私の家ができるまで

新築建築までに起きた出来事 

34.私にとって担当者さんは…

                                                                  

2021年8月18日

アパートに担当者さんが電気配線と照明の修正した図面を持ってきてくれた。

以前来てもらった時にずっと具合が悪かった事をしっかり伝え、お話し出来なくて残念だったとは控えめに伝えた。

口に出すとなると引っ込み思案になる自分がいる。

 

 

2021年8月19日

LINEでこの後の打合せ、上棟式などの日程を決め合う。

 

担当者さん『次回の打合せ日が3日の夕方か7日の夕方でも大丈夫でしょうか?』

私    『平日夕方は私がちょっと大変な感じでして…。』

担当者さん『了解しました。9月12日(日)は保留とし、次回打合せのご連絡お待ちしております。打合せに限らず、不明点等がありましたらご連絡くださいね。』

 

最後の一文を微笑ましく眺める。相手に取っ掛かりの入り口をさりげなく見せてる所が担当者さんらしい。

 

私    『もしかしたら3日の打合せもお願いするかもしれません。』

担当者さん『一応、3日(金)の夕方空けておきます。』

 

私    『不明点など、質問と相談あった時は連絡します。(…多分ある。)ありがとう、担当者さん。』

担当者さんのくれた入り口にさりげなく気持ちを伝える。

 

担当者さん『了解しました。お待ちしております。』

 

 

2021年8月24日

     地目変更の登記申請書を提出。

 

銀行といくらか揉めたりしたが、ようやく提出できるようになった。

 

 

2021年8月28日

間接照明について担当者さんと電話で相談する。

言葉で伝わらないので、絵を描いてLINEで送った。

【手書きして送った図】

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私    「間接照明の工法、この二点があると工務店を営んでる同級生から聞いたんですけど、他の方法をとってたりしますか?」

 

担当者さん「そうですね・・・・。別の方法もありますね。えっと、書いて送ります。」

【担当者さんから送られてきた図】

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担当者さん「これでいくと、横の壁にぶつけて照らす方法と、天井にぶつけて照らす方法ですが、〇〇さん(私の名前)の書いた工法は・・・・。ん?」

私    「はい?」

担当者さん「すみません。私も同じ工法書いてますね。〇〇さん(私の名前)の書いた右側と私の書いた左側同じです。」

 

よく見るとそうだった。

たまにこんな抜けた事をしてくれる担当者さん。

(ああ、いや。たまにじゃないかも。)

 

こんな担当者さんとのやり取りも、私としては楽しいエピソードの一つとして思い出の中に重ねている。

 

 

2021年8月31日

仕事中のことだった。

 

(ん?あれは…)

 

(*'▽')担当者さんの車だ!

またしても担当者さんの車を敷地内で発見した。

室内で仕事してるのに。私には探知機がついてるのかと思う。

 

帰り際を狙って声をかけれればと、ソワソワして担当者さんが通るのを待つ。

 

数十分後。

私    「担当者さん!」

視界に飛び込んできた私に担当者さんは目を見開いた。

担当者さん「〇〇さん(私の名前)。実はこちらの部屋に用事がありまして…。」

そう言って、担当者さんは用事を済ませるため部屋に入っていった。

 

用事を済ませた担当者さんと玄関先で少しだけお話しした。

自分の職場で知り合いとこんな風に話すなんて初めてで、嬉しかった。

 

 

次の日。

夕方、担当者さんから突然電話がくる。

予定もなしに突然電話がきたのは初めてだと思う。

 

私    「どうしましたか?」

担当者さん「実は、高窓の位置、大工さん達がどこにつければいいんだ?という話になり、申し訳ないのですが、現場に来て見て指示を頂きたいのですが。…よろしいですか?」

今日は声のボリュームが高いほうだなって思って聞いていた。

私    「そうでしたか。はい、わかりました。いいですよ。」

担当者さん「ありがとうございます!そのフットワークの軽さ、大変ありがたいです。」

私    「いえいえ。」

担当者さん「明日はどうですか?」

私    「はい。大丈夫です。行きます。」

担当者さん「よろしくお願いします!」

 

終始テンションの高い担当者さん。テンションが上がったりすると担当者さんは声の音量が上がる人。

そういう時は素が出てるなぁと思っている。

 

(その素を見るたび、ほっとするのは何故だろう。)

 

 

2021年9月2日

現場に向かう。

作業中の大工さんと担当者さんがいた。

 

担当者さん「お越しいただき、すみません。高窓の位置、天井びったりだとここになるんですが…。」

 

担当者さんの説明を聞きながら場所をどこにすればいいかを考える。

ところが中々、柱だけの状態から建った場合の位置が把握できない私。

棟梁が入ってきて言葉をくれる。

 

棟梁   「ポーチからの天井はこの位置だな。」

 

ポーチの天井を軸に、また内側の空間との差を担当者さんに図面で確認し合いながら進めていった。

 

私    「ここにします。」

【赤いペンで〇の中に<が書かれた場所】

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私が位置を提示できた頃には大工さん達は作業を止め、車に戻りはじめていた。

それでも私はまた悩みはじめていた。

現場の建物内には担当者さんと私だけとなってしまった。

私    「13センチにするか、16センチにするか…?んー…。」

担当者さん「・・・・。〇〇さん(私の名前)、その数センチの差、実際出来上がったら大した差でないと思いますよ。」

私    「えっ!?本当に?」

担当者さんの顔がほころんだ。

担当者さん「はい。おそらく気が付かないくらいだと思います。私が後からここの位置で3㎝の差があったと話しても、え?何処?って感じでしょう。」

私    「わかりました。ではこの位置のままでお願いします。」

担当者さん「わかりました。」

更に笑顔を見せる担当者さん。

 

(現場に着いてからずっと真顔だったけど、ようやくいつものくったいのない表情の担当者さんだ。良かったぁ。)

 

 

この後、工務店の作業場に格納されている届いた私達の家の窓を見させてもらった。

【届いた窓】

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私    「よしよし、いい子にしているんだよ、窓たち。」

帰り際窓に語りかけ、去ろうする私に担当者さんが見送って車まで来てくれた。

担当者さん「明日、そちらの職場にまた行くことになります。」

私    「そうなんですね。いつくるんだろう…?また見つけられるといいんですけどね。」

担当者さん「・・・・。」

私    「流石にちゃんと仕事しなきゃいけないですしね。タイミングよくいけばいいな。」

担当者さん「・・・・午前中に行こうかな。」

 

(よっしゃー!午前中!)

心はガッツポーズ。

 

これは言わせたのだろうか。それとも……。(´∀`*)ウフフ

 

2021年9月3日

職場で担当者さんに会えなかった。

 

(来なかったのかな…?)

 

 

仕事終わり、打合せ。

家に戻り夫を連れて2人で事務所に向かう。

向かう前に担当者さんにLINEする。

私    『お世話になってます。今からアパートでます。』

担当者さんに、長い時間外で待ってほしくなかった。出る時間がわかれば予想をつけられるから無理させない。

 

 

事務所で以下、打合せ。

  • 照明の位置
  • 窓の位置
  • コンセントの位置

 

私    「今日、職場に来ましたか?」

担当者さん「行きましたよ。見かけませでしたが、いましたか?」

私    「いました。」

 

探知機が働かないこともあるんだと思った。

 

担当者さん「実は、高窓についてこちらの手違いというか、発注ミスといいますか…。」

私と夫は黙って聞く。

担当者さん「柱の位置の関係から、昨日は配置を決めて頂いた高窓があのサイズのものではつけられない事がわかりまして。すみません。」

私    「付けられるサイズはどのぐらいのものになりますか?」

担当者さん「こちらです。」

予定だったサイズより結構小さくなった高窓に本心を隠せない。

私    「えー!だいぶ違いますよ!」

担当者さん「ええ、すみません・・・・。」

私    「これだけ小さいとどうなるか心配です。見た目が良くないのは困ります。」

担当者さん「・・・・はい。」

 

追加料金は発生しないが、そういう部分だけの問題ではなかった。

こういう見た目になると楽しみにしていた窓だから。

 

私    「担当者さん、この小さいサイズの高窓をつけた3Dシミュレーションをまた作れますか?それで確認してみましょう。」

 

3Dで確認してみる。

 

私    「うん、そんなに悪くない。」

夫    「うん。」

 

担当者さん「使わなくなった大き目の高窓の方、業者に返すことも出来ませんし、家のどこか好きな所につけるっていう考えもあります。」

私    「おお、なんと、そんな事が。」

 

3人で良さそうな位置を探し出す。柱の状況もあり、見た目も重要視していたので1時間ほどはかけて決めたと思う。

【和室に高窓をつけた場合の3D画像】

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夫    「うん、悪くない。」

私    「だね。いい感じ。まさかの発注ミスだったけど、返って良かったかも。」

 

最終判断は数日後とし、画像をプリントアウトしてもらって、じっくりこれで本当に良いか寝かしてみることにした。

 

 

次の日。

朝一、担当者さんからLINEが届く。

 

担当者さん『和室に高窓を設置する打合せしていただきましたが、図面を確認したところ構造上設置できませんでした。本当に無駄な打合せをさせてしまいまして、すみませんでした。』

 

私    『担当者さん・・・・(-_-)』

 

担当者さん『本当にすみません。』

担当者さん『本当に申し訳ございません。』

 

連投されたLINEにちょっと笑ってしまった。

(これまで何度も聞いてきたフレーズ。)

 

私    『いいですよ。2回も謝られたら、許してしまいますよ。😊』

担当者さん『ありがとうございます😭すみませんでした🙇🙇』

 

やっぱり憎めない。

 

真っすぐな方だから尚更。

 

7月24日、ブログで実際あった出来事から会話をほぼありのまま書いていたので、段々心配になってきて担当者さんに確認したことがある。

 

私    『これまでの、会話からLINEからすんごい書いてて…大丈夫ですか?心配になってきました。』

 

担当者さん『〇〇さん(私の名前)が大丈夫であれば、私は大丈夫です。』

 

一言、そう返ってきた。

自分のやった事を包み隠そうとしない方。

自身の事なのに、判断基準を私に任せてくれて嬉しい。そして清々しい。

 

ブログの一部を読んでもらった時は、失敗談を読んでこう言っていた。

担当者さん「あの時の自分は何を言ってるんだって思いますよ。」

 

素直で真っすぐな返答。

 

憎めないどころか、私にとっては・・・・。

 

私にとっては何かを、これ以上のない言葉で言いたいから、今はまだその言葉が出てこないから、待ってみる。

 

ふとした瞬間、担当者さんと私の間を表す答えが出てくるかもしれないから。

 

これまで経験したことない感情だから。

 

 

 

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33.私にしか出来ない事を探して

                                                                  

2021年8月7日

事務所にて打合せ。

到着すると、担当者さんが玄関先に立っていた。

夫    「担当者さん、何してるんですか?」

担当者さん「一服してました。」

 

玄関にいる担当者さんに気にはかかるが、私からは何も聞かなかった。

(担当者さん、もしかして…。)

 

以下、本日の打合せ。

  • 照明の種類と位置
  • コンセントの位置

 

間接照明を家のどこにつけるか3人で話し合った。

この間、同級生から見せてもらった間接照明のお宅の写真がとっても気に入ったからだった。

私、夫、担当者さんの三者であれこれと希望が飛び交う。

 

私    「窓ガラスの関係からテレビの上は難しいから、ニッチにつけようかな。」

担当者さん「はい。ここですね。」

私    「ええ。いくらぐらいですか?」

担当者さん「そんなにかからないかと思います。」

私    「スイッチが集まったニッチの他に玄関のニッチも間接照明にして…。」

担当者さん「・・・・。お言葉ですが〇〇さん(私の名前)。」

私    「はい。」

担当者さん「玄関のニッチは見た目から付けるのはわかりますが、スイッチの所のニッチは意味ないと思いますよ。」

 

(; ・`д・´)えっ!なんですと!?

久しぶりに担当者さんの厳しめ意見が飛んできた。

 

私    「えっ・・・・!だって…それは…。」

負けず嫌いな私から反発心が出そうになる。

担当者さん「スイッチが集まった部分を照らしてどうするんですか?」

ズバッと言われる。

(。-`ω-)むっ。

頑張ってこの位置へたどり着いた意味を説明。

私    「私のイメージですが、真っ暗な室内の中で、スイッチ集まった所が照らされていれば、必要な操作が暗闇の中でもすぐできます。何かとこのスイッチが明るいことで安心したり、暮らしが良い感じになるかと思ったんです。」

 

担当者さん「ですが、スイッチやそこにある画面は普段から光ってますよ。」

 

(=_=)

言い返す言葉、もうない。決定打を打たれる。

スイッチのニッチには間接照明は付けないことになった。

 

その後も話し合う中でのこと。

 

私    「これだと、ダメ。あなたはどうしたい?」

夫    「ここでもいいかなって思うんだけど。俺は。」

私    「えー、うん、そうかぁ。いや、ダメ!」

夫    「じゃあ、好きなようにせ。」

 

他愛のないやりとりだったと思う。

黙って聞いていた担当者さんが、少し笑ったような目をして言った。

 

担当者さん「相思相愛じゃないですか。」

 

たまにであるが、担当者さんがこんな事を言うことがある。

(・ω・)・・・・。

 

(担当者さんの心の中を覗ければいいんだけど…。)

担当者さんが通常の流れや状況の中で発言した台詞が、衝動的で不自然さを感じる事が度々ある。

が、何を想ってるか私にはわからない。

 

 

2021年8月11日

今日はとても疲れていた。担当者さんがUSBを取りにアパートに来る予定だったが、我慢しきれずリビングで寝てしまった。

 

ピンポーン。

 

インターホンの音を聞いて担当者さんが来たのはわかるが、頭と体をすぐに起こすのは割と大変だった。

 

担当者さん「こんにちは。」

私    「はい。すみません、疲れて眠ってしまって。」

担当者さん「そうですか。そうすれば今日はすぐ帰りますね。」

私    「はい。すみません。」

 

思わず出てしまった本心の一言。

 

担当者さんは笑顔で帰っていったが、これを後々まで引きずって毎日を過ごすことになる。

 

2021年8月16日

仕事の昼休みの時だった。

大事件が起きた。正確には起こしていた。

昨日の夜、うつらうつらと眠りに落ちそうになりながら見ていたサイトをうっかり担当者さんのLINEに送ってしまった。

なんのサイトか見ると、自分にとって非常にまずいものが含まれていた。

 

(;゚Д゚)

 

慌てた。

慌てて、こういう場合どう対処するのが常識的なのかわからず、思わず友達に電話で聞いてしまった。

私    「ちょっと、ごめん、教えて!」

友だち  「どうしたの?」

私    「間違って送ってはならないサイトを工務店の担当者さんに送ってしまった。ど、どうすればいい!?」

友だち  「ん?どうにもならない。」

私    「えー!困った。どうしよう。」

友だち  「下手に嘘を付け加えたりせず、間違いましたーでいいんじゃない?」

私    「わかった。ってか、軽蔑されたりしないだろうか?引かれたりしたら嫌だー。」

友だち  「普段からLINEしてたんでしょ?多分、〇〇さん(私の名前)だなーって感じに思うよ。」

私    「それは私だからしょうがないっか、みたいな事?」

友だち  「うん、そうだね。」

 

(´・ω・)ほっ…

 

本当にこの友達の私だからに救われ、何とか冷静にそして対処方法までわかった。

こんなバカな事件のために昼休み潰してくれて申し訳ない。

 

急いで担当者さんに電話して弁解をしようと電話する。

が、出ない。

代わりにLINEが返ってきた。

 

担当者さん『今日までお休みをいただいておりますので、明日ご連絡します。』

 

(えーーー!)

弁解のチャンスさえなかった。

 

私    『すみません。ホムペ、間違って担当者さんにも送ってしまいました。』

 

担当者さん『そうでしたか。ご連絡ありがとうございました。』

 

(冷ややかーーー!事務的に返されたー。)

クールな返答に不安感がさらに増幅された。

 

2021年8月17日

お昼休み、担当者さんに昨日のサイトを送ってしまった件で電話した。

(引かれていたらどうしよう・・・・。こんな事になるなんて。)

 

担当者さん「はい。どうしましたか?」

私    「あの、昨日のサイト送った件で…。すみませんでした。間違って担当者さんにも送ってしまったんです。」

嘘までいかない嘘を少し交える。きっと今ここで大事なのはあの大事件を小さい事柄にもっていくことだ。

そして相手から薄い記憶にさせることに話を進めていければ。

担当者さん「ああ、ええ。私に見てほしくて送ったのだと思ってました。」

私    「まさか!あの・・・・見ましたか?」

担当者さん「・・・・。いえ、後から見ようと思ってました。」

私    「良かった。」

 

とはいえ、既読がついてた事実から全く見てないとも言い切れない。もしかしたら担当者さんは気を使ってくれて嘘ぶいてくれてる可能性がある。

 

私    「いやー、何を送ってしまったのか、あれは何なのか私の記憶も定かでないような。あれは何だったんでしょうか?幻です、きっと。」

担当者さん「ええ、はい。そうでしたか。」

柔らかい口調の担当者さんに少しづつほっとしていく。

私    「もう、今日の打合せに行けないと思ってしまいました。」

担当者さん「何でですか!?大丈夫ですよ!」

高らかな朗らかな声が電話から響く。

安心した。

私    「引いてませんか?嫌われてたり…?」

担当者さん「してませんって。」

 

なでおろす。

今日の夕方の事務所での打合せを確認し電話を切った。

 

 

実は私の職場を担当者さんは知っている。

もう少しで仕事を終えようとしていた時、見覚えのある車を敷地内で見つけた。

(担当者さんの車!!)

職場の建物内に担当者さんを探した。

(いた!!)

思わず駆け寄ろうとして、引っ込んだ。何かスタッフの方とやり取りしていたからだ。

遠くの影からガラス扉越しに手を振ってアピールしてみる。

(気が付いて!)

担当者さんがちらりとこっちを向いた。

(わっ!)

 

((・_・)ぺこっ

 

(え!!それだけ?)

ショックだが、まあいいかと嬉しさのダダ洩れ状態で自分の仕事場まで戻った。

 

仕事を終え、ダッシュでさっき担当者さんがいた場所へ突進して行った。

(まだいた!座って待ってる。)

隣の席に滑り込むように座って話をした。

私    「担当者さん、これから打合せなのにここでこうしてて間に合いますか?」

担当者さん「大丈夫だと思いますよ。」

私    「仕事終わったので、事務所まで私すぐ向かうと思いますよ。」

担当者さん「はい。」

私    「5時頃とか、少し遅めに行きますね。」

担当者さん「はい。」

 

そっけない担当者さんだった。ずっとスマホを眺めながら話ていたし。

(???)

(人間機嫌が悪い時やそっとしてもらい時はあるもの。)

 

そう考えて、私は一旦家へ戻ると支度をして夫と車で出発した。

 

 

事務所到着。

担当者さんは今日も外で待っていた。

 

(また、待ってる。…やっぱりそうなんだな。)

立って外で待つ担当者さんの姿に心苦しくなってきていた。

工事中止の話の際、担当者さんにお願いした解決策がこれなんだろう。

(私と家族を近づけさせないために立ってくれてるんだ。)

雨がポツポツと降ってる時も、熱い日も。

 

 

担当者さん「遅かったじゃないですか!」

事務所に入るといつもの覇気ある感じの声が返ってきた。

私    「え!?だってさっき会った時5時頃って話ましたよ。」

担当者さん「え?そうでしたか。私、〇〇さん(私の名前)が家に帰ってる頃、丁度車で事務所に戻ってるころでした。」

私    「すみません、お待たせしてしまって。」

担当者さん「大丈夫ですよ!」

 

さっき職場で会った担当者さんと同一人物とは思えないほどテンションが違う。

 

私    「思わず手を振ってしまいました。でも担当者さんの反応ペコっと会釈でしたね……。」

これに顔全体をくしゃっとさせて笑う担当者さん。

担当者さん「仕方がないじゃないですか!他の方もいましたし、あの部屋でまさか私もわーって手を振る訳にもいかないですよ。」

 

そっけなかった理由がわかった。

さらにくしゃっと顔をほころばせる担当者さん。

担当者さん「舞い上がってんなーって思いましたよ。」

私    「思わず…。」

頭をかく私。

 

夫    「・・・・・。テンション高いな。」

ボソッと夫がつぶやいた。

担当者さん「〇〇さん(私の名前)、私と打合せの時はいつもこうですよ。」

つかさず、ズバッと担当者さんは言い放つ。

 

(・ω・)・・・・。

(まただ。担当者さんの発言、たまーに気になる。)

 

(・・・・。嫌は気はしないけど。)

 

 

打合せが進む中、担当者さんが身を乗り出した。

担当者さん「はい!なるほど!ええ、わかります。」

私    「良かった、通じて。そうです。ここが…。」

担当者さん「はいはい。そうですよね。私もそこは密集してると思ってました。」

紙面を覗き込むように乗り出し、目を大きく輝かせる担当者さん。

 

こういう瞬間があると、人との会話は楽しい。

 

この先も、この事務所であなたと家造りの話をしていけたら幸せなのに。

 

そんな寂しい気持ちになった時は、担当者さんの成功と他のお客さんが自分のようになってる事を考える。

 

(この先も、あなたと幸せの家造りをしていく人々で、この事務所の中が満たされますように・・・・。)

 

これが今の私に出来る最大の方法。

人には人の、自分にしか出来ない魔法があるかもしれない。

 

自分も相手も幸せになってゆく魔法が。

 

 

 

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32.喜んでもらいたいから

                                                                  

2021年7月31日

担当者さん『打合せの日時を8月7日(土)の9:00~事務所でよろしいでしょうか?』

 

2021年8月2日

私    『連絡遅くなってすみません。打合せ、上記日時でお願いします。打合せ前に夕方に対面でお会いできませんか?工程などで確認したい事などがありまして。』

担当者さん『了解しました。8月5日(木)の夕方でよろしいでしょうか?』

私    『良かった。お願いします。』

担当者さん『ありがとうございます。伺いますか?』

私    『はい。お願いします。』

 

対面を頼んだのは私なのに、担当者さんからお礼が返ってきた。

(ありがとうございますって、無意識に使うこともあるけど…。)

勝手に良い方向に考えてしまってる自分がいた。

 

2021年8月5日

約束の17:00丁度に担当者さんは現れた。

担当者さん「お久しぶりです。」

にこっと笑う担当者さんに思わず、笑顔になってしまう。

私    「はい、本当に。お久しぶりです。」

 

前回会ったのは現場に大工さんたちへのお中元を持っていった時だったから、2週間ぶりの対面。

 

これまで決定されている部分の見積り、そして工程の確認を2人でした。

そのまま、新築に関する話題などで語り合った。

 

担当者さん「緑の柱を使用している建築会社は県内でもほとんどいません。」

 

緑の柱とは、家を建てる際に使う材木にシロアリの防腐剤を注入させた柱。

今回、担当者さんからモニター価格にしますので、緑の柱で建てさせてくださいとお願いされた。

工務店として初の試みらしい。

 

私    「そうでしたか。それは嬉しいです。この辺りで初めてなのが私達の家だなんて!」

担当者さん「はい。」

喜びテンションあがる私に笑顔の担当者さん。

 

夕方もさらに日が落ち、緑の柱について2人でパソコンを見つめながら話す。

パソコンの明かりだけの室内。

アパートの開けっ放しのカーテンはそのまま。

今立ち上がったら話は終わってしまうような気がして、落ちていく日も時間も私達はそのままにしている感じがする。

あえて知らないふりのような。

 

担当者さん「今回、K様邸の緑の柱を是非多くのお客様に知って頂きたいので、見学を考えてます。」

私    「業者関係者だけではないんですね?大丈夫ですか?そんな事して。」

担当者さん「?大丈夫とは何でですか?私としてはお客様に興味をもってもらいお客様を獲得していきたい目的があります。」

私    「だからですよ。ここで建てたいお客さんがどっと来てしまいますよ?殺到して大変なことになるんじゃないですか。」

担当者さんは高らかな声とともに笑う。

担当者さん「大丈夫ですって!」

 

担当者さんの工務店は担当者さん1人で、あとは社長がいる。社長も現場に出たりお客様対応しているが、会社を運営しているのは担当者さんという感じがしていた。

 

私    「担当者さんぐらいこなせる右腕が必要じゃないんですか?よく一人でやってますよね。」

担当者さん「いえいえ、まだ余力あるというか…いえ、何とかまだ私1人で出来てるので大丈夫なんですよ。何とかなってますので。」

私    「でも、緑の柱の見学をキッカケにさすがに大変な事になりますって。この工務店の良さが伝わって建てたいとなる。」

担当者さん「そうなったら、そん時考えますよ。」

あっけらかんとした言葉に2人は大爆笑する。

 

思い出す。

担当者さんらしい言葉だなと思えた。今まで何度、私達の家造りに思いもよらない事態がやってきただろう。

 

  • 売地の売却不可の連絡が続いた事。
  • 農地法により私達には土地が買えない事実。
  • 銀行の融資を受けるには厳しい条件があったこと。
  • 固定資産税を減らす軽減措置もあること。
  • 司法書士さんに頼まず申請すると切り出され反発したこと。
  • 坪単価を上げてほしいとお願いされたこと。
  • 銀行の融資で社長の意見と対立したこと。
  • 担当者さんの家庭の事情を持ち出されて何度も揉めた事。
  • 社長の入院により売買契約が延期になりかけた事。
  • 工事の中止を申し出し、担当者さんと話し合ったこと。
  • 銀行に建築がはじまってから融資のし直しを言われたこと。

 

何度もやってくる事件の度に、どれだけ担当者さんの謝罪を聞いてきただろうか。

いくつ、担当者さんの漏れを修正するため動いただろうか。

はじめは怒りと不安でも、許してしまえばこの思いが心にやってくる。

 

(全く、しょうがないですね。)

 

担当者さんとの家造りが楽しいから、終わらせたくないから、大変でも構わない。

自分の力を使っても解決さえ出来ればいい。

その想いでやってきた。

どのみち私は全てを工務店任せにした家造りをするタイプじゃない。

 

(滅多に経験できない貴重な時間を過ごさせてもらいました。)

 

ここまで二人三脚で作れる工務店はもしかしたらあまりないかもしれない。

私は運が良かったんだと今は思う。

 

私    「私とこうして話をして、貴重な時間をさいてもらってませんか?大丈夫ですか?」

 

パソコン画面の明かりしかなく、互いの顔ぐらいしか認識できないぐらい時間が経つ。

 

担当者さん「大丈夫です。〇〇さん(私の名前)はこうして元気にさせてくれる。」

 

その言葉にふふっと私も笑ってしまう。

とても嬉しかった。

いつも私の心に閉まっていた目的。

担当者さんを喜ばせてあげたい。あなたを褒めてあげたい。素晴らしいと言ってあげたい。

それが私の目的だったから、そう言ってもらえて嬉しい。

 

(ようやくその言葉を言ってくれましたね、担当者さん。)

私    「はい。私でよかったらいつでも元気にします。」

 

知らなかった。誰かを幸せにすることはこんなにも嬉しいことなのだと。

 

日は落ちる。

辺りは真っ暗で、19時30分を過ぎても私達はカーテンも閉めず明かりもつけずに話をする。

帰ろうとしない担当者さんが、ここにいる。

(これこそが、あなたの心。)

具現化した本心なのだと感じる。

 

玄関を2人で出て、担当者さんは荷物を車に置いてそしてまた私に向き合った。

担当者さんはアパートでは出さなかったご自身の事について話しをはじめた。

15分後。

担当者さん「すっかり遅くまですみません。夕食のご用意大丈夫ですか?」

私    「全然大丈夫じゃないです。どうしようって感じですよ。」

大丈夫じゃないって言ってるのに、何故か2人は笑って話している。

担当者さん「今日の夕食は何ですか?」

私    「豚の角煮です。途中まで仕込んでます。」

担当者さん「そうですか。今度、食べさせてくださいね。」

 

そう言って、担当者さんはニコニコの笑顔のまま帰っていった。

 

 

私はアパートのキッチンで、充足感をひっそりと心に持ちながら、豚の角煮を煮る。

 

担当者さんと過ごした時間の多さが嬉しかった余韻にひたりながら。

 

 

 

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31.私を変えてくれた人

                                                                  

2021年7月1日

私    『お願いがあるのですが、緑の柱、格納されている状態を見せていただけないでしょうか?』

昨日、材木が届きましたよと言っていたので担当者さんにLINEした。

 

担当者さんから画像が送られてきた。

【送られてきた画像】

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担当者さん『現場にトラックが入れず、作業場に収納しております。』

 

(;^ω^)

(違う。現場で直接見たかったんだけど…。)

 

相変わらずの担当者さんあるあるだった。

私の望む結果の一歩引いたような答えが返ってくることがある。

 

私    『見たいのは実際の目でして。大丈夫ですか?』

とりあえず、こちらの動向を言う事を頑張ってみる。

 

担当者さん『ぜひ見ていただきたいです。ご都合はいかがでしょうか?こちらは今日とかでも大丈夫ですよ。』

 

(≧▽≦)それです!

乗り気な担当者さんの申し出に浮かれる。

打合せの相談もした。

 

私    『次回打合せですが、主人と相談し、私は土日休みなので、私だけが行って以前の回答を伝えてきてもよいのではとなりました。』

担当者さん『今週の土曜日に私がお伺いしてもよろしいでしょうか?』

私    『アパートで打合せという形でよいですよね?』

担当者さん『その通りです。おじゃまさせていただきたいです。』

 

(≧▽≦)乗り気だ…!

もうワクワクが止まらない。

今週は楽しい事だらけののラインナップである。今日は緑の柱を見に担当者さんの待つ作業場へ。そして今週末にアパートで担当者さんと打合せ。

 

(思いっきり楽しもう。)

 

夕方、仕事終わりに作業場へ車で向かった。

広い敷地全部が工務店さんの作業場だった。

 

担当者さん「お待ちしておりました。」

車から降りると笑顔で迎える担当者さん。

作業場では大工さんが柱の加工を行っていた。会釈し、格納されている柱を写真を撮る。

 

担当者さんがとあるA4の紙を見せてくれた。

ファイナンシャルプランを作ったらしい。

【担当者さんが作ったファイナンシャルプラン】

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担当者さん「この間、断られた工務店さんの話をK様から聞いて、それがきっかけで作りました。是非、モニターになって頂けませんか?」

私    「わかりました。面白そうなのでいいですよ。」

 

 

2021年7月3日

担当者さんが今日、アパートに来る日。

2人だけで打合せの予定。

 

担当者さん「頼まれていたものをお持ちしました。こちらで宜しかったですよね。」

 

頼んでいたブログで使うこれまでの打合せシートをもらった。

 

私    「今日の打合せシートもあとで下さいね。ブログで使います。」

担当者さん「…ああ、いえ、今日は持ってきてません。」

私    「それは困りますね、今何かの用紙を持ってきます。書きながら話進めましょう。」

担当者さん「…いえ、大丈夫です。書かなくても大丈夫です。」

私    「??」

 

 理由はよくわからなかったが、無理に用紙を出す事でもないなと思いそのまま話しを進めていった。

 

担当者さんが作ったファイナンシャルプランを自分の本当の家計を元に入力していく。

担当者さん「高いローンを組んで、大変な状態になっているご家庭って結構あると思うんですよね。」

私    「わかります。だと思いますね。借りれられる資金は決して返していける金額とは限らないというか。」

担当者さん「はい。新築を建ててから苦労される前にこれを見てどれぐらい借りられるのか知って頂ければと。」

 私    「そうですよね、私もそう思って家のローンを考えました。自分達の生活も豊にしつつローンを払っていければと。ローンのために毎日あまり我慢したりしないようにしたいと。」

 

 私    「出来ました。」

家計の 入力を終えると、次は担当者さんが新築後にかかるメンテナンス費などを入力しいった。結果が出る。

組んだローンが毎月の家計に無理だとなると赤字が出る仕組みらしい。

 

【私のファイナンシャルプラン結果】

f:id:Connect-w:20210828134300j:plain

 

赤字だった。

 

担当者さん「・・・・。」

私    「・・・・。」

 

担当者さん「メンテナンス費の積み立てを少なくすれば・・・・。」

私の家計の支出を減らせと言わない所が優しい。

私    「だけど積み立て費がそれだけ必要だから入力されたんですよね。」

担当者さん「・・・・はい。」

 

私の新築ローンも赤字だった事がわかり、この場では救う言葉が見つからないまま私のファイナンシャルプランは終わった。

 

その後、これまでに起こった話や、担当者さんのプライベートな部分の話を聞いたりした。

そろそろ帰る頃、担当者さんが言った。

 

担当者さん「では次回の打合せ、来週の10日の土曜日でいいですか?」

 

(来週も!?なんと!!)

今までにない担当者さんの申し出に少しだけ戸惑うが嬉しくないわけではない。

 

(いや、むしろ嬉しすぎるから。…なんという展開。)

 

私    「はい。ですね。またお待ちしてます。」

 

ごちそうさまでしたとニコニコ顔の担当者さんが帰っていって、なるほどと思った。

 

(家造りの打合せほぼしていない。打合せシート持って来なかったのはそのつもりだったからか。)

 

会いにやって来てくれたのかなと思うと、モニターという名目はあっても、正直嬉しい。

 

 

2021年7月10日

担当者さん、先週に引き続きアパートに訪れる。

 

照明の案を練ったり、質問したりした。

そして、前回赤字になってしまった事について弁解がましくも申し出る。

 

私     「赤字になってしまいましたが、アレは一番支出の多い月で入力したので、一年間で考えると相殺してわりと大丈夫です。後から気が付きました。」

 

言い訳っぽいけど本当の所でもある。

とりあえず言えたので良しとする。

 

自分のパソコンを操作しながら、担当者さんと話しをしていた時のこと。

 

担当者さん「これ、もっと早くというか良い方法ありますよ。」

私    「そうなんですか。どうすれば…。」

担当者さん「ちょっと貸してください。」

 

(!!)

パソコンに乗せた私の手の上から担当者さんの手が覆いかぶさる。

 

(待ってください。)

と心で思っても言わない。

言わない理由なんて分からないが、言わない。

 

(これは偶然だから。あるから、普通に。)

 

今日は担当者さんの距離がとても近く感じる。

 

 

2021年7月15日

担当者さんに電話した。

だけど、担当者さんは急ぎ電話を切ってきた。

 

(・・・・。)

 

LINEする。この後の家造りのことを考えたら、いたたまれなくなってしまった。

私    『今日電話して思いましたが、やはり電話取りづらいです。』

 

勇気を出して言ったから、このあとの担当者さんの反応が嬉しかった。

 

LINEを送ってすぐだった。

スマホが鳴る。

着信は担当者さんだった。

 

担当者さん「電話いつしましたか?私とのLINEの前でしたでしょうか?」

 

私の望む結果の一歩引いたような答え。

(でもいい。)

よくわからない質問をしてきた担当者さんの心が多分私は見えてる。

慌ててるか、電話をしたきっかけにしているか。

 (どちらにしろ伝わる。いい加減な態度をしたりしないと決めてる事を。)

 

住宅ローンを組む銀行さんとのやり取りで相違が出たことが何となく話題に上がった。

担当者さん「ん?それはどういった話だったんですか?」

私    「思ってもみないことです。土地の地目、3ヵ所は宅地にする話で通ってないっていうんです。」

担当者さん「え!?私も全て宅地と聞いていましたよ…。」

私    「ですよね。固定資産税を安くする事が目的で宅地にしないでくださいとも言ってましたし。」

担当者さん「そうですよ。私、銀行に呼ばれて言われたんですよ。」

私    「まさかです。それでこの間電話で銀行に説明しようとして…。そしたらローンのし直しなどを言われ、まして土地をまとめる申請も勝手にはしては困るとか何とか…。」

担当者さん「そんな事になっていたんですか。」

私    「実は。主人にも話してないですが。」

担当者さん「どうか一人で抱えないでください。」

 

こんな言葉をもらえるなら、勇気をもってLINEをして良かったと思った。

 

 

2021年7月17日

打合せの為に2人で事務所に行くと、外で担当者さんが窓ガラスを拭いていた。

 

夫    「担当者さん、何してんですか?」

担当者さん「結構汚れてるものですね。時間の合間にやってみました。」

 

意外な行動だったが、この時はあまり気にしなかった。

他に従業員のいない工務店だし、担当者さんが全てやっているから。

事務所の席についてすぐと切り出した。

 

私    「これから担当者さんと主人がいる所でスピーカーモードにして、銀行から指示された説明を電話でしようと思います。」

主人は黙って聞いていた。

担当者さん「はい。わかりました。共有しましょう。」

 

銀行に電話をして、言われてた地目に関する説明をした。

 

銀行   「それはどういった事ですか?」

電話に出られた銀行の方に聞かれたので、状況を伝える。

銀行   「ここに現場の地図もないですし、言われてもわかりかねます。あ、すみません、ちょっと窓口にいかなければなりませんので、また電話かけ直しますが、良いでしょうか?」

私    「はい。すみません。宜しくお願いします。」

 

1時間後、着信が来る。急いでとる。

 

私    「続きですが、田と畑の土地と宅地と…。」

銀行   「地図や書類を見てないので何ともわからないのですが。」

私    「ですが、説明をしてほしいと言われましたので、こうして今日…。」

行   「私、ローン審査の受付の時いたわけではないので詳しい事はわかりかねます。」

 

(参った…。今日3人でいる時に話をつけたかったのに。)

 

私    「わかりました。そうすれば、これまで対応されてきた方が出勤された時、またお話ししてみます。お時間の忙しいなか、ありがとうございました。」

電話を切った。

 

夫    「俺が仕事しているあいだ、そんなことになっていたんだな。」

 

担当者さん「いい奥さんをお持ちですよ。」

 

つかさず、担当者さんが言ってくれる。

(担当者さん、ありがとう。)

 

 

2021年7月22日

私はこの日いつも通うエステにいた。

ブログを読んでくれてるエステのマッサージ師さんが施行中に質問してきた。

 

マッサージ師さん「ブログの担当者さんってどんな人なんですか?男性?女性?事務所に座る〇〇さん(私の名前)は知ってるので想像できるんですが、その向かいに座る担当者さんがどんなかなって思うんです。」

 

簡単な容姿について聞かれたので、答えた。

(ブログで男性か女性かはっきりわからないんだなぁ。知らなった。貴重な意見。) 

 

(・・・・。性別がはっきりしないほうが面白いかも。)

 

帰り際、聞かれた。

マッサージ師さん「もしかして、前に言っていた〇〇さん(私の名前)を変えてくれた人って・・・・。」

 

私    「はい。担当者さんです。」

 

 

 

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30.本気

                                                                  

2021年6月27日 

打合せの中止願いを担当者さんに告げる前、朝一で同級生に連絡をしていた。

咄嗟の行動だった。

LINEを送る時、返信してくれるのを祈る気持ちだった。 

 

朝7:00

私    『おはよう。お願いがあるんだけど…。』

同級生  『なんだー。』

すぐに返ってきたLINEに思わず、安堵で顔がほころぶ。 

私    『いつもお客さんと打合せする時みたいに、家の話をさせてもらえないだろうか?』

同級生  『どーゆー事だ!!笑笑』

受け止めてくれる感触にまた顔がほころんだ。

私    『ごめん、そのままです。お願いします。』

同級生  『俺と?』

私    『そりゃそうです。』

同級生  『いつ?』

私    『いつなら大丈夫?』

同級生  『今日は打合せ入ってる。』

私    『今日はダメってこと…。』

同級生  『なにかあったわけ?』

いつもそうだけど、同級生の問い掛けは本当にありがたい。

私    『待って、今こちらから電話します。』

 

今日の打合せに行くのをためらっていながら連絡できずにいたが、意志が固まった。

(担当者さんに打合せの中止を伝えよう。)

自分の心に従って動く事を決心した。

 

朝7:30

私    『おはようごさいます。大変申し訳ありませんが、本日の打合せ中止させてください。体調優れませんので、今後のことは後日連絡いたします。』

 

その後、すぐに同級生に電話した。

同級生  「んで、なにしたよ?」

私    「打合せ中止にしてもらった。」

それを聞いて同級生は大笑いする。ちょっと心が救われる。

同級生  「何したんだ?」

私    「・・・・。なんだか行きたくなかった。」

ふたたび笑う同級生。

同級生  「なるほどね。そりゃ、そうだ。お前を知らないヤツがお前と打合せなんて出来るはずない。」

 

またしても救ってくれる言葉をくれる。否定しない、存在価値を認めてくれる言葉。今の私を大切にしてくれる。

私    「そうなの!?なんじゃ、そりゃ。」

だけどこの言葉に甘えた姿をみせられないから、ここは笑ってとぼけて返す。

発した声色は嬉しさが、どストレートに出ててるけど。

後日、会ってくれる約束をした。

 

朝8:30

担当者さんに中止の連絡を流した一時間後、LINEが返ってきた。

担当者さん「おはようごさいます。体調は大丈夫でしょうか?すみませんでした。私の対応により、体調不良になったことだと思います。」

 

(!!わかったんだ。自分が原因だって。)

これまで、担当者さんが憶測で語ることはなかったから驚いた。

そして察した言葉が嬉しかった。不思議なことに、今、とても辛いのに嬉しさがあった。

 

「今後のことに関しまして、ご連絡お待ちしております。」との言葉で締めくくられてたLINEに私は返信をしなかった。既読スルーというものでやり取りは終えた。

 

(担当者さん、あなたが嫌なのではない。家造りの話もしに事務所へ行きたい。行きたいけど怖いんです。家造りにあなたのプライベートが入るのが。)

 

これまで何度も伝えてきた願望は現実にはなれず、これ以上伝えることは私にとってとても危険な行為。

でも、このままでも私は担当者さんと家造りの話ができない。

はっきりと口に出すことは出来ない私の願望が、行き場なく停止することしかできない。

 

 

2021年6月29日

同級生の建築事務所を訪れた。外見は質素な平屋だが、入り口にはおしゃれで目を引く工務店のプレートが掲げてあった。

同級生  「おう。」

中に入ると、見たことない壁の柄のオープンな事務所が広がる。

私    「かっこいい事務所だね。」

OSBボードという壁材らしい。華やかで落ち着く空間だった。

事務所のテーブルで同級生と今の私の家について話をした。

これまでの施工の写真を見せてくれ、私の家造りについて助言ももらった。

 

(楽しい。こんなに楽しい時間を人と過ごすのは何年ぶりだろう。)

 

心から楽しく、こんなにも笑顔でいた時間はなかったと思う。

途中、同級生の息子さんがふらりとやってきた。

私    「こんにちは。お世話になってます。同級生です。」

ペコリと頭を下げてしっかりと挨拶を返す息子さんに微笑ましく感じた。

ジュースを買ってもらい、すぐに帰っていった。

 

同級生  「昔の俺みたいだろ。」

私    「んー、似てるかも。息子さんの方がイケメンだけど。」

第一印象の率直な意見だった。同級生の表情が固まった。

同級生  「ああ!?なんだよ。・・・・。」

(あ、まずい。少し怒ってる。・・・・素直な部分だ、珍しい。)

その後、ワイワイと中学校時代やクラスメートの話をしたりして過ごす。

 

工務店を営む同級生に聞いてみたい事があった。

私    「私の家への考え、プロから見てどうですか?」

同級生  「ん?いいと思うよ。」

私はやりましたよ!とガッツポーズ。

家が大好きで仕方がない。家と関われることは私の最大の喜びの時間。

 

帰り際、同級生が言ってくれた。

 

同級生  「いい家が建つのを楽しみにしている。がんばれよ。」

 

私の望む楽しい家造りの打合せが叶った。やはり、私の望む家造りの仕方はあるのだと確信できた。

施主が家造りだけのことが考えられる空間はあってもいい。

それを工務店に用意してもらってもいいと。

 

 

2021年6月30日

あれから沈黙をしていたが担当者さんにLINEを送ろうと決めた。

私    『施主が参加出来ない建築もないと思うので、問題を解決してから、工事を進めませんか?』

担当者さん『了解しました。施工工事は進んでおりますが、ストップした方がよろしいでしょうか?』

私    『また、こちらが考えなければなりませんか?』

担当者さん『任せていただけるのであれば、工事は進めさせてください。』

これに対して言える最大の発言力を探す。

私    『施主が打合せにいけなくても工事は行うってことですか?』

担当者さん『今までの打合せ済の工事に関しましては、施工させていただきたいです。』

たぶん、LINEではラチがあかないと気が付いた。

私    『話し合ってから決めたほうがよくないですか?』

担当者さん『了解しました。一度現場をストップさせていただきます。』

また堂々巡りの状態に苛立ちが出る。

私    『わたしの判断だけにしないでください。』

担当者さん『ですが電柱の建込み工事と外線引込み工事に関しましては電力会社に協力をいただいておりますので実行させてください。』

逃がさないという気持ちになって返した。

私    『答えになってません。』

担当者さん『ひとつの文章で送信するはずができなかったです。』

担当者さん『話し合いできるとしたら、いつ頃なりますか?』

私    『そちらが工事を行いたいならすぐに話さないといけないんじゃないですか?』

こんな言葉を人に言いたくはなかった。意地悪な発言をすることを恐れるが、ここまできたら解決まで導きたい。

担当者さん『今電話してもいいですか?』

私    『電話でも良いかもしれませんが、対面しないと私もそちらの意思がわかりませんので。』

担当者さん『ではこれからお伺いしてもよろしいでしょうか?』

私    『五時半にしてください。30分ぐらいなら時間作れます。』

あえての強気な態度を貫いて、それでも担当者さんが合わせくれるのかを測ったのだと思う。

担当者さん『ありがとうございます。了解しました。お時間を頂戴します。』

 

こんな事を言わせている自分は酷いと思う。

(担当者さん、ごめんなさい。だけど私も本気なんです。)

 

 

30分後    

 

ピンポーン。

担当者さんは私の待つアパートに訪れた。これまでの明るいテンションではない、声に暗さを滲ませ名乗って訪れた。

その声を聞いて私にも緊張が走る。

 

(もしかしたら、工事中止もあり得る話になっていくかもしれない。)

 

一歩間違えれば、工務店側から断られる事態もある。

 

工務店との契約を切らずに、相手の心を惹き付けるには・・・・どうする?)

 

玄関の扉が開かれ、担当者さんと私は対面する。

半畳ほどの小さな玄関で話した。

 

担当者さん「この度は本当に申し訳ありません。…体調はどうですか?」

私    「今は大丈夫です。ですが、色々考えてしまってます。」

担当者さん「・・・・私の対応力不足のせいで申し訳ありません。」

 

夏の暑い日、クーラーの届かない玄関先で担当者さんも私も汗が滲んでいた。

 

私    「もし工務店を変えるとしたら、どうなりますか?」

担当者さん「発注されている、協力会社へ依頼している部分まではこちらで行うことになります。」

私    「その後の引き継いでくれる工務店などの紹介はないですか?」

担当者さん「はい。そちらで何とかすることに・・・・。」

私    「そうですか。……こちら側にはデメリットばかりですね。」

 

(まだ、担当者さんの本心が見えない。)

交渉は不安を抱えたまま進む。

 

私の主張を聞きながら返答する担当者さん。一時間ほど経っただろうか。

 

私    「以前話をした工務店を営んでる私の同級生に電話したんです。」

担当者さん「はい。」

私    「お前を知らない者が、お前と打合せできるわけがないって言ってました。」 

担当者さん「・・・・。ならば教えてください。こちらが聞きたいです。〇〇さん(私の名前)とどうやって打合せしていけばいいのか?ご教示願いたいです。」

私    「頼めば…教えてくれるかもしれないですけど、多分難しいと思います。自分で何とかする所だと、それが厳しさというか経験というか、そういうものだと言うと思います。」

大人しく聞いていた担当者さんだったがこれに声を大きくした。

担当者さん「私はそれは違うと思います!相手の為に教えてあげるのが本当の人の優しさだと思いますよ!」

 

(なんて素直な回答なんだろう。純な心、私にはもうないな。)

 

担当者さんは終始仕事のカバンを胸に抱いたまま直立不動だった。

 

担当者さん「その同級生の方が話して頂けないならば、ならば私はご主人様に聞きたいぐらいです!どうすれば〇〇さん(私の名前)と上手く打合せできるのか。」

 

玄関に入ってからずっとカバンをぎゅっと抱えたままの担当者さんの姿をマジマジと見つめた。

(興奮してるから?暑さで?・・・・担当者さんの目が潤んでるように見える。)

ようやく担当者さんの本心が見えてきたと思った。

 

私    「すみません、それは主人にも言えないこちらの事情というものがあるんです。」

本当に言えない事が絡んでしまうため、主人から担当者さんへ教えるという事が出来ない旨を話した。

 

私    「出会った頃、打合せにご家族を入れたことがありましたよね?」

担当者さん「はい。」

私    「あれ、悩んで実は掲示板で質問したんです。これはあり得るのか?と。」

担当者さん「え?それでどうだったんですか?」

私    「皆、あり得ないと言ってました。」

担当者さん「それは…世間の意見がそう…なんですね。」

私    「調べたら履歴が残ってるかもしれません。見てみますか?」

担当者さん「いえ、いいです。ショックで立ち直れないかもしれません。」

私    「あの日、私達は紹介してもらった土地を一緒に見させてもらいたいと思いました。でも遠慮しざるえなかった。ですよね?来てくださいなんてあの状況の担当者さんに言えない。」

担当者さん「ええ、そうかもしれません・・・・。ですがこれはわかって頂きたい。私は小さい頃から工務店に来るお客様と共に生きてきました。事務所に家族が出入りしたりは当たり前のことなんです。お施主様からジュースをもらったり…家族ぐるみの工務店です。」

 

それを悪いとは私にははっきり言えない。むしろ素敵なくらいだ。ただし、私は違うと言う。家造りに気になるプライベートや、家造りと関わってない方を入れられたくはない。

 

私    「担当者さん、うらやましいです。この先もあなたは家造りに関わっていける。だけど私は大好きな家と関わるのは自分の家を建てるこの時しかありません。」

ああ、といった柔らかな表情をした。

担当者さん「・・・・。すみせんでした。それだけ大事なことでしたね。」

私    「はい。今、家と関われてとっても幸せです。」

 

解決策を模索することを担当者さんと話した。

私の口からははっきりと担当者さんのご家族にこうして欲しいと提案は出来ない。

出来るのは自分ならこうする、またはこういう世の意見がある。そんな所までしか。

 

私    「お互い生活をしてますから、制限をかけることはできません。どうすれば関わらずに相手の生活とこちらの打合せが出来るか、考えてみてもらえませんか。」

担当者さん「わかりました。具体的に何だとダメだとかありませんか?わかりません。」

私    「えっと・・・・。」

私なりに実は解決策はあったのだが、言いづらいので言葉に詰まる。

私    「お客さんと打合せ中、外に出なければならない事態もあるかと思います。生活してますから。車などで移動したり…すれば合うことなく…。」

担当者さん「なるほど。」

 

(答え、言っちゃんてんじゃん、自分・・・・。)

(しかも、なるほどって…本当にどうすればいいか分からずにいたんだ…。)

 

私    「これは1つ考えですので、担当者さんに合ったやり方でお願いします。」

とりあえず、言ってしまった案に擁護した。

 

この問題の大きな課題は担当者さんがご家族に話せるかどうかなんだと思っていた。

 

工務店が自分の家庭を軸にしてお客さんと接していくのか、お客さんを軸にするのか・・・・。

 

2時間かけて話し合った。

多くの方にはわからない家庭環境もある。そこにいる私の心に隠していた黒い感情を出しても担当者さんは受け止めた。むしろ肯定的に捉えてくれたりもした。

 

その間、ずっと担当者さんはカバンを胸に抱いたまま。

帰る頃には玄関は真っ暗で互いの顔が見えない。

 

だけど、心は見えた。

担当者さんの話を聞きながら、心でつぶやいていた。

 

(担当者さんにお願いした解決策が上手くできなかったとしても、その時は私が何とかします。    だから、ご家族に話してください。)

 

 

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29.打合せの中止

                                                                  

 2021年6月16日

朝一、LINEが入った。

担当者さん『予定通り地盤改良工事を行います。』

その数時間後。現場の写真が送られてくる。

あれ?と思う。

(地盤改良工事、見せてくれるって約束だったのに・・・・。)

 

仕事のお昼休みに返信した。

私    『今日、4:30分ごろ行ったら、見られますか?』

 

その後4:30分を過ぎても連絡が来ないので、現場に直行した。

 

誰もいなかった。

 

私    『見に行きました。もう終わってしまったみたいですね。教えてもらえると思ってました。残念です。』

すぐに返信が返ってきた。

担当者さん『連絡不十分で本当にすみませんでした。』

私    『本当です。』 

やるせない思いが堪えきれなかった。

私    『それとも私の伝え方に相違が生じたのですか?』

担当者さん『そんなことございません。私の連絡不足と認識不足です。』

私は謝られても引くことができないほど、見れなかった事が悔しかった。

私    『もう二度と見る機会はありません。悔しくて仕方ありません。』

 

 

次の日、担当者さんと電話で話した。

 

約束していた現場の見学をさせてもらえなかった悔しさをぶつけたかった。謝罪でなく納得のいく説明がほしかった。

 

そんな時、突然であった。

 

説明を受け家造りの話が進む中、聞こえてきた誰かがいる物音。

そして電話の側でまできて聞こえた幼い大声。奥からも聞きこえる誰かの声。

担当者さんの電話の奥は一瞬、バタバタと騒がしい。

 

ひやりとした。そしてざわざわした。

 

担当者さん「すみませんでした。それで、申請書の件でしたね・・・・。」

動揺。焦り。嫌悪感。

入れ替わり立ち替わり、心に渦巻く感情。

すぐにフェードアウトした声、頭に残って離れない。

私    「はい、申請書については・・・・。」

 

(ダメ。このまま受け入れて終われない。)

 

私    「何か周りが騒がしいようですね。お忙しいようなので、落ち着いてから電話しましょう。」

担当者さん「すみませんでした。大丈夫ですよ。」

穏やかに返す担当者さんとは裏腹に私の心はざわついている。

私    「いえ、後にします。それでは切りますね。」 

電話をプツンっと切った。

 

もう、声はしていなかった。一瞬通り過ぎただけであった。それなに電話切るほどのことなのかと、誰かに責められようなものなら恥ずかしさで返す言葉もない。

(違う。)

違がわないと否定されてもなお、私が担当者さんに言いたいことがある。

 

すぐにLINEで伝える。

私    『すみません、これらの会話、非常にまずいです。人に聞かれるのは。困りました。今、考えてます。』

担当者さん『事務所の和室の方にいた娘が不意に近くに来ました。事務所にいたのは私と娘だけです。』

私は思いつく言葉のまま連投をした。

私    『今日のやり取りについて、他言無用はもちろんのこと他の方の記憶にも残されないです。』

私    『また、すみませんが他にも声がしました。』

私    『また、たとえご家族であっても今日の事を口止め、聞いてなかったか確認さえも困るところであります。』

私    『重々承知かと思いますが、念のため伝えます。』

私    『この件も含めて土曜日改めて相談させてください。』

担当者さんからも説明が入る。

担当者さん『こちらの状況がわからないかと思いますが、私の電話を聞き取れる距離にいたのは、一瞬の娘だけです。他人に聞かれてよろしくない内容の際には確認し合いましょう。』

私    『娘さん以外の声も私に聞こえた=担当者さんの聞こえる範囲に他の方がいたかと思います。担当者さんの返答も聞かれても困ります。』

担当者さん『〇〇さん(私の名前)に聞こえたかもしれませんが、その声の人は距離遠い所から大きい声で呼んでいたので受話されたかと思います。』

 

LINEのやりとりは次の日まで続いた。

 

仕事のお昼休みに打ち返す。

私    『私にとっても大事な家造りの話をしています。お子さんはもちろんのこと、ご家族がいる場合は気にかかってしまうので、面会も電話もしません。以前もそのような話をしました。』

担当者さん『了解しました。』

私    『ただ、今回の場合、担当者さんから着信があった際に迂闊にもうたた寝してしまってすぐに出られなった私に原因があると思います。待ってる間、正直疲れ出てしまい、すみません。』

担当者さんとの約束の電話にすぐに出られなったから、今回のように家族が入り込んでしまう状況になってしまったんだとも思った。可能性として。

 

私    『確認し合いましょうとのこと、そうですね。答えて頂き、考えても頂きありがとうございます。』

 

担当者さん『ご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。』

 

このやり取りは冷たい空気が流れているのか、それとも担当者さんは私の気持ちを汲んでいるのか、わからないけどアプローチをやめようと思わなかった。

 

私    『明日、昨日の話の続きをしたいんですがよろしいですか?』

担当者さん『今の時間ぐらいでしたら大丈夫ですよ。』

明日の電話のオッケーをもらった。更に約束をつけようと試みた。

私    『22日の午前中行きます。ご見学、ご説明どうかよろしくお願いします。』

担当者さん『私のわかる範囲で宜しければ、ご説明します。』

私    『可能ならば他にもアレコレやり取りしたいんですが。』

担当者さん『私はある程度ご説明したら現場を退席しようと思ってました。』

私    『そうでしたか、流石に私1人で作業見るのも…。午前中他にご予定ありますか?』

担当者さん『立ち合いの後で打合せがありますが、調整してみます。』

私    『ありがとうございます!申請書の話も出来ればと考えてます。』

勇気を出してこれも聞いてみようと思った。

私    『ところで。以前のような長い電話は難しいのでしょうか?』

 

 

また、次の日までやり取りは続く。

 

朝一でLINEが返ってきていた。

担当者さん『22日は可能な限りいますが、急用が入ったら退席すると思います。』

担当者さん『以前のような長電話は難しいと思います。日中は大丈夫ですが夕方からは難しいですね。』

(゚ Д゚ ;)

(゜-゜)

(-_-;)

この二つの返信にへこんだ。

秒で楽しみは消えて、明日からの生きる栄養などはほとんどない。

 

私   『もっとワイワイと担当者さんと家造りしていけると思ってましたが残念です。』

 

せめて私の強がった気楽な発言でごまかし、3日間続いたLINEは終わった。

本当に伝えたかった事はちゃんと伝わったのかは不明のまま。

 

 

夕方、電話をする約束を担当者さんとしていた。

色んな事が途切れたと思っていた私に意外な展開が訪れた。

私    「本当は22日の午前中、現場での見学後、事務所に行って登記申請書の印刷とあとコンセントの位置などについて打ち合せみたいに出来ないかなって思ってました。」

担当者さん「そうだったんですか!?てっきり私は外で申請書の話をするぐらいなのかと……。わかりました。そうしましょう。」

 

乗り気でないと思っていたが、午前中、時間を設けてもらえることとなった。

(ん?内容によってOKだったのか・・・・。)

詳しく伝えれば、それで良かったのにと後からわかった。

 

しかも。

担当者さん「私のLINEって、事務的って感じじゃないですか?淡々と文書を打ってるだけの。」

私    「そうですね。気を使ってるのかと…。」

担当者さん「実は、気持ち入ってないなーとかって思われてないか不安だったりするんですよね。」

 

(そうだったんだ。意外な本心……。)

 

担当者さん「本当は絵文字とか使って返信した方が良いって思うんですが、パソコンで絵文字打つのってちょっと面倒なんですよね。冷たい感じがするって、思ってなかったですか?」

私    「お客さん相手だから、気を使ってるんだろうとは思ってました。当たり前のことと。」

(本当は、絵文字入りのLINEがたまーに来るの喜んでいたけど…。)

と、そこはわざわざ言わないことにした。

 

電話を切った後、このブログに初めて読者がついたので喜びを隠し切れず、担当者さんに吉報LINEをする。

 

私    『初めて読者がつきました。やったね!』

担当者さん『すごーい!!やりましたね😊👍』

 

絵文字付きだ!(*´ω`*)Ь

 

担当者さんと良い関係が構築されていく感じがした。

 

 

2021年6月22日

担当者さんと約束の丁張の見学後、打ち合わせをしに2人事務所に向かった。

私は話があった。

この間LINEでしっかり言えなかった、そして担当者さんに理解してもらってないことを。

私    「またですみません。担当者さんへ伝えたいことを文章にしました。送ります。」

担当者さん「!、はい、どうぞ。」

 

送信。

【事務所で目の前の担当者さんに送ったLINE】

f:id:Connect-w:20210815150005j:plain


ひとり考えてまとめた文章。担当者さんと出会って悩む度、ケータイのメモに書いてきたのは何度目かというほど、書いてきた。

こんな事はこれで終わりしたいのが本音。

 

担当者さん「お金も……ですか。」

私    「そこは冗談めいた所だったんですが、それも本当だなって後から思ったのであえて入れました。」

担当者さん「・・・・なるほど。」

 

正直、私の伝えたい願望はあまり担当者さんの心には響いてない気がした。

全くではないけど、なんとなく。感。

 

担当者さんとの打合せを終え、事務所を出た。これからまた元の現場に向かって、解散の予定となった。

その時気配を感じた。

遠くの住宅の玄関から出てくる女の人らしき人物と小走りの子供。

私は急いで車に戻った。担当者さんも自分の車に乗り込んでいた。

車のサイドミラーでちらりと見て感じる。

 

(怖い・・・・。)

 

なぜか威圧を感じた。

 

 

2021年6月24日

記憶から先日出くわした事務所の玄関先での出来事が離れない。

(次もまた起きる。)

そう思うと苦しさで胸が痛かった。

あれこれ考える時間が続いた。

 

この日、私は固定資産税の話もあったのだが、そのついでに担当者さんに自分の胸の内を明かしたことがあった。

 

    ところが、何を話したか、今となって思い出せない。

 

重要な話、自分の内面に関する相当な話をした事だけは間違いなさそうなのがLINEのやり取りに残ってるだけで、思い出せない。

 

これは電話後、送ったLINE。

私    『今日の気持ちは誰にも知られたくないものでした。どうか、お願いします。私の本心は担当者さんだけの中にしてください。』 

 

担当者さんからは了解しましたというお返事がきていた。

 

 

2021年6月27日

今日は9:00から打合せの予定があった。

朝の支度をしながら夫に言った。

自分にとってはとんでもない事を言い出した。

私    「今日の打合せ中止にしてもらおうかと思う。何だか行きたくない。」

 

苦しく、ドキドキとムカムカする心と心臓。

夫は言った。

 

夫    「俺は構わない。けど、それなら早めに連絡したほうがよくないか?」

 

 

初めて、打ち合わせの中止を担当者さんに告げた。

拒否反応、だと思う。

 

 

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28.ひたむきさ✖️情熱

                                                                  

2021年6月5日

地盤調査を見に行った。

家を建てる場所の地面の固さなどを確認する作業だ。

工事関係者の方が機械を使って測定していた。

【この機械で測定中】

f:id:Connect-w:20210809102558j:plain

【機械の画面部分】

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地面に棒を刺し、機械で下へ下へと押し込む。何処で止まるかで判定したりするらしい。

 

ブログに載せるのと、興味本位などで見させて頂いた。

小一時間ほど滞在し、帰る前に状況報告だけはしようと思ったので、担当者さんへLINEを送る。

私    『見学させていただきました。業者さんへ事前連絡ありがとうございました。』

送信ボタンを押したとほぼ同時だった。

 

ビューーン。

 

目の前を良く知る車がスピードをつけて横切る。

(担当者さんだ!!)

車から降りた担当者さんは私の車の窓の側まで来ると、ニコニコしながらちょこちょこっと手を振って挨拶しながら歩いて向かってきて、通り過ぎた。

(うわー。来た、まさかの。)

その姿に顔が思ず笑顔になる私。私も手を振って答える。

 

担当者さんと地盤調査の業者者さんは何か話してるみたいだったので、様子を見てから車を降りた。

担当者さんがこちらに歩いて戻ってくる。

担当者さん「ご覧になられましたか?」

私    「はい。おかげ様で。というか、実はさっき担当者さんにLINEで送ってます。」

担当者さん「ああ、そうだったんですか?気が付かなかったです。(スマホを操作しながら)・・・・本当ですね。」

 

数十分ほど登記申請書の件などを屋外で話した。

私    「申請書にうっかり復代理人について書いてしまったんです。それで…私としては担当者さんに是非お願いしたい事があります。それをこれからLINEで送ります。」

担当者さんは少し困ったような含み笑いをしてスマホを取り出した。

担当者さん「また…なんですか。」

 

『所有権移転登記の復代理人は〇〇町の〇〇〇〇(担当者さんのフルネーム)にお願いします。』

 

担当者さん「!、・・・・そうですね。法律上なども踏まえて…私で大丈夫なら。」

私    「調べますね。」

 

後日、大丈夫そうと判明しLINEで伝えた。

 

担当者さん「復代理人に関しまして、関与してもよいとの事だったので承知しました。」

私    「ありがとうございます!私に何かあった時はお願いいたします。」

担当者さん「了解しました。」

 

ちいさな関与だけど、嬉しさがある。

家造り、私に何か困ったことが起きた時、助けてくれるのは担当者さんに勝手に仕向けた。

実は、姑息な陰謀。(´∀`*)ウフフ

 

 

2021年6月6日

事務所にて打合せ。以下、話し合い。

  • 地盤改良の結果、説明
  • 建具のロック方法

 

 

2021年6月12日

ピンポーン。

 

アパートのチャイムが鳴る。

来たのはもちろん、担当者さん。

 

私    「ようこそお越しくださいました。」

アパートに来て頂いた理由は以前から話したかった、担当者さんと出会う前の話を聞いてほしくてだった。

 

私    「飲み物を用意している間、これを見てみてください。」

【担当者さんに差し出したメモ】

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担当者さん「これは・・・・これまで見学した建設会社ですか?」

私    「そうです。」

担当者さん「この中で、一番行った回数が多いのはどこですか?」

私    「ああ、それは・・・・。」

よく覚えていたので即答する。なるほどといった風に担当者さんは頷く。

 

飲み物を出し、パソコンを操作した。

私    「出会う前の出来事を書いてます…スクロールして読んでください。」

 

(・・・・。)

(・・・・。)

 

カチッと、スクロールの下を確認し、全て読み終えた担当者さんはこちらを向いた。

担当者さん「・・・・。うん、読みました。」

私    「担当者さんの工務店に出会う前に断られたんです。結構話を進めてはいたんですけどね…。」

担当者さん「ちなみに、さっきの検討してた建築会社の中にありますか?」

ありますと言って、私は指を指した。

担当者さん「!・・・・え?、そうなんですか!?いや、ここはよく知っています。社長さん温厚で優しそうな方というか…。若い感じの営業の方もいますね。」

私    「はい。とても温厚な良い方でした。どちらの方も打合せにいました。」

担当者さん「・・・・。この工務店がお客さんを断るなんて信じられません。」

 

しきりに、断るような工務店とは思えないと話す担当者さんだった。

 

(担当者さん、断られて傷心した私側の事なんて興味ないようだ・・・・。)

大変な思いをしてきたんですね、とか共感し、このエピソードこそが特別感を互いに抱けるストーリーになるのだと思っていた。

大分違った結果だった。

(よもや、この出会いが運命的だと思っているのは私ひとり。)(=_=)

 

(しかもだんだん、断られた私達に何か問題がったかのような雰囲気になってる。)(-_-;)

 

 (でもそれもアリ。何故なら……。)

(`・ω・´)

 

私    「うちの父の話なんですが・・・・。」

 

「クレームってわけではないが、それに近い。クレームが起きる可能性があると思って、断ったんだと思うな。」

 

担当者さん「ああ、なるほど。」

そういう考えもあるのかといった表情をした。

担当者さん「…それでもあの工務店さんが断るとは思えないですが。ちなみに、先生が教えてくれた建設会社ってのが……。」

私    「はい。あれです。前に担当者さんから出てた。」

担当者さん「ああ。なるほど。」

私    「病院ってのが〇〇町の〇〇クリニックでして…。」

担当者さん「ええ、はい。うん…。アレルギーの、匂いした展示場はどちらの建設会社でしたか?」

私    「はい。〇〇住建ですね。でももう一度行ったら何ともなかった。…それもあるから、今の土地を買う前にアレルギーが起きないか、何時間もあの場所にいたんです、私」

担当者さん「そうだったんですね。うん。

 

おかげで今の担当者さんの工務店に出会えましたと言った。

良かったんですと伝えた。

それが何より伝えたかった事実だから。

 私    「なんだか、色々と繋がってるって、そしてここに辿り着いたって感じがするんです。」

担当者さん「おかげでこうしてK様に出会えたことは私も嬉しく思います。」

 

はじめ期待した反応ではなかったが、ようやくその言葉に救われる。

私と担当者さんはニコニコとお話しを進めていった。

 

その後、担当者さんは語る。

 

担当者さん「工務店として情報を発信して、良い家を建てる事を多くの方に知ってもらいたい。大きなお金をかけて建てた家で、寒い思いをお客様にはして頂きたくない。私の想いです。」

 

担当者さんは出会った頃から、気密性の話をする方だった。そして自分なりの建築を探していた。

 

担当者さんの研究熱心で新しいものを取り入れようとするところと、性能の良い家を提供していこうとする考え。

 

出会って、少しやり取りした辺りでそれが担当者さんから滲み出ていた。

 

出会った営業マンさんなどから、それを感じた人はいなかった。

他の方がダメだとかじゃない、担当者さん自らよく言う「若輩者」だからこそ実現してる事だと思う。

 

これからもあなたのひた向きさに、私の家への情熱を組み合わせて造っていきましょう。

担当者さんにそんな言葉を言ったら、どんな反応をするだろう。

これがきっと”なせる業”だったという結果を、建てた家で出したい。

 

私の家造りはあなたが担当者さんで良かった。

 

 

 

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