが、これといった答えは見つからない。
アレルギー反応が起こる際、何となく匂いがする。建材の匂いを嗅ぎに、ホームセンターやメーカーのショールームに行っては、匂いを嗅いだ。
何に自分が反応するか知ろうとした。
病院にも行った。アレルギー検査をしてもらおうと思った。その時、先生はアレルギー検査を行わず、話をしてくれた。
「建売を買うか、全て無垢材にするなどするしかなくなるのではないか。もし、本当にどうすることも出来なくなったら、ここの建築会社に聞いてみるといい。」
そう言って一枚の紙を渡された。ドイツだかスイスだかに行った人で、住宅に関してとても詳しいらしい。頼みの綱を渡してくれた気がした。
この時、アレルギーなんてものはあってないものだと思えていた。
病院の先生に貰った紙に書かれていた会社へ電話しないまま、数か月ぶりに工務店に連絡をとった。
ここまで調べたら十分理解してもらえると確信し、6月頃、以前に聞いていた住宅内覧会を見させてもらいに予約し、話をしに行く。
内覧会の説明を一通り聞き終えた後、話した。これまで調べ、聞いた事を話し、大丈夫だと思いますと元気いっぱい伝えた。
だけど、また「難しいです。」の言葉が返ってくる。
それは難しいけど出来るかもしれないということでは?
そう考える私。私は食い下がった。
「なんとか、〇〇さんで建ててもらいたんです。ダメですか?調べました。もう一度展示場に行っても何ともありませんでした。病院にも行きました。お願いします。」
頑張って伝えようとした。
だけどダメだった。工務店さんはずっと「難しいです。」とばかり繰り返す。諦めきれず、何度も伝え、お願いする。次の内覧会予約のお客さんが来てしまっていた。
最終的には、「.....無理です。」と、営業担当の方は力細く言った。
私も、もう力を落とす。ああ、無理だと分かった。
受け入れたくはない、諦められない、だけどせめて当たり前の事を言ってこの場を終わらせなくては。
か細い声で「ありがとうございました。」と言いながら内覧会の玄関扉を閉めた。
どん底に突き落とされる。まさにそんな感じだ。
ハウスメーカー、近隣の工務店、いくつか巡りようやく見つけた、低価格で良い家を造ってくれる工務店だった。
優良工務店の本にも選ばれている。内容も自分達が目指したものが詰まっていた。真面目で穏やかな人柄の営業担当の方と社長さん。
こんな良い工務店は他にはないと思った。
思い描いていた夢がボロボロと崩れ落ちていく感覚。どんなに頑張っても努力しても叶わない。内覧会の後、夫の運転する車の助手席で、静かにこの現実を噛みしめていた。
———その後、私の次なる行動は早かったと思う。
すぐにまた近くの工務店情報を集め、片っ端から電話し、坪単価や内容などを聞き、自分達の理想の家づくりをしてくれそうな工務店をもう一度探した。
しかしどこかで、断られたあの工務店さんぐらいの所など見つかるとは思えなかった。以前だって結構な時間をかけて探したのだから。
その時、ふと思い出す。
4月、前の工務店さんの理解を得るため躍起になっていた時に見つけたとある住宅展示の看板を。その際、軽く見学できるか連絡した事を。
看板の主は建築も行っているという不動産会社だった。写メは残していた。
夫に一応あの看板の会社にもう一度聞いてみると伝えた事を覚えている。4月に電話で聞いた時は吹き抜けの話をしていたので、自分達の予算では難しい住宅だろうと、期待してはいなかったが。
ところが再度電話した際、聞いた坪単価が自分達の許容範囲だった。
瞬間、私の心はもう一度踊りだした。
詳しい住宅内容は、次期社長の者に電話させますとの事で、後にその方から電話がかかってきた。
ある程度の住宅説明を受けた際、今の担当者でもあるこの方の発した言葉に夢への期待が高鳴る。
「ご家族の方に、他の工務店より良さそうですとお伝えください。」
いい予感がした。
祈願とおみくじ
家造りで心配なことがあった時、悩んだ時、神社で祈ってきた。
『どうか上手くいきますように。』
他にやれる事がない時、その都度、何度か祈ってきた。
念を飛ばすような気持ちで手を合わせ、目を閉じる。集中する。
そのあと、おみくじを必ず引くことにしていた。
ラッキーなことに凶や大凶が出たことはない。
一番初めに書かれている一文をよく読むようにしていた。
そこの言葉に救われようと必死に読み解いていた。
ここの神社で祈りを聞いてくれる誰かがいたのなら、
感謝します。
神社って、神様がいる設定の場所かどうか分からないけど。
祈る自分の姿をくるっと優しい風で包んでくれてきたような気がするから。
想いが人生の歯車に届くように風で飛ばしてくれた気がするから。
・
・
・
・
これが一体誰を想ってたかは・・・・
・・・・神のみぞ知る(*´з`)
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26.もう一つの工務店
2021年4月30日
家の事で困ったらコイツしかいない。
私 『もしもし。ちょっと聞いてよい?かな?』
同級生 『なした?』
私 『ごめん、契約に関すること。』
同級生 『はいよ』
答えてくれた。有難い。すぐさま電話をかけた。
同級生 「おい、いきなり電話かよ!?」
私 「ごめん。」
同級生 「まあ、なんともねぇけどよ。で、何した?」
私 「実は社長盲腸で突然入院になって、契約のハンコ押せなくなって…。」
同級生は大笑いした。
同級生 「何だ、今度はそれか!何だってな、ホントよぉ。」
同級生は工務店を営んでいる。社長は大丈夫であると感づいての「何だって」といった程で話を聞いてくれたのだろう。
さっきまで担当者さんと話をした内容を伝えた。契約書の押印を社長よりも先にするということを。
一言、返ってきた。
同級生 「それはおかしな話だ。そんなバカなことあるか。」
同級生 「いいか、契約書によ、印紙の上に自分の印と会社の印が両方押されるんだよ。それで互いに契約しましたっていう事。目の前で通常やるもんだよ。てかよ、先にお前達の印が押されたあとで後から会社の印?あり得ないだろ、それで工務店から内容書き換えられてたらわかんねーだろ。」
ああ、そういうもんなんだと思った。契約書を見た事がなく想像すら出来ないけど、言ってることはわかった。
軽く考えて押せるハンコでないことは。
同級生 「その担当者が金庫を開けて、押すってことはできねーのか?どんな立場だ?」
私 「次期社長と言われてる。」
同級生 「開けれる気がするけどなー。まあ、いいけどよ。後は契約書の原本をコピーしてもらうとか、一筆書いてもらうとかか…?でたらめな契約結んだらダメだからな。」
教えられつつ、諭されつつ電話を切った。
契約印をうっかり押してしまう前に踏み止まって正解だったんだと分かった。
次の朝、夫にこの同級生の言葉を伝えた。
だが、夫はなかなか理解してくれなかった。
2人でどうするか揉めてると担当者さんからLINEがきた。
担当者さん『昨日はご心配をおかけしまして誠に申し訳ございませんでした。弊社で問題解決に至りましたので、明日予定通りご契約の程、よろしくお願いします。
( ゚Д゚)
正直、ちょっと待ってくださいよ。と、突っ込みたくなる。
我々があれだけ問題視した時間と徒労は何だったのか・・・・。
2021年5月2日(大安)
事務所には担当者さんと売主さんが待っていた。社長不在の中、今回は担当者さんが社長の代わりを務める。
売主、買主の間で土地売買契約書が交わされる。
初めて会った売主さんだったが、長く共にしていたような気がする。長い道のりの中、意識していた相手だったからだろうか。
売主さんは朗らかなオープンな方で、これもまた良い出会いだった。
売主さんの生まれ育った土地。ご両親が他界し取り壊してしまったが数年前まで建っていた白い大きなお家の写真を見ながら担当者さん、売主さん、私達夫婦は話す。
夫 「大きな家だったんですね。」
売主さん 「ええ。」
私 「お花がありますね。」
売主さん 「おふくろが花が好きだったもので。」
夫と私は目を合わせた。
私 「お花植えるのもいいね。」
夫 「うん。」
売主さん 「もう、私の土地じゃあないんですね。ここには入られないんですね。」
私 「いえ、いつでもお越しにきてください。売主さんなら大歓迎です。」
売主さん 「ありがとうございます。」
担当者さん「売主さんのこの土地を今度はKさん(私達の苗字)達が継承していって下さい。」
私達は、はい。と答えた。
無事土地の売買契約が終え売主さんが帰り、次なる契約。
同日。
施主、工務店の工事請負契約が結ばれる。
いつになく、担当者さんと私達夫婦3人はリラックスした雰囲気であった。
長い契約書を一句一句読み上げ、私達に聞かせる担当者さん。
それでは、と押される互いの印鑑。
しみじみと契約書の印紙におされた押印を見つめた。この日を噛みしめようと思った。
冗談を言い合い、3人は穏やかな中にいた。
何度、事務所のこのテーブルを3人で囲んだだろうか。この時間は近いうちにもうないんだと思うと、このときを永遠に閉じ込めておきたいと考えてしまう。
2021年5月3日
契約から夜が明けて、同級生にLINEをした。
私 『昨日、無事に土地の売買と工事請負契約が終わりました。ありがとう、相談のってくれて。聞いていた印紙の割印、重みを感じて眺めていました。家って、いいな😊』
同級生 『よかった。頑張っていい家建ててな😊』
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25.社長不在
2021年4月17日
事務所で打合せ。
- 玄関とパントリーの換気扇。
- 外壁、屋根材の商品の確定サイン。
建築に使う外壁などの商品の最終確認に入った。
注文が確定する。
農地転用はまだ許可が下りてないが、今月中には来る見通しだ。きっと大丈夫。
私 「担当者さん、見てもらいたいものがあります。」
担当者さん「はい。何でしょう?」
私 「ブログを書きました。これを上げてよいか見てもらいたいんです。」
担当者さん「できたんですか?見ます。」
(´・ω・`)フム…
(; ・`д・´)ドウナノ…デスカ!?
ドキドキしながら待った。読み終わって顔が上がる。
担当者さん「いいと思いますよ。どうぞアップしてください。なんと言うか…心がほっこりしました。」
いつものくしゃっとした満面の笑みが担当者さんからこぼれた。
私 「まだ公開できるか…ネットに上げるというのが自分に出来るのかとか思ったり…。」
担当者さん「え?ブログを書いて私と〇〇さん(私の名前)との間だけで…ですか?上げてください!世界に発信してください!!」
担当者さんがブログを賛成してくれてる。初めてでまだ分からないことだらけで不安。
だけどやってみようと勇気を奮い立たせてもらった。
最近、担当者さんと電話で話すのが私の楽しみとなっていた。
担当者さんから自分の経歴の話をしてくる事もあったり、私は人間関係の相談に乗ってもらう事もあった。距離が少しづつ縮まる度に、達成感で熱くなる。
2021年4月27日
農地転用の許可が下りる。
二段階の壁の二段階目。
これで土地の購入が出来る。
長かった。去年の8月の末にあの土地に出会い、10月に農振除外の申請。その許可が今年の3月に下りて同月に農地転用の申請。そして今日その許可が下りた。
8ヵ月間の長い道のり。後から気づいたのは、この長い待ち期間の間、家造りの中身に時間をかけれたという事。
今となっては…だけど、結果的に私達にとっては良かった。
2021年4月27日
私 『ブログのご感想、ご指摘よろしくお願いします。』
地味にコツコツ…出会いの頃の4話を書いた。
ネットに上げる前にまずは担当者さんに読んでもらおうと思って、URLのパスワードをLINEする。
次の日。
担当者さんから着信があった。気が付かなかった私。LINEも入っていた。
担当者さん『ブログを拝見いたしました。素直な感想はとても素晴らしいです。内容に関しましては、文句なしです。』
急いで返信。
私 『ありがとう。電話で聞きたかったですが、今は無理そうです(泣)。』
担当者さん『すみません。急に電話しまして。ブログよかったですよ。』
この言葉を聞いたらもう電話をかけずにはいられない。
私 『少しお電話、大丈夫ですか?』
担当者さんの方からすぐに電話をかけてきてくれた。
とても良かったので、さっきは思わず電話をしてしまったと言っていた。「どの辺りが良かったですか?」と聞くと。「それ聞きます?」とちょっとお茶目な感じで返す。
担当者さん「土地を探してまで建てようとした理由が工務店として良いからではなく……私、〇〇〇〇(担当者さんのフルネーム)として選んだっていう所が…。」
正直な担当者さんの言動にまたひとつ、近づいたと思った。
これからどんどん、今まで言えなかった担当者さんへの想いを伝えていこう。
(あれ、でも…。)
私 『すみません。4の文の探した理由は担当者さんだからではまだなく、魅力的な工務店だからです。まだその時は半信半疑だったり…でしたね。』
電話を切った後だったが、LINEで伝えた。次の朝、返事がくる。
担当者さん『了解しました。』
そんなにうまい事距離は縮まらなくても、嘘のない間柄でいようと思った。
2021年4月30日
担当者さん「実は大変な事が起きまして…。」
担当者さんから電話がくる。
社長の入院。
かなり驚いた。
私 「入院って…病気など…ですか?」
担当者さん「はい。以前から体調が悪いと言ってましたが、GWの前に診てもらうと行ったきり、そのまま入院となりました。」
私 「大丈夫ですか?社長。何の病気か聞いても…大丈夫ですか?」
担当者さん「盲腸のようです。」
私 「…それなら、まずは時間がくれば治る感じですよね。担当者さんは大変かと思いますが、しっかり養生などしてれば、きっと元気になる…。」
担当者さん「…実はこの社長の入院のため、予定していた契約に問題が出てきまして・・・・。」
え・・・・!?と思う。
(また、問題……。待ちに待った契約はすぐそこにあるのに・・・・!)
5月の初め、大安の日取りを狙って売主、買主の予定の合う日にちで土地の売買契約と工事請負契約を予定していた。早ければ三日後の5月2日には…。
(せめてあと3日ほどあれば……。)いやっと、頭からその考えを消す。
まずは社長の身を第一優先に考えるところだ。
自分の家造りの事だけ考えた発言をうっかり言ってしまってはいけない。そんな事を思った事も大間違いだと頭からかき消す私。
私 「まずは社長の身体です。契約は・・・・どんな問題ですか?」
担当者さん「契約に社長の印鑑が必要です。」
私 「社長いつ頃復帰できるですか?」
担当者さん「2週間、3週間は無理かもしれません。ただ本人は這ってでも行くと言ってます。もしかしたら押印の為に来るかもしれません。」
私 「それは・・・!無理しないほうが…。そのハンコは社長じゃないと押せないものですか?」
担当者さん「社長しか開けられないところに閉まってます。」
私 「開け方を聞いて…担当者さんが押印したりは…ダメですよね。相当大事な重要なものですよね?」
担当者さん「ええ。私では開けられないので…。なので、先に売主さんとKさん(私達の苗字)」に契約書に押印してもらい、後から社長に押してもらう形になるかと思います。」
私 「わかりました。」
その後、担当者さんが売主さんにも連絡し、3日後の5月2日に契約と相成ったとLINEが届く。
LINEを眺めなら、これで本当に良かったのかと考えはじめた。
少し考える時間を……と思って返信した。
私 『土地の所有と大きな負債にかかわる契約になりますので、今一度、日程を考えさせてください。』
私 『申し訳ありませんが、売主さんとの契約を遅らせていただく事もあるかもしれません。』
本当に理由は分からないんだけど、これはダメだという気がしてた。
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24.私の担当者さんは…
2021年4月10日
担当者さんがアパートに届出書をもってやって来た。
夫から押印をもらうために。
入室と共に担当者さんがキッチンに立つ私に聞く。
担当者さん「何作ってるんですか?」
私 「コーヒーゼリーをぐちゃぐちゃにしてます。」
夫と担当者さんで届出書に押印している間、私は飲み物の準備。
随分と押印箇所があったようだった。
ハンコレスでないお陰で、飲み物の準備が間に合ったので良かった。
担当者さん「美味しいです!」
一口飲むと満面の笑みを私にしてくれた。
向かい合う夫が黙っていたので「あなたも飲んで。」と言ってみた。
夫 「うん。」
夫からの感想は特になかったので「美味しい?」と聞いてみた。
夫 「うん。」
2人とも美味しいと言ってるから、本当に上手く出来たとほっとする。
アパートに人が来たのは初めてだったから実は心配だった。
夫と担当者さんで互いの仕事とコロナの影響の話をしたり、私の家造りの質問を担当者さんにしたり、笑われたりして少し過ごす。
帰り際、開けようとする扉の手前で突然こちらに振り返った担当者さん。
担当者さん「〇〇さん(私の名前)、とっても美味しかったですよ。あれはミルクセーキというものですか?」
私 「いえ、なんかコーヒーゼリーを入れたカフェ風ドリンクです。」
担当者さん「そうですか。ごちそうさまでした。」
そう言って二コリと笑う。振り返ってまで言ってくれたのが嬉しかった。
2021年4月13日
アパートのすぐ後ろで某ハウスメーカーの平屋の見学会が行われるという情報を聞く。
早速向かった。
若い男性の営業マンが対応してくれた。
家の説明をしてもらい、土地の話や、ここだけの情報などを聞いたり楽しく話す。
営業マン 「実は私も家を建てたんですが、その際、内装などは自分で全部決めました。それが割と好評だったというか。」
私 「え?そうなんですか?見てみたいです。何かに載せてたりしてないんですか?」
営業マン 「うーん、ないかもしれないですね。」
私 「もったいないですよ。きっと見たいお客さんいると思いますよ。参考やアピールにもなる気もします。ああほんと、残念です…。」
さわやかな表情の営業マンさんはポケットからおもむろにスマホを取り出し操作をはじめた。
営業マン 「ちょっと、待ってください。・・・・あ、これですね。」
スマホの画面を見せてくれた。
そこには、黒とグレーを基調としたスタイリッシュで、これまで見たことのない色合いの内装があった。
スライドさせ、ブラックで統一したお風呂、大きめのタイルを張ったキッチン、珍しい黒の建具と畳……などを見せてくれる。
画面が移り変わる度、歓声が出てしまう。
私 「!!凄い。」
おしゃれな内装。ブラックで作られた内装はなかなか参考資料として上がってくる事はなかった。個性的、だけど全く疲れさせない空間になってる。本当に凄いと思った。
もう私は、この営業マンさんのお家の内装の虜になっていた。
興奮が抑えられない。
私 「素晴らしいです。凄くないですか?黒でまとめられて…見た事がありません。」
営業マン 「ええ、ありがとうございます。ただ、黒い浴槽はしない方が良いですよ。水垢がすごいです。」
謙遜しつつ、嬉しそうな表情の営業マンさんと楽しくお話をしたことが嬉しくて、ルンルン気分で家まで歩いて帰った。
次の日、担当者さんにこの事を伝えた。素晴らしい内装の画像だったと。
担当者さん「私だって、お見せするぐらいしますよ。」
私 「いやいや、だって私、建てる顧客じゃないんですよ。」
担当者さん「自分の自宅ぐらいなら見せます。」
私 「自分のスマホの画像出してまで見せてくれませんよ、普通。」
担当者さん「します。私だってできます。」
担当者さんは素直な人である。と改めて思った。
そのまた次の日のこと。
昨日、書類を持ってくると言っていた担当者さんだったが来なかった。
LINEをする。
私 『書類の受取りはまた明日以降、お待ちしてます。』
すぐに担当者さんから電話がかかってきた。
(やっぱり忘れてた。)
また約束をすっぽかされる私。
(何度目だ・・・・。)
必死に謝る担当者さんと納得するまで理由を問いただす私。もう定番の図。
夫 「担当者さんも大変だな。」
と、夫はいつも笑って言うんだけど、私だって大変ですよ…。
だけどこんなに忍耐強く向き合ってくれる人なんてそうはいないよなぁと、これまでを振り返って思えてくる。
銀行の融資について社長を挟み揉めた時も。。。
私 「私の担当者はあなたです!社長じゃないです。今後銀行と話し合わねばならない時は担当者さんが必ず来てください!」
担当者さん「わかりました。大丈夫です。私が必ず行きます。」
以前の家庭の事情で揉めた時も。。。
担当者さん「ご連絡を4日以上しなかった事はありませんでした。私に仕事がある時は合わせられませんが、私のプライベートの時間を〇〇さん(私の名前)に使うことはできます。」
電話でも回答が出ずにいた時も。。。
担当者さん「でしたら次回ということで、またお話ししましょう。」
担当者さん「お昼休憩を挟みまして、午後からまた電話打合せ再開でどうですか?」
話がある度、担当者さんは付き合い、聞いてくれる。何度も。
私の放つ言葉を蹴とばしたり、そのままにしなかった。
それって実は凄いことなんじゃないか。
だって、自分だったら他人の為にここまで付き合えない。お客さんだとしてもここまでは。
怒る私に不満そうな顔を浮かべることなく、黙って聞いていた担当者さん……。
これまで問題が出ても乗り越えられたのは、最後まで向き合う担当者さんがあったからじゃないかな。
(・・・・・。)
良い事が起こる前には辛い事が起きるって聞いた事があって。
私がここに来るために、きっとあの出来事があったんだと思えてくる。
担当者さんにその内聞いてもらいたいと思っている出来事。
出会う前のこと…。
あの辛かった出来事が、きっと今の幸せな出会いに繋がっているんだと思っている。
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23.家造りの再開
2021年4月4日
事務所にて打合せ。久しぶりに家造りをしている感じがする。
以下の話し合い。
- 配置図確認
- カーポートの申請はするか?
- 浄化槽の位置の確認
- カーポートの雨どいの方向の修正方法
私 「今日、午後から水回りのショールームに予約してます。」
担当者さん「そうでしたか。昨日私も行ってきたんですが、新しい浄化装置付きの水栓をおすすめしますよ。是非観て来てください。」
私 「担当者さんも・・・・一緒に行きませんか?」
担当者さん「・・・・そうですね。いいですよ。」
(うそ!?やった!!)
夫 「大丈夫なんですか?」
担当者さん「はい。少し遅れるかもしれませんが。」
担当者さんとショールームで待ち合わせとなった。
向かう車の中で、はたと気が付いた。
(担当者さんを急に呼んだのは私だから、担当者さんが良かったと思える見学にしないと。来てもらった意味が出ないと白けてしまうぞ。)
ショールームに着く。担当者さんから少し遅れそうですとLINEが来たので、夫はその辺りをぶらっとしてくると言って消えた。
担当者さん「〇〇さん(私の名前)。」
担当者さんが現れた。本当に来た。
私 「お疲れさまです。今、夫がその辺りを見てます。すぐ来ると思うのでちょっと待ってください。」
担当者さん「何してるんですか?」
後ろから担当者さんが覗き込む。椅子に座る私の右顔の間近に担当者さんの顔がくる。
(ん・・・・?近い。どうしよう。)
私 「今日のおさらいをしてます。」
冷静を装った。少しして担当者さんは離れた。
夫が戻って来たので担当アドバイザーの方に声をかけ、4人で検討箇所を見回る。
(今日来た目的は、これまで夫抜きで進めた変更箇所を夫に見てもらう事だったが、これを担当者さんも交えて、より良い見学に持っていかなければならない!)
全員が楽しく滞りなく進めていけるようにプロデュース。頑張ってみようと決心した。
アドバイザー「こちらのIHクッキングヒーターは…。」
私 「あなたが見ないとダメだよ。さ、近くで見て。」
夫を商品の近くへ誘導する。アドバイザーさんが冗談も交えて夫に操作した所を見せてくれた。
私 「さすが、アドバイザーさんだ。面白いね。」
夫にそう話しかける。アドバイザーさんも笑顔で対応してくれた。
アドバイザー「水道の蛇口の変更ですが…。」
私 「あれ、担当者さんこの水栓ですよね。これって確か浄化機能付きの・・・・。」
担当者さん「そうですね。この水栓なんですが…。」
アドバイザーさんが気を利かしてくれてさっと担当者さんの後ろ手に回る。結構な間、水栓について話した。夫が少し興味を持ったのが嬉しい誤算だった。
アドバイザー「あと、お風呂の変更ですね。こちらです。」
夫がアドバイザーさんの後をついていく。私も、と行きかけたが後ろ側で他の浴室の床を見ている担当者さんに気が付いた。
私 「その浴室の床、いいですよね。本当は私もそれにしたかった。」
担当者さん「そうですね。ちなみに…。」
軽く2人で話しながら、床から立ち上がる。
トンっと私の背中に何かが触れた。
担当者さんの手だ。
私のすぐ後ろを他の見学者が通ろうとしていた。これを避けるためにさりげなく添えられた手。
(エスコートされてるみたい。)
「すみません。」と通行者へ声をかけ、隣にいる担当者さんにペコリと頭を下げた。
(・・・・顔をまともに見られない。)
夫とアドバイザーさんの元へ戻って話に加わる。
(添えられたとこ、まだあったかい・・・・。)
勇気を出してふと担当者さんを見ると、いつもと違ってボーっと突っ立るように見えた。真正面を向いて動向を伺うような視線でこちらを見ている。
(どうしたんだろう。何か聞きたい事でもあるような表情・・・・。こんな気の抜けた担当者さん初めて見たかも。)
今日はイベントで抽選会があった日だった。
担当者さん「旦那さんと仲良く一回ずつやったらいいんじゃないですか?」
私 「いやいや仲良く…。私はいいです。」
私 「あなた二回やっていいよ。」
夫だけクジの方へ送り出した。ふと担当者さんが私に近づいて、耳元で何かを言う。
(聞き取れないけど…。けど…近い!!)
慌ててぴょんっと他に話題を見つけながら離れてしまった私。何を言ったかは分からずじまいのまま。
ショールームを出る際、アドバイザーさんと一緒に見送る担当者さんへ声をかけた。
私 「担当者さんにお渡ししたいものがあります。大したものではないんですが…。」
担当者さん「ええ?何ですか?」
顔をほころばせ嬉しそうに答えてくれた。
行きがてら買ったコーヒーのドリンクを手渡しした。
私 「大したものではありませんが、担当者さんのために選びました。今日はありがとうございました。」
笑顔で受け取ってくれた。
今日は本当に楽しい見学の来場となったなと家で思いに更けてると。担当者さんからLINEが届く。
担当者さん『先ほどはご褒美ありがとうございました。』
私 『いえいえ、こちらがお礼をしなければばりません。楽しい来場となりました。それと……後で聞きたいことがあるんですが、近いうちお電話大丈夫ですか?』
担当者さん『電話いつでも大丈夫ですよ。』
私 『担当者さんありがとう。やっぱり優しいですよ。』
担当者さん『そんな事ないですよ。私も聞きたいことがありました。電話ください。』
ちょっといつもと違うテンションの担当者さん。
その日は電話をしなかった。
2021年4月5日
朝一LINEが届く。
担当者さん『おはようございます。今日の夕方とかでも大丈夫ですよ。』
こんな風に積極的に接してくる担当者さんは今までない。
夕方、電話が担当者さんからかかってきた。
担当者さん「あの、夕方電話するって言ってましたが、なかなか来ないので…今大丈夫でしたか?」
私 「はい。すみませんでした。ところで担当者さんの話って何ですか?」
担当者さん「・・・・。私から…ですか。」
担当者さんは家造りに関する話をした。その後、私も家について聞きたかった事を話す。
その後、雑談へと流れ込んだ。
担当者さん「通常であれば上棟式の際などに集まって飲んだりしますが、今回はないですしね・・・。・・・・。飲みに行きたいですね。」
私 「是非!!」
思わず分かり易い反応をしてしまった。
私 「実は前に主人に担当者さんと2人で飲みに行きたいって言ってみたんです。主人何と言ったと思います?」
担当者さん「え?」
私 「…そしたら、『いいよ』だそうです。」
担当者さんは高らかに笑ってくれた。
担当者さん「(笑いながら)いいんですか!?」
私 「・・・・。担当者さん?」
担当者さん「はい。」
私 「担当者さんはお客さんと友達のような関係になった事はあったりしますか?親しくなるっていうか…どうですか?」
担当者さん「・・・・そうですね。私はこれまでないですね。」
私 「なれませんか?私はなりたいと思ってたりします。自然な形で住宅の話をしたり、一歩踏み込んだ……深く関係していく気持ちがありますか?」
担当者さん「・・・・そうですね。自分はバカなんでそこら辺が上手くできるか…。考えてみます。」
担当者さんははっきりと答えてはくれなかった。
夜、LINEで再アタックする。
私 『私としては担当者さんとの出会いがとても大事なもので、以前言いかけた私達の経路を伝えたいです。伝えられず関係が終わるのはとてももったいないような感じがするので、お話だけさせてください。』
担当者さん『経路につきまして、非常に興味があります。関係が終わるのですか…(悲)』
2021年4月6日
私 『関係が終わる=契約しないではないですよ。』
担当者さん『関係が終わる事はないですよね?😭』
担当者さん『確認申請提出書類で先行しまして、浄化槽設置届出書に押印していただきたいのです。急で申し訳ございませんが、10日(土)御都合いかがでしょう?』
LINEと一緒に水回りの見積りも送られてきた。
(=_=)
これは話をそらしているのだろうか。
永遠とこのやり取りが続くように思える。
ハッキリしたくて電話で問いただすと…「わかってます。」とポツリと返ってきた。
(何だ、私が言いたい事わかってんじゃないかー!)
と、叫ばずにはいられないほどの気持ちになる。
LINEで再度、確認をする。少々、強引な気もするけど…。
私 『押印の件は主人に確認しまして後ほどご連絡します。関係は担当者さん次第です。私だって関係を切りたくはないですが……一方的にできないですよ。でないと私も動けないんですよ(泣)』
世の中というのは本当に面倒なものだと思う。
私は人として人と繋がりや交流をもてたら最高だと思うけど、それを世間が良いと思わない状況もあるから。
だけど、それで素晴らしい出会いから関係を持てないのはもったいない。
私は夫との二人暮らしの人生だから、出来れば色んな人間と繋がって、仲良しの人間関係が沢山欲しい。
そんな風に最近考えるようになったから実行してみた。
担当者さん『関係につきましては、これからも私は深めていきたいと思います。よろしくお願いします。』
ようやく担当者さんの了承を受ける。
私 『家造りのブログを立ち上げようと思います。いいですか?』
すぐに返信が返ってきた。
担当者さん『是非、お願いします。』
私 『きっと喜んで受け入れてくれると思いました。良かった。😊』
少し前から考えていた、家造りの記録をブログという形で作ってみよう。
担当者さんから親しくなる意志が聞けたら伝えようと思ってた。
こんなに未知の世界へ飛び込んで行こうとする自分は信じられない。
人と関わることさえ出来なかった自分は、担当者さん、あなたのおかげで変わったんですと、いつか伝えたい。
あなたが2月15日の夕方、アパートの玄関にやって来たあの瞬間が、私を変えてくれた日です。と。